葉山正雄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
はやま まさお
葉山 正雄
葉山 正雄
一人息子』(1936年)のスチル写真。満11歳、右は母親役の飯田蝶子
本名 鈴木 正雄 (すずき まさお)
生年月日 (1925-08-01) 1925年8月1日(98歳)
出生地 日本の旗 日本 神奈川県横浜市
職業 俳優、元子役
ジャンル 劇映画現代劇サイレント映画トーキー
活動期間 1931年 - 1961年
主な作品
人生のお荷物
一人息子
風の中の子供
母の勝利
テンプレートを表示

葉山 正雄(はやま まさお、1925年8月1日 - )は、日本の俳優である[1][2][3][4][5][6][7][8]。本名鈴木 正雄(すずき まさお)[1][6]菅原秀雄青木富夫横山準末松孝行加藤清一とともに同時代の「松竹蒲田の名子役」と謳われた[1]

人物・来歴[編集]

1925年大正14年)8月1日神奈川県横浜市に生まれる[1][2][6]

満5歳を迎える1930年(昭和5年)、東京府荏原郡蒲田町(現在の東京都大田区蒲田5丁目)にあった松竹蒲田撮影所(のちに大船に移転、現存せず)で子役になる[1]。『腰辨頑張れ』(監督成瀬巳喜男、1931年)、『大人の見る絵本 生れてはみたけれど』(監督小津安二郎、1932年)等に出演した後、1935年(昭和10年)には、新興キネマと提携する入江プロダクションに招かれ、豊島園そばの富士スタジオで撮影された鈴木重吉監督の『貞操問答 高原の巻』『貞操問答 都会の巻』に出演している[1][3][4]。菅原秀雄、「突貫小僧」こと青木富夫、「爆弾小僧」こと横山準、「アメリカ小僧」こと末松孝行、あるいは加藤清一(旧芸名加藤精一)とともに同時代の「松竹蒲田の名子役」として重用された[1]。同撮影所は、1936年(昭和11年)1月15日、神奈川県鎌倉郡大船町(現在の鎌倉市大船)に新設された松竹大船撮影所(現存せず)に全機能を移転することになり、葉山も大船に異動になり、ひきつづき多くの作品に出演した[1][3][4]。十代後半となった第二次世界大戦中も、同撮影所でひきつづき俳優としての活動をつづけ、満19歳のときである1944年(昭和19年)9月14日に公開された、穂積利昌監督の『君こそ次の荒鷲だ』に出演したのが、戦時中の最後の出演記録である[1][3][4]

戦後は、現代劇を製作することになった松竹京都撮影所に異動し、脇役・端役中心であるが、映画出演をつづけた[1][3][4][6][8]。1979年(昭和54年)10月23日に発行された『日本映画俳優全集・男優編』(キネマ旬報社)の葉山の項には、満23歳となった1948年(昭和23年)8月30日に公開された高木孝一監督の『のらくら海浜騒動』に出演した後は「スクリーンから姿を消した」と記述され、それ以降の記述はないが[1]、実際にはその後も少なくとも13年は同撮影所での俳優活動を続けており[6][7][8]、満36歳のとき、1961年(昭和36年)11月1日に公開された井上梅次監督の『妻あり子あり友ありて』にも出演し、クレジットされている[8]。しかしながらそれ以降の出演記録は残っておらず、以降の消息は不明である。2歳年長の突貫小僧こと青木富夫はすでに2004年(平成16年)に満80歳で亡くなっている状況であるが、葉山が存命であれば、現在満98歳である。

フィルモグラフィ[編集]

腰辨頑張れ』(1931年)、満6歳、左から山口勇菅原秀雄葉山飯島善太郎、女子(不明)。
風の中の子供』(1937年)のスチル写真。満12歳、左は「爆弾小僧」こと横山準

特筆以外すべてクレジットは「出演」である[3][4]。公開日の右側には役名[3][4]、および東京国立近代美術館フィルムセンター(NFC)、マツダ映画社所蔵等の上映用プリントの現存状況についても記す[8][9]。同センター等に所蔵されていないものは、とくに1940年代以前の作品についてはほぼ現存しないフィルムである。

松竹蒲田撮影所[編集]

特筆以外すべて製作は「松竹蒲田撮影所」、特筆以外すべて配給は「松竹キネマ」、特筆以外すべてサイレント映画である[3][4]

松竹大船撮影所[編集]

特筆以外すべて製作は「松竹大船撮影所」、すべて配給は「松竹キネマ」あるいは「松竹」、特筆以外すべてトーキーである[3][4]

松竹京都撮影所[編集]

すべて製作は「松竹京都撮影所」、すべて配給は「松竹」である[3][4][6]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l キネマ旬報社[1979], p.472.
  2. ^ a b 葉山正雄jlogos.com, エア、2013年2月2日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j 葉山正雄日本映画データベース、2013年2月2日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j 葉山正雄、日本映画情報システム、文化庁、2013年2月2日閲覧。
  5. ^ 葉山正雄、映連データベース、日本映画製作者連盟、2013年2月2日閲覧。
  6. ^ a b c d e f 葉山正雄KINENOTE, 2013年2月2日閲覧。
  7. ^ a b 葉山正雄テレビドラマデータベース、2013年2月2日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag 葉山正雄東京国立近代美術館フィルムセンター、2013年2月2日閲覧。
  9. ^ 主な所蔵リスト 劇映画 邦画篇マツダ映画社、2013年2月2日閲覧。

参考文献[編集]

  • 『日本映画俳優全集・男優編』、キネマ旬報社、1979年10月23日
  • 『芸能人物事典 明治大正昭和』、日外アソシエーツ、1998年11月 ISBN 4816915133

関連項目[編集]

外部リンク[編集]