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'''[[メシエ天体|M]]82''' ([[ニュージェネラルカタログ|NGC]] 3034) は、[[おおぐま座]]にある銀河。距離は1200万光年。[[1774年]]に[[ヨハン・ボーデ|ボーデ]]が[[M81]]と同時に発見した。ボーデは「星雲状の光斑で青く楕円」としている。[[1781年]][[シャルル・メシエ|メシエ]]は「星のない星雲でM81に先行、M81ほどはっきりしない。望遠鏡で同じ視野にみえる。端に微星があり、微かで全体がのびている」とした。[[ジョン・ハーシェル]]は「非常に大きく明るく、腕が出ている」としている。スミスは「長くて狭く、北端が明るく、M81より青白い」と記した。[[1871年]][[ウィリアム・パーソンズ|ロス卿]]は「ボーデの星雲。奇妙に曲がりくねった腕がある」とした。


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M81に近接されたために[[スターバースト]]が引き起こされている[[スターバースト銀河]]である。また中心部から極方向に向かって、電離した水素ガスが吹き出している。これは「スーパーウィンド」という。
M81に近接されたために[[スターバースト]]が引き起こされている[[スターバースト銀河]]である。また中心部から極方向に向かって、電離した水素ガスが吹き出している。これは「スーパーウィンド」という。


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M82は、通常Irr-II([[不規則銀河]])に分類されているが、実際には[[棒渦巻銀河]]を真横から見ているのであり、重力の歪みやスターバーストの活動によって棒渦巻銀河の形で見られないと言われている。
M82は、通常Irr-II([[不規則銀河]])に分類されているが、実際には[[棒渦巻銀河]]を真横から見ているのであり、重力の歪みやスターバーストの活動によって棒渦巻銀河の形で見られないと言われている。


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[[チャンドラ (人工衛星)|チャンドラX線観測衛星]]により、中心部から600光年離れたところから[[X線]]が観測された。X線源には、[[太陽]]の約500倍の質量を持つ中型[[ブラックホール]]があると考えられている。

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== 出典 ==
<references/>


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==

2013年11月23日 (土) 15:57時点における版

M82 (Cigar Galaxy)
観測データ
Irr-II
赤経 (RA, α) 9 h 55.8 m (J2000.0)
赤緯 (Dec, δ) +69° 41′(J2000.0)
距離 1200万光年
視等級 +8.4
視直径 9′×4′
物理的性質
質量太陽 = 1) _
直径 _
(B-V) _
絶対等級 _
特性

スターバースト銀河

その他の名称

M82
NGC 3034
爆発銀河[1]
葉巻銀河[2]

M82 (NGC 3034) は、おおぐま座にある銀河。距離は1200万光年。1774年ボーデM81と同時に発見した。ボーデは「星雲状の光斑で青く楕円」としている。1781年メシエは「星のない星雲でM81に先行、M81ほどはっきりしない。望遠鏡で同じ視野にみえる。端に微星があり、微かで全体がのびている」とした。ジョン・ハーシェルは「非常に大きく明るく、腕が出ている」としている。スミスは「長くて狭く、北端が明るく、M81より青白い」と記した。1871年ロス卿は「ボーデの星雲。奇妙に曲がりくねった腕がある」とした。

双眼鏡では小さくぼんやりと見える。口径5cmの望遠鏡では、細長い姿を見ることができる。6cmの望遠鏡では、周辺のでこぼこや片方が明るいのが分かってくる。中心部の複雑な様相は、この口径でも観察できる。4インチ屈折でマラスは「非常に多くの大小様々の明るい光点が示され、正しく諸うつつする宇宙の様相を思わせる」とした。M81の丸い形との対照が面白い。その形から葉巻銀河 (Cigar Galaxy) ともいう。

M81に近接されたためにスターバーストが引き起こされているスターバースト銀河である。また中心部から極方向に向かって、電離した水素ガスが吹き出している。これは「スーパーウィンド」という。

M82は、通常Irr-II(不規則銀河)に分類されているが、実際には棒渦巻銀河を真横から見ているのであり、重力の歪みやスターバーストの活動によって棒渦巻銀河の形で見られないと言われている。

チャンドラX線観測衛星により、中心部から600光年離れたところからX線が観測された。X線源には、太陽の約500倍の質量を持つ中型ブラックホールがあると考えられている。

M82(チャンドラハッブルスピッツァーのデータの統合処理画像)
M82(上)とM81(下)

出典

  1. ^ 春の星雲・星団鹿角平天文台
  2. ^ 葉巻銀河の最新画像、ハッブル撮影ナショナルジオグラフィック ニュース

外部リンク