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2010年8月8日 (日) 18:10時点における版
文学 |
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作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
『神々自身』(The Gods Themselves)は、アイザック・アシモフのSF小説。1972年に刊行された。
概要
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
アシモフの長編としては珍しく、ファウンデーションシリーズやロボットシリーズと全く関わりの無い独立した作品である。
異なる物理法則を持つパラレルワールドからもたらされた科学技術を軸に、その危険性を訴える者と、利権や偏見のためにそれを抹殺しようとする者達との闘いを描いている。全三部構成で、タイトルや各章の表題にもなっているシラーの引用句「愚かしさという物は、神々自身が相手をしても敵わない」が作品のテーマである。
当時ノンフィクション中心に執筆していたアシモフの久々のSF長編だった事に加え、特に第二部では従来のアシモフ作品に欠けていると言われていた「異星人」と「セックス」をストーリーの中核に置いた事で話題を呼んだ。ヒューゴー賞・ネビュラ賞長編部門受賞作。
この作品の基本アイデアである空想の物質「プルトニウム186」は、SF作家のロバート・シルヴァーバーグ(後にアシモフの3短編を長編化している)が講演の席で適当な放射性物質を挙げる必要が生じた際に、誤って現実に存在し得ない「プルトニウム186」と言ってしまった事に因んでいる。元々はシルヴァーバーグ編纂のアンソロジー収録用に短編として書き始められたが、アシモフ自身の意図に反して分量が増えてしまい結局長編化される事となった(アンソロジー用には代替として短編「好敵手」(『木星買います』所収)が書かれている)。
アシモフ晩年の短編『ゴールド-黄金(Gold)』は、黄金と引き換えにSF作家から自作の電子ドラマ化を依頼されるドラマ作家の話だが、その作品は本作の第二部をモデルにしている。
あらすじ
パラ宇宙との電子交換により無公害無尽蔵のエネルギーを得られる夢の動力源「エレクトロン・ポンプ」(一種の永久機関)を中心に話が展開される。第一部ではポンプの隠された危険性を訴える若き物理学者ラモントの挫折を、第二部ではパラ宇宙で同じくポンプの危険性を訴えるデュアの運命を、第三部では月に移住した物理学者デニソンがポンプの危険性の証拠とその解決策を得る過程を描いている。
以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。