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「コーチング」の版間の差分

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== 歴史 ==
== 歴史 ==
<!--日本では、アメリカの自己啓発セミナー"est"の後身である"forum"(現[[ランドマーク・エデュケーション]])が、1985年に日本に進出した当初から勧誘プログラムなどの受講者に対して、勧誘のコミットメント(やる気)を引き出し、いつまでに何人勧誘するといった言質をとるためのコミュニケーション手段としてコーチングの手法を用いていた。ただし、コーチングという英語名称ではなく、「コーチすること」と訳していた。また、"Lifespring"系自己啓発セミナーの"ライフ・ダイナミックス"は社員をアメリカに派遣して、社員向けのトレーナーズ・セミナーでコーチングのノウハウを取得させていた<ref>『コーチングの技術』 [[講談社現代新書]] (2003年3月) ISBN 4061496565</ref>{{要ページ番号|date=2017年11月}}。-->
日本では、アメリカの自己啓発セミナー"est"の後身である"forum"(現[[ランドマーク・エデュケーション]])が、1985年に日本に進出した当初から勧誘プログラムなどの受講者に対して、勧誘のコミットメント(やる気)を引き出し、いつまでに何人勧誘するといった言質をとるためのコミュニケーション手段としてコーチングの手法を用いていた。ただし、コーチングという英語名称ではなく、「コーチすること」と訳していた。また、"Lifespring"系自己啓発セミナーの"ライフ・ダイナミックス"は社員をアメリカに派遣して、社員向けのトレーナーズ・セミナーでコーチングのノウハウを取得させていた<ref>『コーチングの技術』 [[講談社現代新書]] (2003年3月) ISBN 4061496565</ref>{{要ページ番号|date=2017年11月}}。


一般向けのセミナーとしてコーチングの普及が図られたのはアメリカでもそれほど古くはなく、1992年の"Coach U"(別名: Coach University)、1994年の"Coachville"(邦名: コーチヴィル)と<ref>日本のコーチ・エィがライセンス契約を行い会員制有料サイトの名称として利用している; [https://www.coachville.co.jp/modules/htmls/index.php?op=viewarticle&artid=7 コーチヴィル(ABOUT US)]。</ref>、同年に設立された"International Coach Federation"(邦名: 国際コーチ連盟)によってである<ref name="toma">[http://www.peeep.us/be826f0f Thomas J. Leonard, Bio] - 「Coachville」ホームページ; トーマス・レナードは2003年に主に発展途上国向けの"International Association of Coaches"という団体も設立している。</ref>。いずれも、元"est"の社員で同社の[[ファイナンス]]を担う企業の経営者だったトーマス・レナードと言う同一人物によって創設され、もっぱら資格セミナーとして提供された<ref name="toma"/>。トーマス・レナードは、1992年に設立された"CTI"(Coaches Training Institute)の創業にも深く関わっている<ref>[http://www.thecoaches.com/why-cti/about-cti About CTI, History] - 「CTIアメリカ」ホームページ。</ref>。
一般向けのセミナーとしてコーチングの普及が図られたのはアメリカでもそれほど古くはなく、1992年の"Coach U"(別名: Coach University)、1994年の"Coachville"(邦名: コーチヴィル)と<ref>日本のコーチ・エィがライセンス契約を行い会員制有料サイトの名称として利用している; [https://www.coachville.co.jp/modules/htmls/index.php?op=viewarticle&artid=7 コーチヴィル(ABOUT US)]。</ref>、同年に設立された"International Coach Federation"(邦名: 国際コーチ連盟)によってである<ref name="toma">[http://www.peeep.us/be826f0f Thomas J. Leonard, Bio] - 「Coachville」ホームページ; トーマス・レナードは2003年に主に発展途上国向けの"International Association of Coaches"という団体も設立している。</ref>。いずれも、元"est"の社員で同社の[[ファイナンス]]を担う企業の経営者だったトーマス・レナードと言う同一人物によって創設され、もっぱら資格セミナーとして提供された<ref name="toma"/>。トーマス・レナードは、1992年に設立された"CTI"(Coaches Training Institute)の創業にも深く関わっている<ref>[http://www.thecoaches.com/why-cti/about-cti About CTI, History] - 「CTIアメリカ」ホームページ。</ref>。
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== 影響 ==
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アメリカでは、[[子育て]]等の理由で[[在宅ビジネス]]を求職する[[消費者]]に対してコーチングの詐欺的な商法が横行し、連邦取引委員会(FTC)が悪質な事業者を社名と個人名をあげて摘発・公表するとともに<ref>[https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2013/01/business-coaching-marketers-agree-settle-ftc-charges Business 'Coaching' Marketers Agree to Settle FTC Charges.] FTC(Federal Trade Commission).</ref>、2013年1月に消費者情報としてコーチングの詐欺的商法に関する注意喚起を行った<ref>[http://www.consumer.ftc.gov/blog/beware-business-coaching-scams Consumer Information.] FTC(Federal Trade Commission).</ref>。
アメリカでは、[[子育て]]等の理由で[[在宅ビジネス]]を求職する[[消費者]]に対してコーチングの詐欺的な商法が横行し、連邦取引委員会(FTC)が悪質な事業者を社名と個人名をあげて摘発・公表するとともに<ref>[https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2013/01/business-coaching-marketers-agree-settle-ftc-charges Business 'Coaching' Marketers Agree to Settle FTC Charges.] FTC(Federal Trade Commission).</ref>、2013年1月に消費者情報としてコーチングの詐欺的商法に関する注意喚起を行った<ref>[http://www.consumer.ftc.gov/blog/beware-business-coaching-scams Consumer Information.] FTC(Federal Trade Commission).</ref>。

日本では[[日経新聞]]が系列の[[日経BP社]]の雑誌を含めてコーチングを紹介する記事をたびたび掲載し、コーチ・エィがアメリカで開催したコーチングの逆輸出的なイベントを後援したこともあった。また、[[NHK]]は[[クローズアップ現代]]で2003年と2011年にコーチングを紹介している<ref>[http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/1788/index.html あなたの“やる気”引き出します ~広がるコーチング~] 2003年8月20日, [http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3099/index.html “コーチ”をつける社長たち] 2011年9月27日; NHKクローズアップ現代。</ref>。

== コーチングの基本 ==
[[教育コーチング]]、[[コーチング心理学]]のトレーニング、アクション・ラーニング(アクティブ・リスニング)など様々な言い方で提供されるが、座学や[[ロール・プレイング]]の多くを[[NLP]]から移入しているNLPコーチングも含めて、相手に答えや指示を与えるのはなく、傾聴・質問・承認による婉曲的なコミュニケーション技法を通して、相手から「気づき」や「コミットメント」を引き出すことが基本となる<ref>[https://shigotonomirai.com/difference-coaching-nlp NLPとコーチング―2つの共通点と5つの違い] - NPO法人しごとのみらい。</ref>。コーチのポジションによっては、相手の首を真綿で締めつけるようなコミュニケーションとなったり、相手がコーチの意図を[[忖度]]するような結果となるので注意が必要である。


== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[国立教育政策研究所]]([[文部科学省]])
* [[コミュニケーション]]
* [[心理療法]]
* [[日本大学]]
* [[暴力団]]
* [[コーチング心理学]]
* [[教育コーチング]]
* [[右翼]]
* [[松田妙子 (生涯学習開発財団)|松田妙子]]
* [[神経言語プログラミング]] (NLP)


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[[Category:ビジネススキル]]
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2018年5月30日 (水) 12:56時点における版

コーチング(coaching)とは、人材開発の技法の一つ。対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術である。相手の話をよく聴き(傾聴)、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行動を促すとするコミュニケーション技法である。ヒューマンポテンシャル運動でのエスリン研究所で行われた潜在能力開発実験、そこから生じた自己啓発セミナーをルーツとする[1]。多対多で行われる自己啓発セミナーに対し、コーチングは1対1で行われる[1]。自己啓発セミナーより健全な方向に発展した[1]

理論体系はないため、対話手法も含め、既存の心理学カウンセリング等の理論・技法を借用して構成される。内容は事業者によって異なる。[要出典]良い効果をもたらす可能性がある反面、「人を変える」「人が変わる」ことを扱うため、ルーツを同じくする自己啓発セミナーや組織開発同様、害悪をもたらしうる危うさがある[1]

概要

コーチングはカウンセリングの質問技法[2]の中の未来質問や具体化質問など、狭い領域に絞り込んだ目的思考の質問[3]をビジネスライクに行うことに特徴がある。また、クライアントへの「助言・力づけ・援助」[4]をクロージングとするカウンセリングと異なり、コーチングはそれらを「承認」に代える。[要出典]

歴史

日本では、アメリカの自己啓発セミナー"est"の後身である"forum"(現ランドマーク・エデュケーション)が、1985年に日本に進出した当初から勧誘プログラムなどの受講者に対して、勧誘のコミットメント(やる気)を引き出し、いつまでに何人勧誘するといった言質をとるためのコミュニケーション手段としてコーチングの手法を用いていた。ただし、コーチングという英語名称ではなく、「コーチすること」と訳していた。また、"Lifespring"系自己啓発セミナーの"ライフ・ダイナミックス"は社員をアメリカに派遣して、社員向けのトレーナーズ・セミナーでコーチングのノウハウを取得させていた[5][要ページ番号]

一般向けのセミナーとしてコーチングの普及が図られたのはアメリカでもそれほど古くはなく、1992年の"Coach U"(別名: Coach University)、1994年の"Coachville"(邦名: コーチヴィル)と[6]、同年に設立された"International Coach Federation"(邦名: 国際コーチ連盟)によってである[7]。いずれも、元"est"の社員で同社のファイナンスを担う企業の経営者だったトーマス・レナードと言う同一人物によって創設され、もっぱら資格セミナーとして提供された[7]。トーマス・レナードは、1992年に設立された"CTI"(Coaches Training Institute)の創業にも深く関わっている[8]

日本では、1997年に"コーチ21"(現コーチ・エィ)が[9]、2000年には"CTIジャパン"が[10]、最初期のコーチング会社として開業した。

影響

アメリカでは、子育て等の理由で在宅ビジネスを求職する消費者に対してコーチングの詐欺的な商法が横行し、連邦取引委員会(FTC)が悪質な事業者を社名と個人名をあげて摘発・公表するとともに[11]、2013年1月に消費者情報としてコーチングの詐欺的商法に関する注意喚起を行った[12]

日本では日経新聞が系列の日経BP社の雑誌を含めてコーチングを紹介する記事をたびたび掲載し、コーチ・エィがアメリカで開催したコーチングの逆輸出的なイベントを後援したこともあった。また、NHKクローズアップ現代で2003年と2011年にコーチングを紹介している[13]

コーチングの基本

教育コーチングコーチング心理学のトレーニング、アクション・ラーニング(アクティブ・リスニング)など様々な言い方で提供されるが、座学やロール・プレイングの多くをNLPから移入しているNLPコーチングも含めて、相手に答えや指示を与えるのはなく、傾聴・質問・承認による婉曲的なコミュニケーション技法を通して、相手から「気づき」や「コミットメント」を引き出すことが基本となる[14]。コーチのポジションによっては、相手の首を真綿で締めつけるようなコミュニケーションとなったり、相手がコーチの意図を忖度するような結果となるので注意が必要である。

脚注

  1. ^ a b c d 中原淳・中村和彦 南山大学 人間関係研究センター 公開講演会「組織開発」再考 理論的系譜と実践現場のリアルから考える 人間関係研究(南山大学人間関係研究センター紀要)2016, 211‑273.
  2. ^ カウンセリングは「ラポールの形成」や「傾聴・共感」を重視するとともに、広範かつ重層的な質問技法を有し、クライアントへの関与目的やカウンセリングの進行状況に合わせて適宜・適切な質問を選択的に行う。[要出典]
  3. ^ GROWモデルと呼ぶコーチング・セミナー会社が多い。[要出典]
  4. ^ クライアントの内発的・自発的な行動変容や既成概念の打破を惹起するために、助言は基本的に行うべきでないとする考え方から、必要に応じて指示的・教育的な助言も行うべきであるとする考え方まで、カウンセリングの各種アプローチや目的によって、見解や関与態度・手法が最も分かれる部分である。 [要出典]
  5. ^ 『コーチングの技術』 講談社現代新書 (2003年3月) ISBN 4061496565
  6. ^ 日本のコーチ・エィがライセンス契約を行い会員制有料サイトの名称として利用している; コーチヴィル(ABOUT US)
  7. ^ a b Thomas J. Leonard, Bio - 「Coachville」ホームページ; トーマス・レナードは2003年に主に発展途上国向けの"International Association of Coaches"という団体も設立している。
  8. ^ About CTI, History - 「CTIアメリカ」ホームページ。
  9. ^ 沿革・歴史 - 「コーチ・エィ」ホームページ。
  10. ^ CTIジャパンの歩み - 「CTIジャパン」ホームページ; 日本人だけの運営となったのは2002年からである。
  11. ^ Business 'Coaching' Marketers Agree to Settle FTC Charges. FTC(Federal Trade Commission).
  12. ^ Consumer Information. FTC(Federal Trade Commission).
  13. ^ あなたの“やる気”引き出します ~広がるコーチング~ 2003年8月20日, “コーチ”をつける社長たち 2011年9月27日; NHKクローズアップ現代。
  14. ^ NLPとコーチング―2つの共通点と5つの違い - NPO法人しごとのみらい。

参考文献

関連項目