ラポール
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ラポール (rapport) とは臨床心理学の用語で、セラピストとクライエントとの間の心的状態を表す。
元はオーストリアの精神科医フランツ・アントン・メスメルが「動物磁気」に感応したクライエントとの間に生じた関係を表現するために用いた語である。その後、セラピストとクライエントの間に、相互を信頼し合い、安心して自由に振る舞ったり感情の交流を行える関係が成立している状態を表す語として用いられるようになった。カウンセリングや心理療法をどのような立場から行う場合であっても、ラポールは共通した基本的な前提条件として重視されている。
ちなみに、ラポールと類義した用語に治療同盟がある。両者ともにそれが構築される場合は、患者と医師が治療に対しての前向きな感情を抱いている場合に言われやすい。文脈によってこれらの言葉は悪い関係や、単なる患者と医者の結びつきのみを指す時もある。
引用文献[編集]
- 坂野雄二(編)2000 『臨床心理学キーワード』有斐閣双書、ISBN 4641058695
- 岡田尊司『マインド・コントロール 増補改訂版』2016年、文藝春秋、ISBN 978-4-16-661074-7。101頁