気象制御

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気象制御(きしょうせいぎょ、英語:weather control、weather modification)とは気象を人工的に操作したり制御したりすることである。気象改変[1]気象調節[2]気象コントロール[3]天候制御[4]とも言う。

目的[編集]

気象制御の主な目的は、少雨や大雨、高温や低温、突風など、人間に被害を与える又は与える可能性のある気象現象を軽減することである。具体的には、少雨の地域にを降らせたり(人工降雨を参照)、熱帯低気圧を弱めたりその進路を変えたりといったことが研究されてきた。気象を「制御」することが目的であるため、ある程度は意図したとおりに気象が制御できなければ、成功とは言えない。

他方、人間に被害を与える気象現象を軽減するのではなく、増強させることを目的とした軍事的な利用もある(気象兵器)。1977年5月18日、軍縮NGOの「環境制御会議(Environmental Modification Convention)」において気象兵器を平和目的での使用に制限する環境改変兵器禁止条約(環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約;Convention on the Prohibition of Military or Any Other Hostile Use of Environmental Modification Techniques。略称はENMOD)がジュネーヴにおいて採択され、アメリカ合衆国は調印したにもかかわらず、アメリカ空軍(USAF)は、1996年、戦場での人工降雨を提案した[5]

研究機関[編集]

日本においては気象庁所属の気象研究所において、ほか中国ロシアなど各国で研究されている。

歴史[編集]

方法[編集]

地球の気候システムにはあらゆる現象が関与している。平たく言えば、地球上で起こるすべての現象が少なからず地球の気候に関与している。しかし、その中で実際に目に見えるような効果をもたらしている現象はほんの一握りでしかない。しかし、一握りといっても数え切れないほどたくさんあり、2つ以上の現象がもたらす相乗効果も考慮すれば格段にパターンは増える。

考えられる主な気象制御の方法は以下のとおりである。

凝結核の散布
凝結核となる物質を空中に散布するもの。ヨウ化銀ドライアイスなどが効果的とされる。航空機などで空から散布するものはクラウドシーディング(雲の種まき)と呼ばれる。地上からロケットによって散布するもの、地上で直接散布するものもある。
吸湿性粒子の散布
吸湿性の高い粒子を空中に散布するもの。
振動
衝撃波音波によって過冷却の水滴を振動させ、凝結のきっかけを作る。
降雹の制御
雹の成長を抑制したり溶解させたりするもの。
霧の消散
を消滅させるもの。液体炭酸、液体プロパン、ドライアイスなどを用いて霧の粒子を落下させるものや、温度を上げて蒸発させるものなどがある。

実例と研究[編集]

個々の例[編集]

国際的研究[編集]

問題点[編集]

気象をうまく制御できなかった場合、大雨や旱魃により災害をもたらす可能性がある。

また、気象制御の研究が、その必要性や費用、科学的理解などの問題から、うまく進んでいないということも指摘されている。

気象制御を扱った作品[編集]

脚注[編集]

  1. ^ [1]知恵蔵2011,kotobankより、饒村曜 和歌山気象台長/ 宮澤清治NHK放送用語委員会専門委員、執筆記事
  2. ^ 防災科学技術研究資料 34, 1-20, 1978-12-20では「Weather Modification」を「気象調節」と訳。
  3. ^ [2]での語の使用例。
  4. ^ wiredvisionwiredvisionでの使用例
  5. ^ 人工降雨#アメリカにおける研究と実践

関連項目[編集]

外部リンク[編集]