日活ロマンポルノ事件

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日活ロマンポルノ事件(にっかつロマンポルノじけん)とは、1972年昭和47年)に日本映画界の自主統制機関である映画倫理委員会が審査した成人映画が、刑法猥褻図画公然陳列罪容疑で起訴され、日活ロマンポルノが『芸術猥褻か』が裁判で問われ、刑事訴訟に発展した事件である。起訴された被告は、全員無罪が確定した。「日活・ロマンポルノ事件」「日活ロマンポルノ裁判」とも言われる。

概要[編集]

この事件は、1971年(昭和46年)から1972年(昭和47年)にかけて公開上映された、日活ロマンポルノ成人映画4作品(『愛のぬくもり』、『恋の狩人・ラブハンター』、『OL日記・牝猫の匂い』、『女高生芸者』)が、警視庁に「猥褻なものだ」として1972年(昭和47年)9月に、日活の映画本部長、製作・配給責任者ら6人が猥褻図画公然陳列罪で、この映画を上映するに当たって、映画を審査した映画倫理委員会の審査員3人が、同幇助罪で起訴された事件である。

日本映画界の表現自主統制機関である『映画倫理委員会』が、初めて刑事責任を問われるという事態になり、日活ロマンポルノに多くの固定観客がいたことも併せて、当時注目された。

1978年昭和53年)6月、一審の東京地方裁判所無罪判決を下した。判決では「性描写をどこまで許すかは、時代と共に変わる社会的通念による。」とした上で「映倫の審査はすでに一定の社会的評価、信頼が確立されており、映倫の審査を尊重するべき」とした。東京地方検察庁はこの判決を不服として控訴した。

1980年(昭和55年)7月、二審の東京高等裁判所も一審とほぼ同様の理由で判決を支持、検察側の主張を棄却し、無罪判決を言い渡した。東京高等検察庁はこの判決に対して、最高裁判所への上告を断念。無罪判決が確定判決となった。

参考文献[編集]