投票率
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投票率(とうひょうりつ)とは有権者総数に対する投票者の割合[1]。
解説[編集]
投票率はその地域における投票参加の度合いを表すものとして使用されている。
投票率が低いほど、組織票の割合が大きくなり浮動票の割合が少なくなる傾向があると言われているが、組織票を動かしていた組織が解散または自主投票とすることで投票率が下がることもありうる。投票率が低いと、組織票依りの勢力が有利になる。
日本国外では組織的なボイコットにより投票率を下げて選挙自体の権威を下げる戦術も行われている。日本の公的な公職選挙や法的拘束力のある住民投票では組織的ボイコットは見られないが、異端的極左活動家の外山恒一は行政とメディアが一体となった投票率アップキャンペーンに違和感を持ち、「前衛芸術党・棄権分子」と称して棄権推進運動を行っていた[2]。
先進民主主義国ではオーストラリアが投票率90%を超えている。これは、棄権者に罰金を課する義務投票制を採用していることが影響しているとされる。義務投票制度を採用していない先進民主主義国では、近年北欧諸国であるスウェーデンなどの高投票率が注目されている[3]。
日本における投票率に関する記録[編集]
衆議院議員総選挙[編集]
- 制限選挙時代
- 最高 1890年(第1回) 93.73% ※全体で最高
- 最低 1894年(第4回) 84.84%
- 男子普選時代
- 最高 1930年(第17回) 83.34%
- 最低 1937年(第20回) 73.31%
- 完全普選時代
- 最高 1958年(第28回) 76.99%
- 最低 2014年(第47回) 52.66%[4] ※全体で最低
参議院議員通常選挙[編集]
- 最高 1980年(第12回) 75.54% ※衆参同日選挙
- 最低 1995年(第17回) 44.52%
参議院議員補欠選挙[編集]
- 最低 1991年参議院議員埼玉県選挙区補欠選挙 17.80%
都道府県知事選挙[編集]
- 最高 1951年島根県知事選挙 95.10%
- 最低 2011年埼玉県知事選挙 24.89%
五大都市市長選挙[編集]
- 最高 1951年名古屋市長選挙 78.08%
- 最低 1979年京都市長選挙 16.13% ※政令指定都市市長選挙としても最低
政令指定都市市長選挙[編集]
- 最高 2009年横浜市長選挙 68.76%
- 最低 1979年京都市長選挙 16.13%
その他[編集]
最低投票率[編集]
選挙によっては最低投票率が規定されており、投票率が一定を超えない場合は投票を無効とする場合がある。ただし白票や他事記載による無効票も投票率に含まれる。
日本では最高裁判所裁判官国民審査法(第32条)や地方自治体の住民投票条例で、最高裁判所裁判官国民審査や地方自治体の住民投票で最低投票率を設定している。最低投票率は最高裁判所裁判官国民審査では1%、地方自治体の住民投票では最低投票率が存在する自治体では概ね50%である。
韓国やロシアなどでは憲法改正の国民投票を実施する場合、最低投票率を超えることを憲法で要件としている[7]。
一方で、最低投票率の導入はボイコット運動で投票を無効にすることが可能であるため、投票反対派のボイコット運動を誘発するとして反対意見もある[7]。
日本で憲法改正国民投票法を制定する際、憲法改正反対派を中心に最低投票率の導入が主張されたが、最低投票率は導入されずに制定された。
投票率は、その選挙自体に対する関心を表すものの1つであり、投票率が著しく低い場合には選挙の正当性に疑問を投げかけられる場合がある。国・政府の正当性に争いが生じている場面では、投票に対するボイコットが有効な闘争手段となる。
脚注[編集]
- ^ “投票率”. コトバンク. 2022年6月20日閲覧。
- ^ 私はこうして福岡県知事になった
- ^ 【保存版】スウェーデンの若者の投票率が高い理由 10記事 まとめ ハフィントンポスト 2014年12月18日
- ^ “衆院選投票率、戦後最低の52.66% 総務省”. 日本経済新聞社. 2014年12月15日閲覧。
- ^ “市町村選挙データ集 (PDF)”. 群馬県. p. 40 (2022年1月). 2022年6月20日閲覧。
- ^ “投票率わずか「8.82%」 18日の東広島市議補選”. 共同通信 (2010年4月19日). 2014年12月9日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2022年6月20日閲覧。
- ^ a b 憲法改正国民投票における最低投票率 ~検討するに当たっての視点~ 参議院憲法審査会事務局