出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

やっこ)とは、江戸時代武家の下僕のこと。

概要[要出典][編集]

武家に働く者の中でも低い身分にあたり、「中間(ちゅうげん)」や「折助(おりすけ)」と呼ばれていた武家奉公人を、蔑むときの呼び名である。「家つ子」(やつこ)が語源であるとされる。

農民や一般町民が雇われてなることが多かったらしい。武士が出かける時の荷物持ちなど、雑務をこなしていた。参勤交代の時には大勢の奴が必要となるため、このときだけ臨時で雇われるということも多かったという。

奴は、大きな四角形を染めた半纏を着ていることが多かった。この紋所は、「釘抜紋」と呼ばれる。この紋所から、食材を大きめの立方体に切ることを「奴に切る」と表現するようになった。「冷奴」は豆腐を奴に切って食べることからその名がついた。

現代でも正月などに揚げをする際によく見かける「奴凧(やっこだこ)」は、この奴の筒袖を張った姿をまねて作ったものである。一説には、身分の低い者の姿を大名屋敷などを遥かに見下ろすところに揚げることによって、庶民がささやかな仕返しをしていたのだともいう。

また、遊郭花柳界の女性がこの身分の男性の言行をまねることがあったことより、遊女芸者を「○○奴」と呼ぶことがあった。

なお、『古事記』が編纂された古代においては奴は奴隷階級を意味していたと考えられる。[要出典]

作品中の奴[編集]

歌舞伎歌舞伎舞踊祭り大名行列、等では、上記の奴の扮装を様式化した『繻子奴』が登場する場合が多い。上記の半纏を綿入りにして、丸ぐけの太い帯を締め、伊達下がりを見せる場合が多い。

歌舞伎舞踊[編集]

祭り・郷土芸能[編集]

時代行列も参照

参考文献[編集]

  • 歌舞伎のダンディズム(杉本苑子著、NHK出版)(後に講談社文庫で文庫化)