奥野卓司
人物情報 | |
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生誕 |
1950年8月8日(74歳) 日本・京都府京都市 |
出身校 | 京都工芸繊維大学 |
学問 | |
研究分野 | 人類学 |
研究機関 | 京都芸術短期大学・甲南大学・関西学院大学 |
学位 | 学術博士 |
奥野 卓司(おくの たくじ、1950年8月8日 - )は、日本の人類学者。専攻は情報人類学・人間動物関係学。関西学院大学名誉教授、公益財団法人山階鳥類研究所シニアフェロー、理事。公益財団法人千里文化財団(国立民族学博物館運営)理事
来歴・人物
[編集]1950年、京都府京都市生まれ。京都市立堀川高等学校、京都工芸繊維大学卒業。1978年京都工芸繊維大学大学院修士課程修了。2001年同学術博士。論文の題は「情報化時代における『第三の社会』に関する実証的研究」[1]。
卒業後は京都芸術短期大学芸術文化研究所専任講師、助教授、米国イリノイ大学客員准教授、甲南大学文学部助教授、1994年教授。
1997年より関西学院大学社会学部教授。ヒトと動物の関係学会副会長、生き物文化誌学会理事。2008―2011年国際日本文化研究センター客員教授。2012年関西学院大学総合図書館長、2013年放送大学大学院客員教授、2014年京都市美術館学術顧問、2015年公益財団法人山階鳥類研究所副所長・理事。2016年京都市動物園学術顧問、関西学院大学先端社会研究所長。2017年公益財団法人山階鳥類研究所所長。2021年関西学院大学を定年、名誉教授。2023年公益財団法人山階鳥類研究所シニアフェロー・理事。公益財団法人千里文化財団(国立民族学博物館運営)理事。
鵜飼文化の保護への貢献
[編集]2017年に創業1909年の老舗「嵐山通船」(京都市右京区)が感染症で多数の鵜が病死した時、鵜飼文化の衰退を危惧し、一般社団法人「嵐山鵜飼観光文化振興協会」を立ち上げ、感染症対策を強化した鵜小屋の建設に尽力している[2]。協会成立時には副理事長、のちに理事長を歴任。これに関して2023年1月に「週刊文春」「女性自身」が嵐山通船の主張にそった記事を掲載したが、奥野卓司がこれらを名誉棄損で民事訴訟し、2024年6月神戸地方裁判所は奥野卓司の主張を全面的に認め、両誌に謝罪・修正記事の掲載、損害賠償を命じた。
著作
[編集]単著
[編集]- 『ボクたちの生態学 紙ヒコーキは青い雲に出会ったか』(ダイヤモンド社 1973)
- 『パソコン少年のコスモロジー―情報の文化人類学』(筑摩書房、1990)
- 『情報人類学 サルがコンピュータをつくった理由』(ジャストシステム、1993)
- 『第三の社会 ビジネス・家族・社会が変わる』(岩波書店、2000)
- 『人間・動物・機械―テクアニミズム』(角川ワンテーマ21、2002)
- 『日本発イット革命 アジアに広がるジャパン・クール』(岩波書店、2004)
- 『ジャパンクールと江戸文化』(岩波書店、2007)
- 『ジャパンクールと情報革命』(アスキー新書、2008)
- 『江戸「粋」の系譜』(アスキー新書、2009)
- 『情報人類学の射程―フィールドから情報社会を読み解く』(岩波書店、2009)
- 『江戸<メディア表象>論 イメージとしての<江戸>を問う』(岩波書店、2014)
- 『鳥と人間の文化誌 』(関西学院大学研究叢書 筑摩書房, 2019.4
共著・編著
[編集]- 奥野卓司, 秋篠宮文仁共編2009『動物観と表象』岩波書店
- 曾根宏道『「実践」起業家養成講座』(ダイヤモンド社 1997.7)
- 高田公理・上野千鶴子・野田正彰・井上章一『現代世相探検学』(朝日選書)
- 森地茂・川嶋弘尚『ITSとは何か―情報革命とクルマ社会』岩波書店、2000)
- ヒューマンルネッサンス研究所共編『市民のための「遺伝子問題」入門』(岩波書店 2004.3)
- 岸則政・横井茂樹・原以起・奥野圭太朗「人工知能と自動運転によるモビリティの変容と課題―――AI時代の「移動の社会学」に向かって―――」(関西学院大学先端社会研究所、2017.3)
訳著
[編集]- 『ネコのこころがわかる本 エソロジーの視点から』 マイケル・W.フォックス 共訳 ダイヤモンド社 1979.8 のち朝日文庫
- 『ジェスチュア―シグサの西洋文化』デズモンド・モリス他、多田道太郎共訳・日本ブリタニカ 1981.11 のち角川選書、ちくま学芸文庫
- 『さあ横になって食べよう 忘れられた生活様式』 バーナード・ルドフスキー 鹿島出版会 1985.11