太陽面通過

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金星の太陽面通過(日本、長崎)
2004年6月8日 17:28(JST)

太陽面通過(たいようめんつうか)とは、ある天体にいる観測者から見て、見かけ上太陽の表面を別の天体が通過する現象である[1]日面通過(にちめんつうか)や日面経過(にちめんけいか)、太陽面経過とも呼ばれる[2][3][4]。普通、地球から見て内惑星である水星または金星が太陽の表面を通過する現象のことを差す[1]。これは太陽と内惑星と地球が一直線に並んだときに見られるもので、地球では水星と金星でのみみられる天体現象である。水星、金星は太陽に比べ大きさがかなり小さいので小さな黒い点がゆっくり太陽の表面を移動していく形で観測される。

ヨハネス・ケプラーは、1627年に初めて金星の太陽面通過が1631年12月6日に起こると予想した(実際に起きたのは12月7日)。

金星の太陽面通過[編集]

金星の太陽面通過は122年、8年、105年、8年の周期でおきる。地球と金星の軌道の交差は6月と12月におきる。

水星の太陽面通過[編集]

水星の太陽面通過は、地球と水星の軌道が交差する5月と11月におきる。

宇宙船の太陽面通過[編集]

内惑星ではないが国際宇宙ステーションスペースシャトル、スペースシャトルと修理の為捕捉されたハッブル宇宙望遠鏡が太陽面を通過する写真の撮影に成功した実例がある。

太陽系の主要な天体での太陽面通過[編集]

直近の日面通過の一覧[5]
  太陽面通過をする天体
水星 金星 地球 火星 木星 土星 天王星







金星 2012年12月18日
2016年12月17日
 
地球 2006年11月8日
2016年5月9日
2012年6月5日
2117年12月11日
 
火星 2015年4月15日
2023年10月25日
1998年8月21日
2030年8月19日
1984年5月11日
2084年11月10日
 
木星 2012年2月26日
2018年1月12日
2012年9月20日
2024年5月25日
2014年1月5日
2026年1月10日
1939年11月8日
2040年7月7日
 
土星 2012年9月21日
2027年7月22日
2012年12月21日
2028年1月14日
2005年1月13日
2020年7月20日
2008年5月16日
2024年5月17日
BC86年9月16日
7541年3月17日
 
天王星 1979年7月4日
2020年10月26日
1987年3月22日
2028年9月22日
1988年6月20日
2024年11月17日
1976年10月4日
2018年12月13日
1914年5月2日
2714年10月24日
BC4635年7月19日
2669年4月7日
海王星 1960年6月20日
2037年11月30日
1966年11月22日
2042年10月27日
2006年8月11日
2082年1月25日
1944年8月3日
2026年5月5日
1447年2月19日
2188年8月7日
88年4月25日
2061年5月29日
?
111551年8月16日
冥王星 1949年5月2日
2031年5月14日
1937年2月21日
2022年5月6日
1931年1月10日
2018年1月13日
1934年10月5日
2183年7月12日
1771年5月22日
11688年3月15日
BC2430年10月18日
39739年2月9日
?
?

いずれも太陽面通過が開始する日付(UTC)。上段は前回、下段は次回の太陽面通過。強調は最も直近で起こる太陽面通過。紀元前はBC表記。

より詳しくは下記テンプレートや出典を参照。

その他の天体の太陽面通過[編集]

なお、かつてヴァルカンの実在が考えられていた時代には、これの存在を実証するには太陽面通過を捉える必要がある[6]といわれており、実際にヴァルカン発見を目的に太陽を観測する天文学者が存在していた。実際にはヴァルカンは存在しなかったが、この観測により近日点が太陽のすぐ近くにある小惑星や彗星がいくつか発見されている[7]ため、全くの無駄になったわけではなかった。

関連項目[編集]

出典[編集]

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  1. ^ a b 世界大百科事典 第2版の解説 たいようめんつうか【太陽面通過 passage on solar disk】”. コトバンク. 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト. 2016年6月4日閲覧。
  2. ^ 2012年6月6日 ~21世紀最後の「金星の太陽面通過」~(国立天文台)”. 国立天文台. 2016年6月1日閲覧。
  3. ^ 大辞林 第三版の解説 にちめんけいか【日面経過】”. コトバンク. 三省堂. 2016年6月4日閲覧。
  4. ^ デジタル大辞泉の解説 にちめん‐つうか〔‐ツウクワ〕【日面通過】”. コトバンク. 小学館. 2016年6月4日閲覧。
  5. ^ Quarter Million Year Canon of Solar System Transits fourmilab
  6. ^ 仮のヴァルカンが実在するとしても太陽に近過ぎるため通常の観測は不可能と考えられていた。また皆既日食の発生中であれば観測可能と考えられ、皆既日食中にヴァルカンを狙って観測する者も存在したが、時期が限定されるためいつでもできるものではないのが難点であり、太陽が出ていればいつでも観測可能となる手段が必要だった。
  7. ^ 当時はヴァルカンと誤認され、後に別のものと実証された天体が複数存在する。