コンテンツにスキップ

大熊栄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

大熊 栄(おおくま さかえ 1944年4月8日[1] - 2007年1月21日[2])は、日本のイギリス文学者、翻訳家。名前の表記は「大熊 榮」もある。

経歴

[編集]

埼玉県南埼玉郡菖蒲町出身[3]。 1970年東京教育大学文学部卒業[4]。 1975年東京都立大学大学院博士課程修了[5]。 専門分野はイギリス文学(ジョン・ダンの詩、現代小説)[6]

1975年國學院大學専任講師、1977年助教授、1979年明治大学助教授、1984年教授、2001年筑波大学教授[7]。 大学での自由研究時間に翻訳業務をこなす[8]。 2003年筑波大学英語教育学会会長[9]。 2006年関東学院大学、同大学院教授。2007年逝去。

A・J・クィネルの全作品を翻訳しているほか、アルトゥーロ・ペレス・レベルテの『呪のデュマ倶楽部』(と、その映画化のノベライズ『ナインスゲート』)、ジェイムズ・ヘリオット『生きものたちよ』、マーティン・エイミス『サクセス』『時の矢』など、訳書多数(以上、『地獄の静かな夜』の訳者紹介)。

著書

[編集]

以下、★は「大熊 榮」名での著書

  • 『ダン、エンブレム、マニエリスム : 機知の観察』(白凰社、明治大学人文科学研究所叢書) 1986
  • 『サルマン・ルシュディの文学 : 「複合自我」表象をめぐって』(人文書院) 2004 ★

翻訳

[編集]

以下、★は「大熊 榮」名での翻訳

  • 『十二夜殺人事件』(マイケル・ギルバート集英社、Playboy books) 1978、のち集英社文庫
  • 『悪魔の人質』(マラカイ・マーチン、集英社) 1980
  • 『ケイティ殺人事件』(マイケル・ギルバート、集英社、Playboy books) 1981
  • 『現代詩の実験』(C・M・バウラ、みすず書房) 1981
  • 『十一月の男』(フリーマントル新潮社新潮文庫) 1985
  • 『追いつめられた男』(フリーマントル、新潮社、新潮文庫) 1986
  • 『皇帝の墓を暴け』(モンタルバーノ, ハイアセン、集英社、集英社文庫) 1986
  • 『聖ヴェロニカの陰謀』(ルイス・パーデュー、集英社、集英社文庫) 1987
  • 『最後に笑う者』(ジョン・リッグズ、集英社、集英社文庫) 1988
  • 『サントリーニの牙』(アリステア・マクリーン早川書房、Hayakawa novels) 1988
  • 『読後、死が訪れる』(アンナ・ポーター、二見書房、二見文庫ザ・ミステリ・コレクション) 1989
  • 『白く渇いた季節』(アンドレ・ブリンク、集英社) 1990
  • 『時の矢 : あるいは罪の性質』(マーティン・エイミス角川書店) 1993
  • 『サクセス』(マーティン・エイミス、白水社、新しいイギリスの小説) 1993
  • 『呪のデュマ倶楽部』(アルトゥーロ・ペレス・レベルテ、集英社) 1996
  • 『ナボコフ夫人を訪ねて - 現代英米文化の旅』(マーティン・エイミス、 西垣学共訳、河出書房新社) 2000 ★
  • 『ドクター・ヘリオットの素晴らしい人生』上・下(ジム・ワイト、集英社、集英社文庫) 2006 ★

A・J・クィネル

[編集]
  • 『メッカを撃て』(A・J・クィネル、集英社 1983 (Playboy books) のち新潮文庫 のち集英社文庫
  • 『スナップ・ショット』(A・J・クィネル、新潮社、新潮文庫) 1984、のち集英社文庫
  • 『血の絆』(A・J・クィネル、新潮社、新潮文庫) 1985
  • 『サン・カルロの対決』(A・J・クィネル、新潮社、新潮文庫) 1986、のち集英社文庫
  • 『ヴァチカンからの暗殺者』(A・J・クィネル、新潮社、新潮文庫) 1987
  • 『イローナの四人の父親』(A・J・クィネル、新潮社、新潮文庫) 1992
  • 『トレイル・オブ・ティアズ』(A・J・クィネル、集英社) 2000 ★
  • 『地獄の静かな夜』(A・J・クィネル、集英社) 2001 ★ - 短編集

元傭兵クリーシィ・シリーズ

[編集]
  • 『燃える男』(A・J・クィネル、集英社、Playboy books) 1982、のち集英社文庫、のち新潮文庫、のち集英社文庫
  • 『パーフェクト・キル』(A・J・クィネル、新潮社、新潮文庫) 1994、のち集英社文庫
  • 『ブルー・リング』(A・J・クィネル、新潮社、新潮文庫) 1995、のち集英社文庫
  • 『ブラック・ホーン』(A・J・クィネル、 新潮社、新潮文庫) 1996 (新潮文庫) のち集英社文庫
  • 『地獄からのメッセージ』(A・J・クィネル、新潮社、新潮文庫) 1997

ジェイムズ・ヘリオット

[編集]
  • 『ドクター・ヘリオットの生きものたちよ』(ジェイムズ・ヘリオット、集英社) 1993
  • 『ドクター・ヘリオットの猫物語』(ジェイムズ・ヘリオット、集英社) 1995、のち改題文庫化『猫物語』
  • 『ドクター・ヘリオットの犬物語』(ジェイムズ・ヘリオット、集英社) 1997、のち改題文庫化『犬物語』
  • 『動物物語』(ジェイムズ・ヘリオット、集英社、集英社文庫) 2002 ★
  • 『毎日が奇跡』上・下(ジェイムズ・ヘリオット、集英社、集英社文庫) 2004 ★

脚注

[編集]
  1. ^ 日外人物データベース
  2. ^ 日外人物データベース
  3. ^ 日外人物データベース
  4. ^ 日外人物データベース
  5. ^ 日外人物データベース
  6. ^ 日外人物データベース
  7. ^ 日外人物データベース
  8. ^ 日外人物データベース
  9. ^ 日外人物データベース