大ロンドン市長

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大ロンドン市長: Mayor of London)は、イギリス首都ロンドンにおいて、ロンドン議会の25名の議員と共に、公選により選出される政治家で、グレーター・ロンドン(大ロンドン)の戦略的な行政府を統括する役職である。シティ・オブ・ロンドンの長であるロンドン市長(Lord Mayor of London、こちらは名誉職)との混同を避けるためにLondon Mayorとも称されることがある。日本の報道では単に「ロンドン市長」と称される場合が多い。2000年5月4日に創設され、初代市長は労働党ケン・リヴィングストン。現在の市長は、2008年の市長選で前任者のリヴィングストンを破って、同年5月4日に就任したボリス・ジョンソンである。

背景[編集]

グレーター・ロンドンのための、選挙で選出された統治機構であるグレーター・ロンドン・カウンシル1985年地方自治法英語版を受けて、1986年に廃止された。1998年、ロンドン市民は住民投票で、グレーター・ロンドンのための新しい統治機構を創設することを決めた。1999年グレーター・ロンドン・オーソリティー法英語版により、2000年に改革の一環として、直接選挙で選出される大ロンドン市長が創設された。

役割[編集]

大ロンドン市長は大ロンドンにおける行政を大ロンドン庁 (Greater London Authority) を通して統括し、予算をロンドン市議会 (London Assembly) に提案する。市長が担当するのは大ロンドンにおける警察消防救急、文化振興、開発などである。

選挙[編集]

市長官邸と行政府がおかれているシティ・ホール

市長は補足投票制度により選出され[1]、任期は固定の4年間で、投開票は5月に行われる。イギリスにおける最も候補者が多い選挙となると予想されたため、10,000ポンドの委託金が設定され、第一選択票の得票率が5%以上出なければ返却されないことになった。

2000年[編集]

2000年5月に実施された第1回市長選挙は波乱含みの選挙戦となった。労働党候補に選ばれなければ市長選に出馬しないと明言していたケン・リヴィングストンはフランク・ドブソンに党候補選挙で敗れたため、前言を撤回し無所属で出馬した。彼はまた、当選したとしても1期しか務めるつもりは無いと述べていたが、2004年の選挙にも出馬し、当選している。

保守党は人気作家のジェフリー・アーチャーを公認候補としていたが、アーチャーが偽証罪で告発されたためスティーヴン・ノリスを代役として指名した。しかしノリスはタブロイド紙から不倫問題を攻撃されていた。自由民主党の候補はスーザン・クラマーであった。

2000年大ロンドン市長選挙開票結果
候補者氏名 政党 第一選択票  % 第二選択票  % 最終結果  %
ケン・リヴィングストン 無所属 667,877 39.0 178,809 12.6 776,427 57.9
スティーヴン・ノリス 保守党 464,434 27.1 188,041 13.2 564,137 42.1
フランク・ドブソン 労働党 223,884 13.1 228,095 16.0 N/A
スーザン・クラマー 自由民主党 203,452 11.9 404,815 28.5 N/A
ラム・ギドーマル CPA 42,060 2.4 56,489 4.0 N/A
ダレン・ジョンソン 緑の党 38,121 2.2 192,764 13.6 N/A
マイケル・ニューランド BNP 33,569 2.0 45,337 3.2 N/A
ダミアン・ホックニー UKIP 16,324 1.0 43,672 3.1 N/A
ジェフリー・ベン=ネイサン PRO-MaSS 9,956 0.6 23,021 1.6 N/A
アシュウィン・タンナ 無所属 9,015 0.5 41,766 2.9 N/A
ジェフリー・クレメンツ 自然法党 5,470 0.3 18,185 1.3 N/A

2004年[編集]

2004年に第2回市長選挙が行われ、労働党候補のケン・リヴィングストンが前回に引き続きスティーヴン・ノリスを破って再選された。

2004年大ロンドン市長選挙開票結果
候補者氏名 政党 第一選択票  % 第二選択票  % 最終結果  %
ケン・リヴィングストン 労働党 685541 35.7 250517 13.0 828380 55.4
スティーヴン・ノリス 保守党 542423 28.2 222559 11.6 667178 44.6
サイモン・ヒューズ 自由民主党 284645 14.8 465704 24.3 N/A
フランク・マロニー UKIP 115665 6.0 193157 10.0 N/A
リンゼイ・ジャーマン RESPECT 61731 3.2 63294 3.3 N/A
ジュリアン・レパート BNP 58405 3.0 70736 3.7 N/A
ダレン・ジョンソン 緑の党 57331 2.9 208686 10.9 N/A
ラム・ジドゥーマル CPA 41696 2.2 56721 2.9 N/A
ローナ・レイド IWCA 9542 0.5 39678 2.1 N/A
タミー・ナガリンガム IND 6692 0.4 20391 1.1 N/A

第1選択でどの候補者も50%の得票を得られなかった場合に、上位2名の得票に2人以外を第1に選択した票の第2選択による得票を足して最終的な集計とする。なおパーセンテージは公式に使用されるものではなく、参考のため算出。

2008年[編集]

2008年5月1日に実施された第3回選挙で、記者出身の保守党候補で下院議員のボリス・ジョンソンが現職のケン・リヴィングストン市長を破り当選した。

2008年大ロンドン市長選挙開票結果 
候補者氏名 政党 第一選択票  % 第二選択票  % 最終結果  %
ボリス・ジョンソン 保守党 1,043,761 42.48 (+14.3%) 257,792 10.49 1,168,738 53.2
ケン・リヴィングストン 労働党 893,877 36.38 (+0.7%) 303,198 12.34 1,028,966 46.8
ブライアン・パディック 自由民主党 236,685 9.63 (–5.2%) 641,412 26.11 N/A
シアン・ベリー 緑の党 77,374 3.15 (+0.3%) 331,727 13.50 N/A
リチャード・バーンブルック BNP 69,710 2.84 (–0.2%) 128,609 5.23 N/A
アラン・クレイグ CPA 39,249 1.6 (–0.6%) 80,140 3.26 N/A
ジェラルド・バトン UKIP 22,422 0.91 (–5.1%) 113,651 4.63 N/A
リンジー・ジャーマン Left List 16,796 0.68 35,057 1.43 N/A
マット・オコナー (辞退) EDP英語版 10,695 0.44 73,538 2.99 N/A
ウィンストン・マッケンジー 無所属 5,389 0.22 38,954 1.59 N/A

2012年[編集]

2012年5月3日に実施された第4回選挙で、保守党候補の現職ボリス・ジョンソンが前市長のケン・リヴィングストンを破って再選され、2期目の任期に就いた。リヴィングストンは、この選挙をもって政界から引退することを表明した。

2012年大ロンドン市長選挙開票結果 
候補者氏名 政党 第一選択票  % 第二選択票  % 最終結果  %
ボリス・ジョンソン 保守党 971,931 44.0 82,880 6.1 1,054,811 51.5
ケン・リヴィングストン 労働党 889,918 40.3 102,355 7.5 992,273 48.5
ジェニー・ジョーンズ 緑の党 98,913 4.5 363,193 26.7 N/A
ブライアン・パディック 自由民主党 91,774 4.2 363,692 26.8 N/A
シボーン・ベニータ 無所属 83,914 3.8 212,412 15.6 N/A
ローレンス・ウェッブ UKIP 43,274 2.0 161,252 11.9 N/A
カルロス・コーティグリア BNP 28,751 1.3 73,353 5.4 N/A

2016年[編集]

2016年の第5回大ロンドン市長選挙投票日は、2016年5月5日を予定している[2]

現職のボリス・ジョンソン市長は、2015年の英国議会総選挙でアクスブリッジ及びサウス・ルイスリップ選挙区から立候補して当選したため、3期目となる次回の市長選には出馬しない予定である。

歴代市長[編集]


(政党)
氏名 写真 任期 当選年 政党 前職など
ケン・リヴィングストン Ken Livingstone - World Economic Forum Annual Meeting Davos 2008 (cropped).jpg 2000年5月4日 2008年5月4日 2000 無所属 技術者(チェスター・ビーティがん研究所)

グレーター・ロンドン・カウンシルのリーダー
英国議会議員(ブレント・イースト選挙区選出)

2004 労働党
ボリス・ジョンソン Boris Johnson -opening bell at NASDAQ-14Sept2009-3c cropped.jpg 2008年5月4日 現職 2008
2012
保守党 新卒研修員: Express & Star、タイムズ

記者: タイムズデイリー・テレグラフ
コラムニスト: The Spectator、GQ
編集者: The Spectator
英国議会議員(ヘンリー=オン=テムズ選挙区選出)

政策[編集]

これまでに大ロンドン市長によってとられた政策としては、渋滞緩和を目的としたコンジェスチョン・チャージの導入、同性愛者の恋人におけるパートナー認定などがある。

脚注[編集]

外部リンク[編集]