冠山峠

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冠山峠
冠山方面から望む冠山峠と金草岳(2008年11月)
所在地 岐阜県揖斐郡揖斐川町福井県今立郡池田町
座標
冠山峠の位置(日本内)
冠山峠
北緯35度47分18.15秒 東経136度23分34.5秒 / 北緯35.7883750度 東経136.392917度 / 35.7883750; 136.392917座標: 北緯35度47分18.15秒 東経136度23分34.5秒 / 北緯35.7883750度 東経136.392917度 / 35.7883750; 136.392917
標高 1,041.9 m
山系 両白山地
通過路 林道冠山線
プロジェクト 地形
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冠山峠(かんむりやまとうげ)は、林道冠山線岐阜県福井県県境にあるである。標高1,041.9m[1]冠山の山頂から西北西約1.8kmに位置する。

概要[編集]

1971年昭和46年)11月13日の林道冠山線の整備に伴い新設された峠である。岐阜県揖斐郡揖斐川町と福井県今立郡池田町との境界(県境)であり、両町を車両で往来できる唯一の峠である。それ以前は、冠山の東側に存在した冠峠(冠ヶ峠)又は冠越(かんむりごえ)と呼ばれた峠や、西側の金草岳寄りにある檜尾峠が使用されていたが、車両の往来は不可能だった。両県からは国道417号から分岐する林道冠山線を経て当峠に至ることができるが、降雪期の11月下旬から翌年6月頃までは冬期通行止めとなり[2]、福井県側は林道入口と峠付近に設置されている開閉式ゲートを遮断して進入禁止となる。

冠山の山頂直下では、林道とは別の国道417号冠山峠道路トンネルが通じている。岐阜県側の塚宮ケ原トンネル(建設時仮称:冠山峠1号トンネル)は2017年平成29年)7月31日に[3]、山頂直下の冠山トンネル(建設時仮称:冠山峠2号トンネル)は2020年令和2年)11月4日に貫通した[4]2023年(令和5年)11月19日に冠山峠道路が供用開始されたことで、林道を通らず冬季も峠の両県側を行き来できるようになった[5]

また、揖斐川の源流・才ノ谷と九頭竜川水系足羽川の支流・添又谷との分水嶺であり、「揖斐川源流 冠山」の石碑が建っている。ここからは、冠山及び金草岳への登山道が整備されており[6][7]、登山客のための駐車スペースが広く設けられている。峠付近からは冠山や白山などの山並みを望むことができる。

峠には開通記念として約2mの自然石に「冠山峠」と刻んだ記念碑(福井県知事中川平太夫による揮毫)と、県境を挟んで両県の地方自治体名を標した石碑がそれぞれ設置されている。福井県側には「越前国池田町」の石碑が1つ設置されているものの、岐阜県側には「美濃国徳山村」、「美濃国藤橋村」、「美濃国揖斐川町」を標した3つの石碑が設置されており、町村合併による岐阜県側の自治体の変遷を垣間見ることができる。

脚注[編集]

  1. ^ 岐阜県 山のグレーディング(裏面)岐阜県庁防災課、2021年11月1日https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/363432.pdf2023年11月20日閲覧。"56 金草岳(冠山峠)"。 
  2. ^ 冠山”. いい池田.jp. 福井県池田町 観光情報サイト. 2017年8月16日閲覧。
  3. ^ 7月31日に(仮称)冠山峠1号トンネルが貫通しました。国土交通省近畿地方整備局 福井河川国道事務所、2017年8月1日
  4. ^ 冠山峠道路の(仮称)第2号トンネルが貫通しました、国土交通省近畿地方整備局 福井河川国道事務所、2020年11月5日
  5. ^ 「冠山峠道路」開通し記念式典 福井と岐阜の交通利便性向上”. 福井 NEWS WEB. 日本放送協会 (2023年11月19日). 2023年11月19日閲覧。
  6. ^ 島田靖、堀井啓介『改訂版 岐阜県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド〉、2009年12月16日、100-101頁。ISBN 978-4-635-02370-2 
  7. ^ 『改訂新版 名古屋周辺の山』山と溪谷社〈週末登山コースの百科事典〉、2010年7月16日、260-261頁。ISBN 978-4-635-18017-7 

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]