ボニー・フランクリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ボニー・フランクリン
Bonnie Franklin
Bonnie Franklin
1976年
本名 Bonnie Gail Franklin
生年月日 (1944-01-06) 1944年1月6日
没年月日 (2013-03-01) 2013年3月1日(69歳没)
出生地 カリフォルニア州サンタモニカ
死没地 カリフォルニア州ロサンゼルス
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
職業 女優
活動期間 1952年-2012年
テンプレートを表示

ボニー・ゲイル・フランクリン(Bonnie Gail Franklin、1944年1月6日 - 2013年3月1日)は、テレビドラマ『One Day at a Time』(1975–84年)の主演で知られるアメリカ合衆国女優トニー賞エミー賞ゴールデングローブ賞にノミネートされた。

生い立ち[編集]

1944年1月6日[1]ブナイ・ブリスビバリーヒルズ支部を設立した証券引受業者の父サミュエル・ベンジャミン・フランクリン(1902年-1997年)と[2][3]、娘の没後も生きた長命の母クレア(旧姓ハーシュ、1911年8月24日-2014年6月7日)の[4]娘としてカリフォルニア州サンタモニカで生まれた[5]。両親は2人ともユダヤ人の移民で父親はロシア出身、母親はルーマニア出身であった。彼らはアメリカに移住する前にモントリオールで結婚した[5][6]

一家は彼女が13歳のときにビバリーヒルズに転居し[7]、1961年にビバリーヒルズ高校を卒業した[8][9]スミス大学に通い、アマースト大学によるミュージカル『Good News』に新入生として出演した。その後カリフォルニアに戻ってカリフォルニア大学ロサンゼルス校で学び、1966年に英語で学士号を取得した[7][10]

経歴[編集]

初出演は9歳の時で、テレビの『The Colgate Comedy Hour』であった[7]。1956年、アルフレッド・ヒッチコックの映画『間違えられた男』にクレジットの無い役で出演。1960年代には、プロクター・アンド・ギャンブル提供のショートニングクリスコ英語版の使用法を解説する短編教育映画『You're the Judge』で10代の主人公を演じた。1970年、ミュージカル『Applause』でブロードウェイデビューを果し、トニー賞にノミネートされた[5]。このミュージカルでローレン・バコールが歌い上げた主題歌は、ブロードウェイのそのシーズン中で最も成功した曲となった。舞台への出演時間は僅かであったにもかかわらず、フランクリンは多くの注目を集めた。例えばヴォーグ誌は1970年7月号で、メルバ・ムーア英語版サンディ・ダンカン、フランクリンの3人を期待の若手女優として写真付で特集している。ニュージャージー州ミルバーン英語版ペーパーミル・プレイハウス英語版で上演された2つのミュージカル、『George M!』と『A Thousand Clowns』の双方に出演した。1973年6月22日から9月2日までニューヨーク州ロングアイランドジョーンズ・ビーチ・シアター英語版で、ジョン・カラムやバーバラ・マイスターが出演したロジャース&ハマースタインのミュージカル『回転木馬』にキャリー・ピパリッジ役で出演した。

0011ナポレオン・ソロ』(「ポーロック館の地下牢」、1965年)、『ヘイゼルおばさん英語版』(1965年)などのテレビドラマにもゲスト出演。ABCシットコムギジェットは15才』に準レギュラーとして出演。1980年代にはCBSのシットコム『Charles in Charge』やシンジケートコメディドラマ『The Munsters Today』の何本かのエピソードで監督を務めた。

フランクリンは、離婚した母親アン・ロマーノを演じたシチュエーション・コメディ『One Day at a Time』(1975–84年)で最も知られていた。2011年4月、フランクリンと他の『One Day at a Time』の出演者は、TV Land ケーブルチャンネルの毎年恒例のイベントの賞の1つ「イノベーター賞」を受賞した。TV Landの公式サイトからの引用は以下の通り。

イノベーター賞は...新しい領域を切り開き、その時代の重要な課題に取り組み、ジャンルの再定義に役立ったテレビドラマに与えられます。『One Day at a Time』は複合的ドラマ/コメディであり、婚前交渉自殺セクシャルハラスメントなどのタブーのテーマに対処し、障壁を取り除き、これらの問題に取り組む将来の番組のために道を開きました。テレビの先見の明のあるノーマン・リア英語版が企画し、一部脚本を執筆した『One Day at a Time』は、1975年から1984年までの9シーズンにわたりCBSで放送されました。ボニー・フランクリン、ヴァレリー・バーティネリマッケンジー・フィリップスがアン・ロマーノ、バーバラ・クーパー、ジュリー・クーパー役で主演したこのシリーズは、インディアナポリスに転居して新しいアパートの管理人ドウェイン・シュナイダー(パット・ハリントン・Jr英語版)と仲良くなる、シングルマザー(フランクリン)率いる家族を中心に展開する。他に出演者再会に加わっているのは1980年にアンのボーイフレンドであるニックの息子役で出演したグレン・スカーペリ英語版です[11]
2004年 March for Women's Lives」で群衆に話しかけるフランクリン

民主党員である彼女は、1984年アメリカ合衆国大統領選挙ウォルター・モンデールの選挙運動を支持した[12]

1988年、ペンシルベニア州バックス・カウンティ・プレイハウス英語版とポコノ・プレイハウスで、『アニーよ銃をとれ』のタイトル・ロールを演じた。1988年には、ウェストサイド・アーツ・シアター(マンハッタン)でテレンス・マクナリー英語版の『月の光の中のフランキーとジョニー英語版』にもトニー・ムサンテとともに出演した。1998年7月、ピッツバーグ・パブリックシアターで『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』に出演。1999年9月、ワシントンD.C.フォード劇場で『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』に出演。2011年8-9月、カンザス州オーバーランドパークのニューシアター・レストランでブルース・ウェイツとともに『2 Across』に出演。2011年10月4日-14日、カリフォルニア州ベンチュラのルビコン・シアターで『マグノリアの花たち』のウィザーを演じた。

2000年代の半ばから後半にかけてロサンゼルス大都市圏で、2001年に姉妹のジュディと設立した劇作家集団(CCAP)による12近くの舞台に主演した[13]。2006年から2007年にかけて、リリアン・ヘルマンによる『トイズ・イン・ジ・アティック英語版』に出演。2008年1月、ピコ・プレイハウスでニール・サイモンの『ブロードウェイ・バウンド英語版』に出演。

2005年、CBSによる『One Day at a Time』の60分の回顧特番『The One Day at a Time Reunion』に出演し、共演者のマッケンジー・フィリップス、ヴァレリー・バーティネリ、パット・ハリントン・Jrと再会した。2011年、TV Landの『Hot in Cleveland』でバーティネリと再び再会、バーティネリのボーイフレンド役の母親を演じた。

2012年4月28日、第28回サウスランド・シアター・アーティスツ・グッドウィル・イベント(STAGE)でビバリーヒルズのサバン・シアターの「オリジナルキャスト3」と題されたAPLA Healthの慈善公演に登場したスターの1人であった。このイベントでは、ロサンゼルス郡でHIVAIDSに感染しているクライアントとAPLAが協力して20万ドル以上の資金を集めた。フランクリンや様々なミュージカル出演者たちは、彼らが関わってきた曲を披露した。フランクリンは1970年にブロードウェイで初舞台を踏んだ『Applause』のタイトル曲を歌った[14]

昼ドラザ・ヤング・アンド・ザ・レストレス』にゲスト出演、エピソードは2012年8月に放送され、わずか1か月後に末期膵癌と診断された。彼女はロサンゼルスの船積み港で働いていた時に記憶喪失に罹ったビクター・ニューマンを助けに来た修道女シスター・セレストとしてキャスティングされた[15]。劇場とテレビの仕事に加え、ニューヨーク市のル・ムーシュ、グランド・フィナーレ、エイティ=エイツ、トライアド、アルゴンキン・ホテルのオーク・ルーム、ペンシルベニア州ニューホープ英語版のオデット、などのキャバレーに登場した。

2013年4月、サンタバーバラのアンサンブル・シアター・カンパニーで、ジョーン・ディディオンの女性独演劇『悲しみにある者英語版』に出演する予定であったが、病気のため辞退した。

結婚[編集]

フランクリンは2度結婚している。最初は1967年から1970年まで脚本家のロナルド・ソッシと、次いで1980年から2009年11月11日に彼が亡くなるまでの29年間、映画製作者のマーヴィン・ミノフ英語版と添い遂げた[13][16]。ミノフは、1980年に結婚する以前にフランクリンがマーガレット・サンガー役で出演したテレビ映画『Portrait of a Rebel: The Remarkable Mrs. Sanger』のエグゼクティブ・プロデューサーであった。彼女には、ジェッド及びジュリー・ミノフと言いう2人の継子がいた[10]

死去[編集]

2012年9月24日、一家のスポークスマンがフランクリンに膵癌が発見され、治療を受けていることを公表した[17][18]。2013年3月1日、ロサンゼルス地区の自宅で69歳で死去[10]、ロサンゼルスのマウント・シナイ・メモリアルパーク・セメタリー英語版でミノフの隣に埋葬されている。

フィルモグラフィー[編集]

One Day at a Time』より、左からヴァレリー・バーティネリマッケンジー・フィリップスリチャード・メイサー、フランクリン
映画
原題 邦題 役名 備考
1956 The Kettles in the Ozarks Betty クレジットされず
1956 The Wrong Man 間違えられた男 Young Girl クレジットされず
1959 A Summer Place 避暑地の出来事 Girl in Dormitory クレジットされず
1965 Invisible Diplomats Trudy 短編映画
テレビ
原題 邦題 役名 備考
1954 Shower of Stars Susan Cratchit 1エピソード
1964 Mr. Novak ミスター・ノバック Sally 2エピソード
1965 Profiles in Courage Deborah 1エピソード
1965 Karen カレン Charlotte Burns 1エピソード
1965 The Man from U.N.C.L.E. 0011ナポレオン・ソロ Peggy Durrance 1エピソード
1965 Gidget ギジェットは15才 Jean / Janie 2エピソード
1965–1966 Please Don't Eat the Daisies ぼくら1ぴき6にん Dorie 3エピソード
1966 The Munsters マンスターズ Janice 1エピソード
1974 The Law Bobbie Stone テレビ映画
1975 Bronk 刑事ブロンク Rita 1エピソード
1975–1984 One Day at a Time Ann Romano 208エピソード
1977 The Love Boat ラブ・ボート Stacy Skogstad 1エピソード
1978 Hanna-Barbera's All-Star Comedy Ice Revue Co-Host テレビ特番
1978 A Guide for the Married Woman ミセス・ジュリーの不倫な関係 Shirley テレビ映画
1979 Breaking Up Is Hard to Do Gail テレビ映画
1980 Portrait of a Rebel: The Remarkable Mrs. Sanger Margaret Sanger テレビ映画
1983 Your Place... or Mine Alexandra テレビ映画
1987 Sister Margaret and the Saturday Night Ladies Sister Margaret テレビ映画
1992 Hearts Are Wild Gloria McKenzie 1エピソード
1994 Burke's Law Theresa St. Claire 1エピソード
1996 Almost Perfect Mary Ryan 2エピソード
2000 Touched by an Angel Carol Anne Larkin 1エピソード
2005 The One Day at a Time Reunion Herself テレビ特番
2011 Hot in Cleveland Agnieszka 1エピソード
2012 The Young and the Restless ザ・ヤング・アンド・ザ・レストレス Sister Celeste 11エピソード

受賞とノミネーション[編集]

結果 部門 作品
1970 トニー賞 ノミネート ミュージカル助演女優賞 Applause
1982 プライムタイム・エミー賞 ノミネート 主演女優賞(コメディ・シリーズ部門) One Day at a Time
1982-1983 ゴールデングローブ賞 ノミネート 女優賞(ミュージカル・コメディ部門) One Day at a Time
2007 TV Land 賞 ノミネート She Works Hard for the Money Award One Day at a Time
2008 TV Land 賞 ノミネート Mad Ad Man (or Woman) of the Year One Day at a Time
2012 TV Land 賞 受賞 イノベーター賞 One Day at a Time

脚注[編集]

  1. ^ “UPI Almanac for Sunday, Jan. 6, 2019”. United Press International. (2019年1月6日). オリジナルの2019年1月10日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/NW5kr 2020年9月30日閲覧. "actor Bonnie Franklin in 1944" 
  2. ^ Barnes, Mike (2013年3月1日). “Actress Bonnie Franklin Dies at 69”. The Hollywood Reporter. http://www.hollywoodreporter.com/news/actress-bonnie-franklin-one-day-at-a-time-dies-425556 2020年9月30日閲覧。 
  3. ^ Bonnie Franklin Biography (1944-)”. Filmreference.com. 2020年9月30日閲覧。
  4. ^ Obituary: Claire H. Franklin” (2014年6月10日). 2020年9月30日閲覧。
  5. ^ a b c Berkvist, Robert (1970年4月26日). “Larceny by Bonnie”. The New York Times 
  6. ^ Oppenheimer, Peer J. (1977年5月1日). “Bonnie Franklin knows where she's going”. The Tuscaloosa News. https://news.google.com/newspapers?id=QzAdAAAAIBAJ&sjid=4J4EAAAAIBAJ&pg=5066,391681 2020年9月30日閲覧。 
  7. ^ a b c Mills, Nancy (1987年1月17日). “Franklin Still Making Noise, One Role at a Time”. Los Angeles Times. http://articles.latimes.com/1987-01-17/entertainment/ca-5065_1_bonnie-franklin 2020年9月30日閲覧。 
  8. ^ Dash, Norman (1961年1月11日). “Optimistic Feeling”. Los Angeles Times 
  9. ^ “Names in the News”. Los Angeles Times. (1960年11月6日) 
  10. ^ a b c D'Zurilla, Christie (2013年3月1日). “Bonnie Franklin dies at 69; her sitcom daughters react”. Los Angeles Times. http://articles.latimes.com/2013/mar/01/entertainment/la-et-mg-bonnie-franklin-dies-bonnie-franklin-dead-20130301 2020年9月30日閲覧。 
  11. ^ TV Land Awards - Season - TV Series - TV Land”. 2015年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月30日閲覧。
  12. ^ Mixing politics with show business makes for star wars in Hollywood”. UPI. 2020年9月30日閲覧。
  13. ^ a b “Producer Marvin Minoff dies at 78 - Worked on Frost-Nixon TV interview specials”. Variety. (2009年11月13日). https://variety.com/2009/scene/news/producer-marvin-minoff-dies-at-78-1118011298/ 2020年9月30日閲覧。 
  14. ^ Photo Flash: Patrick Cassidy, Bonnie Franklin, Andrea McArdle, Sally Struthers at Original Cast 3 Benefit”. Theatermania.com (2012年5月8日). 2020年9月30日閲覧。
  15. ^ Busis, Hillary. “'Young and the Restless' casts Bonnie Franklin as a nun”. Entertainment Weekly. https://ew.com/article/2012/07/16/young-and-the-restless-victor/ 2020年9月30日閲覧。. 
  16. ^ “Marvin Minoff obituary”. Los Angeles Times. (2009年11月13日). http://www.legacy.com/obituaries/latimes/obituary.aspx?n=marvin-minoff&pid=135914438 2020年9月30日閲覧。 
  17. ^ Nordyke, Kimberly (2012年9月24日). “'One Day at a Time' Star Bonnie Franklin Diagnosed With Pancreatic Cancer”. The Hollywood Reporter. 2020年9月30日閲覧。
  18. ^ Bonnie Franklin Diagnosed with Pancreatic Cancer”. People (2012年9月24日). 2020年9月30日閲覧。

外部リンク[編集]