パラペユトイア

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パラペユトイア
生息年代: Cambrian Stage 3
Parapeytoiaimagewiki.png
アノマロカリス類として復元されたパラペユトイアの想像図(胴体、尾部と眼は予想復元)
保全状況評価
絶滅(化石
地質時代
古生代カンブリア紀中期
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: †(和訳なし) Megacheira
: パラペユトイア属 Parapeytoia
Hou, Bergstrom & Ahlberg, 1995
学名
Parapeytoia yunnanensis
Hou, Bergstrom & Ahlberg, 1995
和名
パラペユトイア
英名
Parapeytoia

パラペユトイア (Parapeytoia) は、カンブリア紀に生息していた澄江動物群の1つである。かつてはアノマロカリス類として考えられ、その後はMegacheira類という別系統の節足動物の一種と見なされた古生物である[1]

概要[編集]

頭部前方の大付属肢に4本の指のような突起がある。鰭(ひれ)のような付属体は胴体の腹面から両側に向かって張り出し、付け根には左右噛み合わせるようなノコギリ状の突起と関節に分かれた脚(関節肢)が備えている。前2対の脚はごく短く、胴体腹側の正中線には分節した腹板が確認されている[2]

原記述においてアノマロカリス類のような放射状の歯と思われた部分、その後はOmnidens属の鰓曳動物の口器として見なされた[3]。また、多くの復元図に予想として足したものの、アノマロカリス類のような胴体部、尾端の鰭と眼柄は化石に見当たらない特徴である[2]

系統関係[編集]

原記述により、パラペユトイアはアノマロカリス類(或いはその近縁)として考えられた。しかしその後、この知見に対する反発も多かった。例えば、南京地質学古生物研究所の陳均遠は、パラペユトイアについて、他のアノマロカリス類にはない鰭の下部の関節肢があることを理由に、アノマロカリス類とは別系統であると主張した[4]

2018年現在、パラペユトイアとアノマロカリス類の類縁関係は否定的である。放射状の歯を欠き、大付属肢の形態、関節肢と腹板などの性質から、パラペユトイアはヨホイアなどを含んだMegacheira綱の真節足動物と見なされている[1]。特に大付属肢の形態は、アノマロカリス類において全く見当たらない典型的なMegacheira類の様式である[2]

また、Megacheira類をアノマロカリス類の派生群として考え、お互いの大付属肢(触手)を相同器官と見なし、パラペユトイアを両者のリンクとする知見もあった[2]。しかし、神経解剖学的知見は両者の類縁関係と大付属肢の相同性を否定し、アノマロカリス類の触手は前大脳(口前葉)に対応する[5]一方、Megacheira綱の神経構造は鋏角類に類似し、大付属肢も前大脳ではなく、次の第1体節に当たる中大脳に対応することを示唆している[6][7]

脚注[編集]

  1. ^ a b 『The Cambrian Fossils of Chengjiang, China: The Flowering of Early Animal Life』,ページ186
  2. ^ a b c d The Anomalocaris Homepage | Species Accounts II - Parapeytoia yunnanensis & Opabinia regalis
  3. ^ Hou, Xianguang; Bergström, Jan; Jie, Yang (2006). “Distinguishing anomalocaridids from arthropods and priapulids”. Geological Journal 41 (3–4): 259–269. doi:10.1002/gj.1050. 
  4. ^ JUNYUAN CHEN,DIETER WALOSZEK and ANDREAS MAAS"A new ‘great-appendage’ arthropod from the Lower Cambrian of China and homology of chelicerate chelicerae and raptorial antero-ventral appendages"2004 Lethaia vol.37
  5. ^ Peiyun Cong; Xiaoya Ma; Xianguang Hou; Gregory D. Edgecombe; Nicholas J. Strausfeld (2014). “Brain structure resolves the segmental affinity of anomalocaridid appendages”. Nature 513 (7519): 538–42. doi:10.1038/nature13486. PMID 25043032. 
  6. ^ Tanaka, G., X. Hou, X. Ma, GD. Edgecombe and NJ. Strausfeld (2013) Chelicerate neural ground pattern in a Cambrian great appendage arthropod, Nature, 502:364-367.
  7. ^ Origin and evolution of the panarthropod head – A palaeobiological and developmental perspective

関連項目[編集]