テトラクォーク
テトラクォークとは、2つのクォークと2つの反クォークから構成されるメソンである。量子色力学は2つのクォークと2つの反クォークによって白色状態を構成するテトラクォーク中間子を許容する。しかし、現在のところテトラクォークを発見したという確実な報告はまだない。
2003年、日本のBelle実験のグループは、X(3872)と仮名の付けられた粒子をテトラクォークの候補として発表した[1]。Xという名前は、内部構造が不明であることを示している。その後の数字は粒子の質量をMeV単位で表している。
2004年にフェルミ国立加速器研究所が発見したDSJ(2632)という状態はテトラクォークの候補とされた。
2007年、日本のBelle実験のグループから、Z+(4430)という電荷を帯びたテトラクォーク候補が報告された。Z+(4430)はチャーモニウムに似た性質を持つが電荷を帯びているため純粋なチャーモニウム状態ではありえず、存在が確定すればテトラクォーク状態であることが量子数から保証される。ただし、米国の BaBar 実験では追認されず存否は確定していない。また、ボトムクォーク系での同様の荷電テトラクォーク候補として、Zb+(10610)、Zb+(10650)がBelle実験から2011年に報告されている。
2009年3月17日、フェルミ国立加速器研究所はY(4140)という仮名を付けられたテトラクォークを発見したと発表した。この粒子はジェイプサイ中間子とファイ中間子に崩壊したため、チャームクォークとストレンジクォークおよびそれぞれの反粒子から構成されていると考えられている[2]。
2013年には日本のBelle実験および中華人民共和国のBESIII実験の共同研究により、Y(4260)の崩壊を観測し、Zc(3900)を発見した。この粒子は中間子分子ではなくテトラクォークである可能性がある[3]。
脚注[編集]
- ^ David Harris (2008年4月13日). “The charming case of X(3872)”. Symmetry Magazine. 2009年12月17日閲覧。
- ^ New Particle Throws Monkeywrench in Particle Physics - Universe Today
- ^ Quark quartet opens fresh vista on matter nature
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
|