スローロリス

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スローロリス属
Nycticebus coucang
Nycticebus coucang
保全状況評価[1]
ワシントン条約附属書I
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 霊長目 Primates
亜目 : 曲鼻亜目 Strepsirrhini
下目 : キツネザル下目 Lemuriformes
上科 : ロリス上科 Loroidea
: ロリス科 Lorisidae
: スローロリス属 Nycticebus
学名
Nycticebus É. Geoffroy, 1812[2][3]
タイプ種
Nycticebus coucang (Boddaert, 1785)[2]
シノニム
  • Tardigradus Boddaert, 1784
  • Loris É. Geoffroy, 1796
  • Lori Lacépède, 1799
  • Stenops Illiger, 1811
  • Bradycebus É. Geoffroy & F. Cuvier, 1820 (裸名)
  • Bradylemur de Blainville, 1839
和名
スローロリス属[3]
分布域
赤:ピグミースローロリス
青:N. bengalensis
茶:スローロリスN. coucang(ただし2010年以前に主流とされていた本属を3種とする分類、すなわちN. javanicusN. menagensisを含む)

スローロリス は、霊長目ロリス科に分類されるスローロリス属(スローロリスぞく、Nycticebus)の構成種の総称。

バングラデシュアッサムからベトナムマレー半島ジャワ島ボルネオ島などに分布[4]。丸い頭で、鼻は濡れており(rhinarium) 、耳は小さく厚い毛に覆われ、顔は平たく、大きな目を持つ。尻尾は退化している。夜行性で樹上生活をする。一般的に常緑樹林に生息しており、密な林冠の連続した熱帯多雨林に好んで生息する。同サイズの哺乳類と比べて、スローロリスの代謝は極めて遅い。樹液、花蜜、果物、昆虫、小鳥等を食料とする。

名称[編集]

N. coucangの英名Sunda slow lorisは、この種が発見されたマレー諸島西部のスンダ列島に由来する[5]。Greater slow lorisと呼ばれることもある。種N. coucangの種小名coucang は、マレー語やインドネシア語での呼称に由来する[3]。インドネシア語で「内気な」を意味するmalu-maluと呼ばれることもある。他にも本種を指す呼称としてbukang 、 Kalamasanがある[5][6]クスクスと混同されKuskusと呼ばれることもある[6]マレーシアではkongkangやkera duku (keraはマレー語でサルという意味で、dukuはセンダン科Lansium domesticumを指す) と呼ばれることがある[6]。タイではling lom (ลิงลม)と呼ばれる。この言葉は英語で表現すると"wind monkey" となる[6]

形態[編集]

頭胴長は約26.5 - 38 cm、体重は約0.4 - 2 kgである。尻尾は無く、体の背面は淡い灰褐色から暗い赤褐色、腹面は白色から灰色である。首から背中にかけて黒い線が走る[4]。目が大きく、その周りには暗色のリングがある[7]。鼻から額にかけては白く、後頭から背筋にそって暗色の縞がある[8][9]N. bengalensisの灰色っぽい毛皮に比べて、N. coucangの毛皮は茶色みを帯びている[10]。ピグミースローロリスに比べて顔の白い部分が少ない[10]。ただし生息する地方によって形態の変動がある[5]

A Sunda slow loris climbs, upside down, along a tree branch
スローロリスは大抵、手足を3本以上使って枝に掴まっている

N. bengalensisと異なり、N. coucangの雌雄の体格差はあまりない[11]。尻尾はずんぐりとした 痕跡器官に退化しており、毛の下に覆い隠されている[12]。。中指が短く、握力が強い[12]。他のロリス類と同様に、スローロリスは腕の下のから強い臭いのする液体を分泌し、他の個体とのコミュニケーションに使用している[13]

分類[編集]

属名Nycticebusは「夜のサル」の意[3]

スローロリスは1785年にオランダの医師であり博物学者のPieter BoddaertによってTardigradus coucangという学名で初めて記載された[14][15]。しかし遡る1770年にオランダ人Arnout Vosmaer (1720?1799) によって、この種はナマケモノの一種として記述されていた。Vosmaerはスローロリスに"le paresseuz pentadactyle du Bengale" (ベンガルの五本指のナマケモノ) という仏語名をつけた。しかしBoddaertは後に、この種はロリス類に分類されるべき種であると論じた[16]

1800年から1907年までに本種以外のスローロリス属の種がいくつか報告された。霊長類学者のWilliam Charles Osman Hillは、彼の著作Primates: Comparative Anatomy and Taxonomyにおいて、それまで発見されていた全てのスローロリスを1つの種N. coucangに統合した[17]。1971年にピグミースローロリスを独立種として分割し本属を2種とする説が提唱された[18]。2001年にスローロリスN. coucangからN. bengalensisを分割し、本属を3種とする説が提唱された。[19]。2010年にN. coucangから亜種であったN. javanicusN. menagensisを分割し、本属を5種とする説が提唱された[20]。種の分類は、体の大きさ、毛色、頭の模様といった形態的な違いを 基にしている[21]

イギリス人動物学者Oldfield Thomasなどは、模式標本として使った個体にはいくつか不明瞭な点が存在すると指摘してタイプ種(模式種)の設定に疑問を呈し、代わりにN. bengalensisを模式種にすることを提案している[14][22][23]

この種は2n = 50の染色体を持ち、ゲノムサイズは3.58 ピコグラムである[24]X染色体Y染色体以外の染色体のうち22はメタセントリック染色体で、26はサブメタセントリック染色体。アクロセントリック染色体は無い。X染色体はサブメタセントリック染色体で、Y染色体はメタセントリック染色体である[25]。スローロリス属の系統学的関係は、ミトコンドリア遺伝子マーカーであるD-loopやシトクロムb遺伝子から導き出したDNAの配列を元に調査されている。同時にそれまでの形態学的分類は、分子生物学的手法によって得られた進化的な関係と一致しているのかどうか確かめられている。

分子生物学的な調査の結果より、それまでに確認されていた系統 (ピグミースローロリスN. bengalensisN. javanicus)は遺伝学的に異なっていた。しかしN. coucangN. bengalensisの遺伝子は、比較する個体によっては同じ種の個体よりもN. coucangN. bengalensis同士の方が遺伝学的に明らかに近いことがあった。この現象については、2種間に遺伝子移入が起こったのではないかという仮説が立てられた[26]。遺伝子の比較に使用したそれぞれのタクソン の個体の出所が、地域同所性のある同じタイ王国南部なのがその根拠である[26]。そして、2007年に発表されたN. coucangN. bengalensisミトコンドリアDNAの変化を比較した研究で、2種の間に遺伝子流動があったことが分かり、この仮説は裏付けられた[27]

生態[編集]

他のロリスと同じようにスローロリスは樹上生活者で、夜行性である。その動きはとても特徴的で、枝から枝に移動する時、方向転換する時なども殆ど音を立てず、ゆっくりしたスピードを維持したまま行う[28]。木々を移動する動きはゆっくりで、肢を動かしている際は支えとして残りの3本の肢を木につけていることが多い[29][30]。1、2本の肢でかなり長い時間枝にぶら下がっていられる[31]。コウモリのように後肢だけでぶら下がって移動できる[32]。身体の所々に触毛があり、等も避けて殆ど音を立てず、眠っている小鳥等に気づかれ難く、夜間の遅い動きは昆虫からほとんど視認されない[32]。昼間は枝分かれした木の間や、枝葉の密集した所で休眠をとる。他のロリスと違うのは、生涯の大半を木の上で過ごすことである。例えばN. bengalensisは地面の上で睡眠をとることがよくある[8]。スローロリスは単独で眠ることが殆どだが、大人の個体を含む何体かが集まって眠っているところも観察されている[30]

スローロリスはその遅い代謝速度にもかかわらず、高エネルギーの食事を摂る。彼らのゆっくりした生活スタイルは、彼らの食べる植物に含まれるある種の化合物の解毒にエネルギーを使用しているためである[要出典]。彼らが最もよく食べているのは樹液(34.9%)で、その次は、花蜜や その蜜の生産部分(31.7%)、果物 (22.5%) である[30]。その他にも昆虫クモなどの節足動物アフリカマイマイを含む軟体動物[33]、鳥の[34]、小鳥を食べることが知られている[32]

全てのスローロリス属の種は、の内側のから出る分泌物を舐めて唾液と混ぜることで刺激臭のある毒を生成し、それをグルーミングによって全身に広げる。親は子供の体にもグルーミングを通して毒を分け与える[35]。スローロリス自身の消化器で分解される、食中毒を起こさない種類の毒であるが、成分はわかっていない[32]。毒をもつ唯一の猿であり、皮膚寄生虫に効果があると考えられているが、死亡者も出ていて、ネコ科等はその臭いで襲わない傾向がある[32]。外敵に襲われた時は、体を丸くして毒を含む唾液を塗布した毛皮をむき出しにする、噛み付く、丸まって木から落ちて逃げる、といった行動で身を守る[36]。しかしスローロリスが外敵から身を守る最も一次的な方法は、保護色によって隠れることである[37][38]アミメニシキヘビカワリクマタカSpizaetus cirrhatus Changeable hawk-eagle 、ボルネオオランウータンPongo pygmaeus などがスローロリスを捕食する生物として報告されている[39][38][40]

人間との関係[編集]

スローロリスは、異国の珍しいペット (exotic pet) としての需要があり、その売買(pet trade)のため絶滅の危機に晒されている[41][42]。保護されている霊長類の中では、東南アジアにおいて最もよく取引されている種である[43][42]。ペットとして売られる時は、飼い主を傷つけないように歯を抜かれてしまうことが多い[5]。抜歯は歯牙感染を引き起こすおそれがある。しかも感染による致死率は90%以上と非常に高い[44]。歯を失ったスローロリスが野生に帰ることは不可能である[45]。捕えられることのストレスや、不適切な栄養状態、感染症などのために、捕獲されたスローロリスの死亡率はとても高く、代替を確保するために多くのスローロリスが捕えられる[5][44]

加えて、非合法な伝統医療に利用するためにスローロリスは乱獲されている。その毛皮は創傷を癒すのに使われ、その肉体はてんかんの治療に使用され、目は惚れ薬に使われ、肉は喘息の疾患の治療に使われる[5]。作物を荒らす害獣として駆除されることもある[45]。生息域の減少によっても個体数を大きく減らしている[5]

2007年6月にCITESの附属書 IIから附属書Iに転記された[44]。スローロリスはインドネシアの法律でも保護されているが、そこまで厳格な取締はされていないようである[46]

参考文献[編集]

  1. ^ Appendices I, II and III<http://www.cites.org/>(accessed June 8, 2016)
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引用文献[編集]

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