ジョージ・スタイナー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

フランシス・ジョージ・スタイナー (Francis George Steiner、1929年4月23日 - )は、アメリカイギリスの作家で哲学者文芸批評家。各国の大学で比較文学講座の教授を務めた。

略歴[編集]

1929年、オーストリア系ユダヤ人としてフランスパリに生れた。ドイツ語フランス語英語を話す環境に育った。

幼少期の1940年に、ナチスがフランスに進撃したため、一家でユダヤ人迫害によりアメリカ・ニューヨークに亡命、同年にアメリカ合衆国の市民権を取得。ニューヨークのフレンチ・リセで教育を受け、ギリシア語ラテン語に通じている。

1948年、シカゴ大学を卒業。ハーヴァード大学で修士を取得した。1955年、オクスフォード大学で博士号を取得。

1952年から56年まで「エコノミスト」誌の編集に関った。1956年からプリンストン高等学術研究所員となる。 1959年から60年にかけ、プリンストン大学教員。 1961年、ケンブリッジ大学チャーチル・カレッジの研究員(フェロー)、1969年、特別研究員(エクストローディナリー・フェロー)となる。

1974年から94年、スイス・ジュネーヴ大学教授(英文学、比較文学講座)。1994・95年、オクスフォード大学客員教授、2001-02年、ハーヴァード大学ノートン詩学講座教授を務めた。2001年にアストゥリアス皇太子賞コミュニケーションおよびヒューマニズム部門を受賞。

日本との関わり[編集]

1974年4月に、慶應義塾大学久保田万太郎基金の招きにより来日。講演、および加藤周一高橋康也山口昌男江藤淳を相手に、論争も交え討議を行った。

講演録・対談・スタイナー論などを収録した『文学と人間の言語 日本におけるG.スタイナー』(慶應義塾三田文学ライブラリー(現:慶応義塾大学出版会)、1974年)が出版された。編集代表は池田彌三郎(実質は由良君美が編訳)

著作(日本語訳)[編集]

  • トルストイドストエフスキーか』(1959) 中川敏白水社 1968、新版2000
  • 悲劇の死』(1961) 喜志哲雄蜂谷昭雄訳 筑摩書房〈筑摩叢書〉 1979、復刊1985/ちくま学芸文庫 1995、復刊2010
  • 『言語と沈黙 言語・文学・非人間的なるものについて』(1967)
    訳者は由良君美平川祐弘ほか多数、せりか書房(上下) 1969-70、新版・全1巻 2001
  • 『脱領域の知性 文学言語革命論集』(1971) 由良君美ほか訳 河出書房新社 1972、新版1981
  • 『青ひげの城にて 文化の再定義への覚書』(1971) 桂田重利訳 みすず書房 1973/みすずライブラリー(新版) 2000
  • 『白夜のチェス戦争』(1973) 諸岡敏行訳 晶文社 1978
  • バベルの後に 言葉と翻訳の諸相』(1975) 亀山健吉訳、叢書ウニベルシタス・法政大学出版局(上下)、上巻1999、下巻2009
  • 『ハイデガー』(1978) 生松敬三岩波書店〈岩波現代選書〉 1980
    岩波同時代ライブラリー 1992/改題 『マルティン・ハイデガー岩波現代文庫 2000
  • ヒトラーの弁明 サンクリストバルへのA・Hの移送』(1979) 佐川愛子、大西哲訳 三交社 1992-小説
  • アンティゴネーの変貌』(1984) 海老根宏、山本史郎訳 みすず書房 1989
  • 『真の存在』(1989) 工藤政司訳 叢書ウニベルシタス・法政大学出版局 1995
  • 『G・スタイナー自伝』(1997) 工藤政司みすず書房 1998
  • 『言葉への情熱』(1999) 伊藤誓訳 叢書ウニベルシタス・法政大学出版局 2000
  • 『師弟のまじわり』(2003) 高田康成訳 岩波書店 2011
  • 『私の書かなかった本』(2008) 伊藤誓・磯山甚一・大島由紀夫訳 みすず書房 2009
  • 『「ニューヨーカー」のジョージ・スタイナー』 ロバート・ボイヤーズ編、工藤政司訳 近代文藝社 2012-約30年にわたる評論類から、選んだ28編を収録
  • 『むずかしさについて』(1978) 加藤雅之・大河内昌・岩田美喜訳 みすず書房 2014