ジェイスマ・サイディ・ンドゥレ

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ジェイスマ・サイディ・ンドゥレ Portal:陸上競技
2011年ヨーロッパチーム選手権
選手情報
ラテン文字 Jaysuma Saidy Ndure
国籍  ノルウェー
競技 陸上競技 (短距離走)
種目 60m, 100m, 200m
生年月日 (1984-01-01) 1984年1月1日(40歳)
出身地 ガンビアの旗 ガンビア 西部地方バカウ英語版
身長 192cm
体重 72kg
成績
オリンピック 100m 2次予選4組4着 (2008年)
200m 準決勝1組4着 (2012年)
世界選手権 100m 準決勝2組5着 (2011年)
200m 4位 (2011年)
地域大会決勝 ヨーロッパ選手権
100m 3位 (2012年)
200m 5位 (2010年)
アフリカ選手権
100m 3位 (2004年)
200m 6位 (2004年)
最高世界ランク 200m 5位 19秒89 (2007年)
自己ベスト
60m 6秒55 (2008年) ノルディック記録
100m 9秒99 (2011年) ノルディック記録
9秒92w (2014年)
200m 19秒89 (2007年) ノルディック記録
400m 48秒71 (2009年)
獲得メダル
陸上競技
 ノルウェー
ワールドアスレチックファイナル
2007 シュトゥットガルト 200m
2007 シュトゥットガルト 100m
ヨーロッパ選手権
2012 ヘルシンキ 100m
ガンビアの旗 ガンビア
アフリカ選手権
2004 ブラザヴィル 100m
アフリカジュニア選手権
2003 ガルア 200m
2003 ガルア 100m
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ジェイスマ・サイディ・ンドゥレ[1]Jaysuma Saidy Ndure1984年1月1日 ‐ )は、ガンビア出身でノルウェー国籍の陸上競技選手。専門は短距離走100mで9秒99、200mで19秒89、室内60mで6秒55の自己ベストを持つ、3種目のノルディック記録およびノルウェー記録保持者[2]。200mでは2011年大邱世界選手権2013年モスクワ世界選手権ファイナリスト(4位と8位)、2007年ワールドアスレチックファイナルで優勝の実績を誇る。ジャイスマ・サイディ・ンドゥレ[3]ジャイスマ・サイディ・ヌドゥレとも呼ばれる[4]

経歴[編集]

2001年[編集]

ノルウェーに移住[5]

2004年[編集]

7月のアフリカ選手権に出場すると、男子100m決勝で10秒43(0.0)をマークし、オルソジ・ファスバ(10秒21)、イドリッサ・サヌー(10秒37)に次いで銅メダルを獲得した[6]。8月のアテネオリンピックではガンビア選手団の旗手を務めた。男子100mと200mに出場すると、100mは1次予選を10秒26(+0.1)のガンビア新記録(当時)で突破し、2次予選まで進出した[7]。200mでも2次予選まで進出したが、20秒73(+0.1)の組6着に終わり準決勝には進めなかった[8]

2005年[編集]

8月のヘルシンキ世界選手権男子200mに出場し、世界大会で初のセミファイナリストとなった。準決勝では組4着までに入れば決勝に進出できたが、結果は20秒75(-0.1)の組5着に終わり、0秒07差で決勝進出を逃した[9]

2006年[編集]

9月に年間王者決定戦と呼ばれたワールドアスレチックファイナル男子200mに出場し、20秒47(-0.1)のガンビア新記録を樹立するも6位に終わった[10]。12月にノルウェーの市民権を取得[5]

2007年[編集]

8月7日のDNガラン男子100mで10秒07(-1.0)のノルディック新記録およびノルウェー新記録(ともに当時)を樹立し、1996年にゲイル・モーエンがマークした10秒08を塗り替えた[11]。9月のワールドアスレチックファイナルに2大会連続となる出場を果たすと、男子100mでは10秒06(-0.3)のノルディック新記録およびノルウェー新記録(ともに当時)を樹立し、アサファ・パウエル(9秒83)に次いで銀メダルを獲得した[12]。200mでもそれまでの自己ベスト(20秒25)を大幅に更新する19秒89(+1.3)のノルディック新記録およびノルウェー新記録を樹立。ゲイル・モーエンが1996年にマークした20秒17を塗り替え、ウォーレス・スピアモン(20秒18)やロドニー・マーティン(20秒27)を破り、初のメジャータイトルを獲得した[5][13]

2011年[編集]

6月30日のダイヤモンドリーグアスレティッシマ男子100mで9秒99のノルディック新記録およびノルウェー新記録を樹立。自身の持つ記録(10秒00)を塗り替え、ノルウェーの選手として初めて10秒の壁を突破した[14]。8-9月の大邱世界選手権には男子100mと200mに出場すると、100mは2大会連続で準決勝敗退に終わったが、200mは準決勝を20秒50(-1.0)で突破して初のファイナリストとなった。決勝では自己ベスト(19秒89)に迫る19秒95(+0.8)をマークしたが、ウサイン・ボルト(19秒40)、ウォルター・ディックス(19秒70)、クリストフ・ルメートル(19秒80)に次ぐ4位でメダルを逃した[15][16]

2013年[編集]

8月のモスクワ世界選手権男子200mの準決勝で20秒33(0.0)をマークし、タイムで拾われて2大会連続のファイナリストとなったが、初のメダルがかかった決勝は20秒37(0.0)の8位に終わった[17]

自己ベスト[編集]

記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風、-は向かい風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
100m 9秒99 (+1.0) 2011年6月30日 スイスの旗 ローザンヌ ノルディック記録
9秒92w (+2.3) 2014年6月7日 ノルウェーの旗 フローレ 追い風参考記録
200m 19秒89 (+1.3) 2007年9月23日 ドイツの旗 シュトゥットガルト ノルディック記録
400m 48秒71 2009年3月14日 アメリカ合衆国の旗 サンディエゴ
室内
60m 6秒55 2008年2月24日 ベルギーの旗 ヘント ノルディック記録
100m 10秒19 2014年2月15日 ノルウェーの旗 フローレ ノルウェー記録

ガンビア記録[編集]

種目 記録 年月日 場所
室内
60m 6秒71 2006年2月19日 フィンランドの旗 コルスホルム

主要大会成績[編集]

備考欄の記録は当時のもの

大会 場所 種目 結果 記録 備考
ガンビアの旗 ガンビア
2002 世界ジュニア選手権 ジャマイカの旗 キングストン 200m 予選 21秒53 (+1.5)
英連邦競技大会 (en イギリスの旗 マンチェスター 200m 2次予選 21秒20 (+0.8) ガンビア記録
4x100mR 予選 DQ (4走)
2003 アフリカジュニア選手権 (en カメルーンの旗 ガルア 100m 3位 10秒59 (+3.7)
200m 優勝 21秒23 (+3.6)
世界選手権 フランスの旗 パリ 200m 1次予選 21秒42 (-0.5)
アフリカ競技大会 (en ナイジェリアの旗 アブジャ 100m 準決勝 10秒74 (+0.7)
200m 準決勝 21秒39 (+1.1)
2004 アフリカ選手権 (en コンゴ共和国の旗 ブラザヴィル 100m 3位 10秒43 (0.0)
200m 6位 21秒19 (0.0)
オリンピック ギリシャの旗 アテネ 100m 2次予選 10秒39 (-0.1)
200m 2次予選 20秒73 (+0.1)
2005 世界選手権 フィンランドの旗 ヘルシンキ 200m 準決勝 20秒75 (-0.1)
2006 英連邦競技大会 (en オーストラリアの旗 メルボルン 200m 準決勝 20秒70 (+1.0)
ワールドアスレチック
ファイナル
 (en
ドイツの旗 シュトゥットガルト 200m 6位 20秒47 (-0.1) ガンビア記録
 ノルウェー
2007 ワールドアスレチック
ファイナル
 (en
ドイツの旗 シュトゥットガルト 100m 2位 10秒06 (-0.3) ノルディック記録
200m 優勝 19秒89 (+1.3) ノルディック記録
2008 オリンピック 中華人民共和国の旗 北京 100m 2次予選 10秒14 (+0.1)
200m 準決勝 DNS
2009 世界選手権 ドイツの旗 ベルリン 100m 準決勝 10秒20 (+0.2)
200m 予選 DNS
2010 ヨーロッパ選手権 スペインの旗 バルセロナ 100m 6位 10秒31 (-1.0)
200m 5位 20秒63 (-0.8)
4x100mR 予選 40秒04 (4走)
コンチネンタルカップ (en クロアチアの旗 スプリト 200m 決勝 DNF ヨーロッパ大陸代表
2011 世界選手権 大韓民国の旗 大邱 100m 準決勝 10秒21 (-1.0)
200m 4位 19秒95 (+0.8)
2012 ヨーロッパ選手権 フィンランドの旗 ヘルシンキ 100m 3位 10秒17 (-0.7)
オリンピック イギリスの旗 ロンドン 100m 予選 10秒28 (-1.4)
200m 準決勝 20秒42 (-0.5)
2013 ヨーロッパ室内選手権 (en スウェーデンの旗 ヨーテボリ 60m 4位 6秒61
世界選手権 ロシアの旗 モスクワ 200m 8位 20秒37 (0.0)
2014 ヨーロッパ選手権 スイスの旗 チューリッヒ 100m 6位 10秒35 (-0.4)
200m 予選 20秒78 (-0.2)
2016 ヨーロッパ選手権 オランダの旗 アムステルダム 200m 準決勝 20秒92 (-1.7)
4x100mR 予選 39秒35 (4走)
オリンピック ブラジルの旗 リオデジャネイロ 200m 予選 20秒78 (+0.6)

ダイヤモンドリーグ[編集]

ダイヤモンドリーグの総合成績を記載。獲得ポイント欄の( )内は出場したポイント対象レースの数を意味する。

種目 総合順位 獲得ポイント
2010 200m 5位 1 (1レース)
2011 200m 3位 5 (3レース)
2013 200m 4位 4 (2レース)

脚注[編集]

  1. ^ 2009年ベルリン世界選手権男子100m準決勝サマリー”. TBS (2009年). 2016年3月11日閲覧。
  2. ^ ノルディック記録”. ノルディック陸上競技連盟. 2016年3月11日閲覧。
  3. ^ ンドゥレ 男子200メートルで優勝”. フランス通信社 (2007年9月24日). 2016年3月11日閲覧。
  4. ^ 2011年大邱世界選手権 / 男子海外注目選手”. TBS (2011年). 2016年3月11日閲覧。
  5. ^ a b c In 19.89 seconds, Ndure blasts to the forefront - World Athletics Final”. 国際陸上競技連盟 (2007年9月23日). 2016年3月11日閲覧。
  6. ^ African Championships – Day Two”. 国際陸上競技連盟 (2004年7月16日). 2016年3月11日閲覧。
  7. ^ 第28回オリンピック男子100m1次予選リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月11日閲覧。
  8. ^ 第28回オリンピック男子200m2次予選リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月11日閲覧。
  9. ^ 第10回世界選手権男子200m準決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月11日閲覧。
  10. ^ 第4回ワールドアスレチックファイナル男子200mリザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月11日閲覧。
  11. ^ 9-tallet neste for Norges sprinthåp”. dagsavisen.no. 2007年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月11日閲覧。
  12. ^ 第5回ワールドアスレチックファイナル男子100mリザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月11日閲覧。
  13. ^ 第5回ワールドアスレチックファイナル男子200mリザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月11日閲覧。
  14. ^ Powell and Tamgho produce awesome world leads in Lausanne – Samsung Diamond League”. 国際陸上競技連盟 (2011年6月30日). 2016年3月11日閲覧。
  15. ^ Men's 200m - Final - Bolt blasts to 19.40 victory”. 国際陸上競技連盟 (2011年9月3日). 2016年3月11日閲覧。
  16. ^ 第13回世界選手権男子200m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月11日閲覧。
  17. ^ 第14回世界選手権男子200m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月11日閲覧。

外部リンク[編集]

記録
先代
ゲイル・モーエン
(10秒08)
1996年8月16日
男子100m
ノルディック&ノルウェー記録保持者
(10秒07 - 9秒99)

2007年8月7日 -
次代
未定
先代
ゲイル・モーエン
(20秒17)
1996年9月1日
男子200m
ノルディック&ノルウェー記録保持者
(19秒89)

2007年9月23日 -
次代
未定
オリンピック
先代
Adama Njie
(女子陸上競技選手)
2000 シドニー
ガンビア選手団
旗手

2004 アテネ
次代
バドゥ・ジャック
(男子ボクシング選手)
2008 北京