シンフォニア・フンガリカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

シンフォニア・フンガリカイタリア語: Sinfonia Hungaricaハンガリー語: Magyar Szimfónia)は、ヤン・ヴァン・デル・ローストが2001年に作曲した吹奏楽のための交響曲[1]。日本では英語の発音風に「シンフォニア・ンガリカ」と表記される場合も多い。

概要[編集]

Flag of Hungary.svg この項目では、ハンガリー語圏の慣習に従い、名前を姓名順で表記していますが、印欧語族風に名・姓と表記することもあります。

ハンガリーのキシュクンフェーレジハーザ吹奏楽団(Kiskunfélegyházi Koncert Fúvószenekar)の委嘱で作曲された[2]。2001年にオランダの出版社デ・ハスケ(De Haske Publications BV)から出版された楽譜には、指揮者のヤンコヴスキー・フェレンツ(Jankovszki Ferenc)、キシュクンフェーレジハーザ市長フィチョール・ヨージェフ(Ficsór József)、楽団代表キッシュ・ガブリエッラ(Kiss Gabriella)への献辞が記されている[3]

ハンガリー王国の成立から1000年を記念し、ハンガリー建国の歴史に登場する3人の王をテーマにしている[4]。交響曲全体を通してハンガリー国歌の旋律とその変形や断片が、暗示的あるいは明示的に引用されている[5]

演奏時間は約38分[1]

初演[編集]

2001年3月30日から4月1日にかけてハンガリー国内の3都市で行われた演奏会で作曲者の指揮により演奏された[6]が、公式な初演は2001年3月31日のブダペストでの演奏とされている[2]

日本初演は同年6月5日に大阪市北区ザ・シンフォニーホールにて、秋山和慶の指揮、大阪市音楽団の演奏による[7]

編成[編集]

編成表
木管 金管
Fl. 2, Picc. Tp. 3 Cb.
Ob. 2, C.A. Hr. 4 Timp.
Fg. 2, Cfg. Tbn. 3 Bass Drum, Snare Drum, Field Drum, Floor Tom, Low Tom, 4 Tom-Toms, Clash Cymbals, Suspended Cymbals (L/S), Chinese Type Suspended Cymbal, Finger Cymbals, Tambourine, Triangles (L/S), Tam-Tams (L/M/S), Flexatone, Beatring, Wind Chimes, Anvils, Whip, Wind Machine, Xylophone, Glockenspiel, Vibraphone, Tublar Bells, Crotales
Cl. 3, E♭, Alto, Bass, C-Bass Eup. 2
Sax. Sop. 1 Alt. 2 Ten. 1 Bar. 1 Tub.
その他 Harp, Piano

構成[編集]

ハンガリーの歴史上の王の名が付けられた3つの楽章からなる。各楽章の演奏時間は作曲者の指揮による初演の録音(参考文献参照)に基づく。

第1楽章「アッティラ!」[編集]

295小節、13分6秒

フン族の王アッティラの攻撃的で残忍な性格を描く。共同統治者だった兄ブレダの英雄的な主題や、その妻リカの叙情的な主題を挟みながら、ピアノの内部奏法や木管楽器のキーの音、叫び声も用いて不気味さや激烈な侵略を表現している[7]

第2楽章「アールパード」[編集]

189小節、10分44秒

アールパード朝の祖で、ハンガリーの民族的英雄として今も愛されているアールパードを、穏やかで高貴な雰囲気で描いている[1]

第3楽章「イシュトヴァーン」[編集]

322小節、14分40秒

カトリックに改宗してローマ教皇シルウェステル2世から王冠を受け、ハンガリー王国の初代国王となったイシュトヴァーン1世を描く。王位継承の激しい戦いの後、ハンガリー国歌の旋律が「オルガンのように」現れ、壮麗な終結を迎える[7]

脚注[編集]

  1. ^ a b c フィルハーモニック・ウインズ大阪CD解説より。
  2. ^ a b キシュクンフェーレジハーザ吹奏楽団CD
  3. ^ Sinfonia Hungarica(フルスコア
  4. ^ 作曲者のホームページより。
  5. ^ Sinfonia Hungarica(フルスコア)解説(pp.5-7)
  6. ^ 樋口、File No.10-03:伝統?
  7. ^ a b c 大阪市音楽団CD解説より。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]