シロモジ

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シロモジ
シロモジ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: クスノキ目 Laurales
: クスノキ科 Lauraceae
: クロモジ属 Lindera
: シロモジ L. triloba
学名
Lindera triloba (Sieb. et Zucc.) Blume[1]
シノニム

Parabenzoin trilobum Nakai

和名
シロモジ

シロモジ(白文字、学名:Lindera triloba (Sieb. et Zucc.) Blume)は、クスノキ科の落葉低木の一種。種名クロモジに対して付けられた。

特徴[編集]

日本の本州(中部地方以西)、四国、九州にかけて、温帯から暖帯の低山に分布する。日本固有種であり、襲速紀要素に該当する。

幹は往々に根本で束になって生じ、高さ6 mに達する。古い幹は褐色で、皮目が多い。

雌雄異株は黄緑色で、春にが出るのと同じ頃、葉脇から出た散形花序に咲く。ここまではクロモジに似るが、枝は淡褐色で、葉は3中裂から5中裂で葉脈が3脈みられる。また果実液果に緑黄色に熟する。

葉は三裂から五裂だが、裂けない場合もある。いずれにしても洋紙質、黄緑で表面は無毛、脈沿いに毛がある。

利用[編集]

この木は強靭で、などに利用された。また熟した果実種子を絞るとがとれ、絞り出された油は行燈などの燃料として使われていた。なお、クロモジほどでないが、枝葉に特有の芳香があり、水蒸気蒸留で精油が抽出される[2]。 また、黄葉がきれいで、園芸・庭木用の苗木が販売されている。

種の保全状況評価[編集]

日本の以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[3]

脚注[編集]

  1. ^ 日本の野生植物 (1996)、119頁
  2. ^ Yabuuchi et al. (2023). “Virtual screening of antimicrobial plant extracts by machine-learning classification of chemical compounds in semantic space” (英語). PLOS ONE 18: e0285716. doi:10.1371/journal.pone.0285716. https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0285716. 
  3. ^ 日本のレッドデータ検索システム「シロモジ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2012年11月14日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
  4. ^ しまねレッドデータブック(シロモジ)”. 島根県 (2004年3月). 2012年11月14日閲覧。

参考文献[編集]

  • 佐竹義輔、亘理俊次、原寛、冨成忠夫(共編)『日本の野生植物』 大木I、平凡社、1996年6月。ISBN 4582535046 

外部リンク[編集]