シエラ型原子力潜水艦

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シエラ型原子力潜水艦
Sierra class SSN.jpg
シエラ2型
基本情報
建造所 ゴーリキー, 後に艤装の為にセヴェロドヴィンスクへ回航された
運用者  ソビエト連邦海軍
 ロシア海軍
建造数 4隻 (うち退役1隻)
前級 アルファ型原子力潜水艦
次級 アクラ型原子力潜水艦
要目
排水量 シエラ I:
7,200 トン (浮上時)
8,100 トン (潜航時)
シエラ II:
7,600 トン (浮上時)
9,100 トン (潜航時)
長さ シエラ I: 351 ft (107 m)
シエラ II: 364.2 ft (111.0 m)
シエラ I: 41 ft (12 m)
シエラ II: 46.6 ft (14.2 m)
推進器 シエラ I & II: 1 × PWR, 190 MW
2 × 1,002 hp 非常用電動機
1軸式, スクリュー2基
速力 シエラ I & II: 10ノット (18.5 km/h) (浮上時)
シエラ I: 34ノット (63.0 km/h) (潜航時)
シエラ II: 32ノット (59.3 km/h) (潜航時)
航続距離 食料補給を除き無制限
乗員 シエラ I & II: 61人
兵装 シエラ I & II:
25.6 in (650 mm) 魚雷発射管4門
21 in (530 mm) 魚雷発射管4門
SS-N-21 Sampson SLCM と 200 kt 核弾頭
SS-N-15 Starfish 対潜水艦兵器: 200 kt 爆雷または 90 kg HE 型 魚雷40本
SS-N-16 Stallion, 200 kt 爆雷または 90 kg HE 型 40 torpedo
機雷敷設仕様: 魚雷の代わりに機雷42基
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シエラ型原子力潜水艦(シエラがたげんしりょくせんすいかん Sierra class submarine)は、ソヴィエト/ロシア海軍の攻撃型原子力潜水艦である。1・2・3型のサブタイプが存在する。 シエラ型の名称はNATOコードネームであり、シエラ1型、2型、3型が命名されている。ソ連海軍の計画名は945型潜水艦(バラクーダПодводные лодки проекта 945 "Гранит")、945A型潜水艦(コンドルПодводные лодки проекта 945A "Антей")、945B型潜水艦(マルスПодводные лодки проекта 945B "Марс")である。

シエラ1型 前上方からのショット

概要[編集]

船体はチタン合金で作られており、強度が大きいので深深度潜航ができるという特徴を有するほか、磁気探知が困難になる利点がある[1]。また、船殻に吸音タイルを用いているので秘匿性に優れている。

当初はヴィクター3型型原潜の後継としてかなりの隻数が建造される予定であったが、チタン合金を大量に用いるため費用が高騰し、財政上の理由により少数の建造に終わった。全艦、内陸部のニジーニー・ノヴゴロド(旧ゴーリキー)に有るクラースノエ・ソルモーヴォ造船所(第112海軍工廠)で建造された。なお、極東方面コムソモリスク・ナ・アムーレのレニンスキー・コムソモール記念工廠(第199海軍工廠)でも建造される予定だったが、同工廠ではチタンの加工が出来なかったために断念された(シエラ型を受注し損なった同工廠には、後にアクラ型が発注された)。

シエラ1型の一番艦は1984年に就役し、2隻が建造された。原子炉をOK-650(180メガワット)からOK-650B(190メガワット)に換装し、最大潜航深度が750メートルに増大した同2型は1990年から就役を開始し、同じく2隻が建造された。同3型に関しては確たる情報がないが、建造が途中で中止されたものといわれている。種々のミサイルを運用する本艦級は維持費が非常に高い。現在1型は1隻が退役済であるといわれる。

本型は就役当初はKナンバーが割り当てられており、「原子力海中巡洋艦」に分類されていたが、ソ連崩壊後、Bナンバーに変更され、類別も「一等原子力大型潜水艦」となった。

諸元(1型)[編集]

同型艦(1型)[編集]

  • B-239:「カープ」
  • B-276:「コストロマ」(旧名「クラーブ」)

1番艦「カープ」は退役したが、船殻の強度が十分なので、2014年からクラブ巡航ミサイルの搭載や電子機器の交換などの近代化改修を実施している[1]。2番艦「コストロマ」は1992年、米原潜「バトンルージュ」と衝突して大破した。その後、退役したと見られていたが、修理され現役復帰していた事が判明した(「バトンルージュ」は修理を断念して除籍された)。

諸元(2型)[編集]

同型艦(2型)[編集]

  • B-534:「ニジーニー・ノヴゴロド」(旧名「スバトカ」)
  • B-336:「プスコフ」(旧名「オークン」)

「プスコフ」は長期修理中で、就役しているのは「ニジーニー・ノヴゴロド」のみである[1]

3型[編集]

進水・就役せず

参考文献[編集]

  1. ^ a b c 小泉悠/編集部・解説「写真特集 今日のロシア軍艦」 『世界の艦船』第817集(2015年6月号) 海人社 P.29

関連項目[編集]