ギフト±

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ギフト±
ジャンル ミステリークライム青年漫画
漫画
作者 ナガテユカ
出版社 日本文芸社
掲載誌 週刊漫画ゴラク
レーベル ニチブンコミックス
発表号 2015年4月3日号 -
発表期間 2015年3月20日 -
巻数 既刊9巻(2017年9月7日現在)
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ポータル 漫画

ギフト±』(ギフトプラスマイナス)は、ナガテユカによる日本漫画。『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)にて、2015年4月3日号(同年3月20日発売)から連載中[1]。単行本は「ニチブン・コミックス」より刊行され、2017年9月7日の時点で既刊9巻。

ストーリー[編集]

女子高生の鈴原環は交友関係を持たず、無為な日々を過ごしているが、裏では凶悪犯を解体し、正規のルートでは臓器移植を行えない者のために臓器売買を行っていた。その彼女を巡り事件が起きる中、阿藤は臓器売買の事件の真相に迫るも元同業者の加藤警部に殺害されてしまう。彼の遺志を継いだ恋人・桜田と暴露記事を潰された気鋭の記者・廣瀬直也が臓器売買と「たまき」を巡る事件を追う。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

鈴原環(すずはら たまき)
本作の主人公。心臓手術の手術痕がある高校生。独善的な死生観を持ち、反省や更生が見込めない大人をターゲットにして意識のある「鯨」(隠語でターゲットを指す)を生きたまま解体し、タカシの臓器売買を支える。健康体で生を受けたにも関わらず林(英琢磨)の叔父は不要な心臓手術を行ったと琢磨は激怒するが、その心臓はタカシの義兄(実は甥)・渉に移植された。琢磨によれば「人格が変わったとしか思えぬ原因の心臓は誰のものだったのか?」という謎がある。生来の心臓の代わりに移植された心臓はペースメーカーの役割も果たしており、感情を抑え込まれていた。ところが、琢磨との再会により「人形」と化した感情の抑制が弱まり、徐々に感情が息を吹き返し始めて「人間」に戻ってゆく。しかし、琢磨に対する恋心を心臓に封印し、彼とは異なる形で大切に思うタカシを守り臓器のリサイクルという仕事のために狩りと解体を続行すべくペースメーカーをつけるとタカシに告げる。タカシが「たくま先生」に殺意を抱いていることを知らずに会いたいと願うが、ついに自力で捜そうと行動を開始する。
タカシと同様、「臓器提供者(ドナー)」としてこの世に生み出された「デザイナーベビー」である。亡き秋光正の15歳の妾・真琴が死に際に宿していた受精卵を採取・冷凍保存をされ、人間扱いされることはなく代理母出産により「受給者(レシピエント)」である渉に対する「ドナー」として造られた。そのため、戸籍が無い。
タカシ
本名は「秋光崇(あきみつ たかし)」。臓器売買グループを取り仕切る大学生。組織を運営する資金力や人脈を持ち、ハッキングや現場へ出向き情報収集も行う。兄妹だと思われる環を「人形」として執着している。
極秋会病院を運営する秋光家の2代目当主・聡の次男とされている。しかし、会長である祖父・秋光正と、当時15歳だった・鈴原真琴という少女の間に生を受けた。正嫡の異母兄・聡の実子・渉が病弱であるため、異母兄弟でありながら兄の次男として迎えられ、甥の義弟として戸籍を手に入れた。自分自身とその母・真琴に瓜二つの鈴原環に固執する。先の院長だった叔父を廃人にし、極秋会病院を乗っ取る。実質的に極秋会を牛耳ってはいるが、会長の遺言により正統後継者たる義兄の世話係として生かされている。環の変化に動揺して警戒を緩めてしまい、いつもは避妊していた梨世との性行為で油断をしてしまう。
渉が正統な後継者とされているが、回復が望めないことも予測していたため、万が一の渉の代わりに後継者として極秋会を継ぐべく養子に迎えられた。当初は渉に心臓を移植すべく環より先に造られた「デザイナーベビー」だったが、移植可能な年齢に達しても渉の体力が手術に耐えられないと判明し、移植は見送られた。曹国良との自分達にとって不利な状況と知られすぎている現実により、梨世が曹の「犬」だと気づく。
英琢磨(はなぶさ たくま)
元医師。「英医院放火殺人事件」の犯人として指名手配されている。闇医師「林」としてタカシの臓器売買と密接な関係にあり、手術に必要な「活きのいいキビダンゴ(新鮮な臓器)」を提供して貰っている。しかし、灯台下暗しであり、タカシに捜索協力を要請してまで捜す環が「解体」を担ってタカシの元にいることを知らない。また、まだ堅気だったころの甘さが抜けきっておらず、タカシが「秋光崇」であり初恋の少女・真琴と彼女の面影を異常なまでに宿す環に関係があることを知っても逃避してしまう。更には、環が関与していることを思い知らされて移植手術が出来なくなり、抹殺されるのは確実になり、桜田と廣瀬の助けられて国外に脱出する。
叔父である英医院の院長・英幾雄が環は心臓が健康なのに移植手術を行ったことを知って殺害されそうになるが、意識が戻った際、淡々と幾雄を解剖する環の姿を目撃。彼女を守るため、証拠隠滅に放火して警察に追われる身となった。少年時代、母の付き添いで訪れた英医院で真琴と出会い、彼女の死後、14年ほど経ったころに環と出会う。

臓器売買グループ関係者[編集]

神崎梨世(かんざき りよ)
極秋会総合病院の心臓外科医。環の主治医。病院内におけるタカシの協力者で肉体関係を持つが、その正体は中国の中央部から指令を受ける工作員。本名は「王梨世(ワン リーシー)」。ハニートラップ要員。健康な心臓を渉に移植された後、環に移植された代わりの心臓が誰のものか突き止めることが任務である。タカシが「人形」として溺愛する環が人間として復活しようとしており、その原因が琢磨に対する恋心だと気づく。
日本で生まれ育つが、両親共々に大陸系の帰化人
加藤善人(かとう よしと)
タカシが信頼する臓器売買グループの一員。警視庁捜査一課の現職警察官であり、階級は警部。闇の人脈に通じており、商売敵のリュウに「先生」と呼ばれており、彼との関係を含めて謎が多い。冤罪を握り潰すことで警察の面目を守る主義。そのため、タカシとその思想ゆえに阿藤を殺した。タカシの叔父が院長だったころ、中国の黒社会のメンバーを全滅させた「子飼いの部下」と称してリュウを実行犯として使ったことをタカシに隠している。桜田に電話の内容を聞かれたかもしれないため、環と接触させまいと罠に嵌めた挙げ句、彼女を自身の監視下に置く。
リュウ
本名は「劉達善(リウ ダーシ)」、日本名「斉藤達善(さいとう たつよし)」。
残留孤児の3世。チャイニーズマフィアの一員。隻眼。老いたと口を滑らせたことと臓器売買の商品の元である「羊」を複数潰したことにより、元のボスに左眼の眼球を抉られて独眼になる。大陸、島、在日、残留の闇のネットワークに精通している。大陸でも日本でも残留風情がと蔑まされ、組織の方針を巡り水面下で対立していた大陸系黒幇(ヘイパン)のボスの1人である老大(ボス)「呉園良」を殺して組織を乗っ取った。日本の臓器売買の進出を狙う。民進党の次期総裁と目される松川議員に接近する。後にバック(曹)に切られて逃亡した松川の居場所を加藤に密告し、環か自分自身か選ぶよう迫って加藤と決別した。
環を「羊」にしようとして睾丸の片方を潰され、その後も悪夢に襲われるトラウマとなっている。環曰く「クジラが手負いのシャチになった」とのこと。怒りに転換できる恐怖なら問題ないが、環の場合は殺るか殺られるかしかない。
徐永啓
大陸系の医師。日本語が少々おぼつかない。実は中国の解放軍の脱走兵であり、中国の高官専門の病院「301病院」にも勤務実績のある元軍医。最終的な階級は中尉。
曹国良
梨世の中国の中央政府での上司で「人民解放軍」の陰の実力者である総後勤部副部長。松川を大陸(中国)と日本を結ぶパイプ役という傀儡として活用していたが、金の臭いには敏感な黒社会の餌(情報)に釣られて造反を企んでいることを知り切り捨てた。タカシに商談を持ちかける。

警察関係者[編集]

阿藤圭介(あとう けいすけ)
探偵。元・警察官。琢磨に依頼され、行方不明となった環の調査を行っている。5年前、児童売春クラブ「プティシャトン」の経営者・日高孝太郎変死事件を警察が政財界の指示に従って練炭自殺で握り潰したため、失望して警察を辞職した。臓器売買と環を追っていたが、環に接触して「君を捜している人間がいる」と告げた直後に加藤に射殺された。死に際、恋人でもある後輩の女性刑事・桜田に連絡し、自身に代わって「正義の味方」になって欲しいと言い残して絶命した。幼いころ、酒乱でDVの父親に母親や妹と共に虐待されながらも必死に母親と妹を守ろうとしたが、母親は妹だけを守って家出して自身は捨てられてしまう。それでも女性や子供を守ろうと必死だった。そのため、警察官を志して警部補にまでなるが、腐り果てた警察の実態に裏切られた。
桜田瑞希(さくらだ みずき)
女性警察官。阿藤の後輩で恋人。阿藤の遺志を継ぎ、臓器売買の闇と環を追う。近視眼鏡を着用していたが、視力矯正手術「レーシック」を受けて眼鏡なしで行動するようになる。ぼさぼさだったショートヘアもベリーショートにした。加藤に嵌められて謹慎処分を受け、その後、同じ捜査一課に異動になる。

極秋会[編集]

秋光正(あきみつ ただし)
故人。極秋会創業者にして秋光家当主。正嫡の孫・渉を救うべく臓器移植のための子供を作るべく真琴を妾にし、タカシに渉の世話をするよう命じた。
鈴原真琴(すずはら まこと)
環とタカシの母親。タカシを出産し、人工授精で受胎した直後に亡くなった。環となる受精卵を採取された。児童売春クラブ「プティシャトン」で飼われていた15歳の娼婦。秋光正により渉に心臓を提供する子供を産ませるべく身請けされて妾となり、1年後の16歳で琢磨の叔父・幾雄が院長だった英総合病院に入院していた。
秋光渉(あきみつ わたる)
秋光家・極秋会の正統後継者。創業者である会長・正の正嫡の孫息子であり、タカシ(秋光崇)の戸籍上の義父・聡の唯一の息子。タカシにとっては甥である。先天性心臓疾患を抱えて生を受けたため、タカシに続いて「臓器提供者(ドナー)」として生み出された環の健康な心臓を移植された「臓器受給者(レシピエント)」である。しかし、植物状態に陥り生命維持装置で生かされているだけの死体も同然の状況が続いており、自身にとっては祖父でありタカシにとっては実父である正の遺言に縛られているタカシの世話を受けることで生き続けることが可能となっている。
病弱な身体と心臓の欠陥によりタカシの心臓を移植される予定だったが、体力が足りずに見送られたため、成長と共に不具合も大きくなり環の心臓を移植されても移植に適した時期を完全に逸してしまい、植物状態にとなる結果を招いた。

学園関係者[編集]

事件関係者[編集]

日高孝太郎(ひだか こうたろう)
児童買春クラブ「プティシャトン」の経営者。変死するが、警察上層部により自殺を遂げたとして被疑者死亡で強引に幕を下ろされた。真相は不明。
廣瀬直也(ひろせ なおや)
気鋭の記者。社会の闇がもたらす理不尽を憎んでおり、事件のもみ消しを平然と行う警察を信じていない。かつて「ニチブン出版」に勤務していたが、極秋会の創業者・秋光正と児童売春クラブ「プティシャトン」経営者変死事件と極秋会の創業者・秋光正の児童買春疑惑を暴露するも回収騒動で記事を潰されたため、単独で事件を追っている。うっかり、女の子(実は女装させられたタカシ)を連れた秋光正に声をかけてしまったのが敗因だった。「プティシャトン」事件と臓器売買の闇を追っており、腎不全による腎臓透析により日本が潰れる危険性に業を煮やした日本政府が臓器移植を推進することを懸念している。前科の有無に限らず反省の欠片も無い再犯確実なクズとされる人間が「クジラ」という解体による同意無しの「臓器提供者(ドナー)」とされていることを桜田に告げられ、捜査を協力して欲しいと依頼されて彼女と共闘する。消させても構わないかのような桜田を案じており、ふとしたことで彼女と肉体関係を結ぶ。

ターゲット[編集]

A少年(仮称)
強姦殺人で逮捕され、未成年のため懲役15年の刑を受けた青年。証拠不十分で不起訴となった殺人も犯していた。出所してから再び強姦殺人を繰り返そうとして最初の獲物に手をかけようとするが、環によって捕獲・解体された。
相澤華南(あいざわ かなん)
性依存症の女性。16歳の時に公園トイレで出産し、乳児遺棄で逮捕される。出所後も不安定な心を満たすため、妊娠と乳児遺棄を繰り返すも、環により子宮を含む一部の内臓を摘出される。
松川清(まつかわ きよし)
野党第一党「民信党」のタカ派議員。次期総裁を目指していたが、曹に身の程知らずと切られ、リュウに裏切られて環により捕獲・解体された。
プティシャトンの子供を骨を折ったり暴力をふるい死に至らしめていたため、顧客の中でも要注意人物とされていた。児童ポルノから子供を守ろうをスローガンを掲げていたが、実態は自身が加害者だった。梨世には「品性下劣」と評されるも日本と中国との太いパイプを持っており、2つの国を結びつけていた「使える人物」だった。しかし、加藤との「商談(取引)」を大陸の黒社会より齎されて中央政府を裏切ろうとし、信用に値しない「国家観の無い政治屋」と見なされて曹に切り捨てられてしまう。

用語[編集]

クジラ
タカシの臓器売買グループが解体して本人の意思を無視して「臓器提供者(ドナー)」とするターゲットを指す隠語。
黒幇(ヘイパン)
中国本土の闇組織。
プティシャトン
フランス語で「可愛い仔猫」という意味。児童買春クラブの名称。環とタカシの母・真琴ら数名の児童が飼われていた。
リードレスペースメーカー
環の希望でに埋め込まれた新たなペースメーカー。従来のモノよりコンパクトで安全なデバイス。皮下にペースメーカーを埋め込むポケットを作ることは不要となり、心臓に直に埋め込みが可能である。スマートフォンで管理できる上、GPSにもなる特別仕様となっている。取り外しや取り付け位置の変更も可能。梨世が内視鏡で手術を行い、大腿静脈からカテーテルで心臓にアプローチした。

書誌情報[編集]

出典[編集]

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  1. ^ “ながてゆかがペンネーム変更しゴラクで新連載、「銀牙伝説 赤目」は完結”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2015年3月20日). http://natalie.mu/comic/news/141437 2017年9月7日閲覧。 
  2. ^ ギフト± (1) / ナガテ ユカ 著”. 日本文芸社. 2016年4月18日閲覧。
  3. ^ ギフト± (2) / ナガテ ユカ 著”. 日本文芸社. 2016年4月18日閲覧。
  4. ^ ギフト± (3) / ナガテ ユカ 著”. 日本文芸社. 2016年4月18日閲覧。
  5. ^ ギフト± (4) / ナガテ ユカ 著”. 日本文芸社. 2016年4月18日閲覧。
  6. ^ ギフト± (5) / ナガテ ユカ 著”. 日本文芸社. 2016年7月19日閲覧。
  7. ^ ギフト± (6) / ナガテ ユカ 著”. 日本文芸社. 2016年10月28日閲覧。
  8. ^ ギフト± (7) / ナガテ ユカ 著”. 日本文芸社. 2017年2月18日閲覧。
  9. ^ ギフト± (8) / ナガテ ユカ 著”. 日本文芸社. 2017年5月19日閲覧。
  10. ^ ギフト± (9) / ナガテ ユカ 著”. 日本文芸社. 2017年9月7日閲覧。

外部リンク[編集]