エイリアン:ロムルス
エイリアン:ロムルス | |
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Alien: Romulus | |
監督 | フェデ・アルバレス |
脚本 |
フェデ・アルバレス ロド・サヤゲス |
原作 |
ダン・オバノン (キャラクター創作) ロナルド・シャセット (キャラクター創作) |
製作 |
リドリー・スコット マイケル・プラス ウォルター・ヒル |
製作総指揮 |
フェデ・アルバレス エリザベス・カンティロン トム・モラン ブレント・オコナー |
出演者 |
ケイリー・スピーニー デヴィッド・ジョンソン アーチー・ルノー イザベラ・メルセード スパイク・ファーン アイリーン・ウー |
音楽 | ベンジャミン・ウォルフィッシュ |
撮影 | ガロ・オリバレス |
編集 | ジェイク・ロバーツ |
製作会社 |
20世紀スタジオ スコット・フリー・プロダクションズ ブランディワイン・プロダクションズ |
配給 |
20世紀スタジオ ウォルト・ディズニー・ジャパン |
公開 |
2024年8月16日[1][2] 2024年9月6日[3][4] |
上映時間 | 119分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
前作 |
シリーズ エイリアン: コヴェナント 時系列 エイリアン |
次作 |
時系列 エイリアン2 |
『エイリアン:ロムルス』(原題:Alien: Romulus)は、2024年公開のSFホラー映画。『エイリアン』シリーズのスピンオフ映画[5][6]。フェデ・アルバレス監督、リドリー・スコット製作[7]。
『エイリアン』と『エイリアン2』の間の時代を舞台としている[8][4]。
あらすじ
[編集]プロローグ
[編集]西暦2142年、『エイリアン』の終盤において爆破された「ノストロモ号」付近の宇宙空間から、無人探査機が生命体の繭のようなものを持ち帰る。研究者に切開された繭の内部には、エイリアン(ゼノモーフ)が休眠していた。
ロムルスとレムスへ
[編集]劣悪な環境のジャクソン星に設けられた、ウェイランド・ユタニ社の鉱山で働くレイン・キャラダインは、亡き父によって「レインの安全確保」を第一指令にプログラムされた旧式アンドロイドのアンディと共に不自由な生活を送っていた。レインは遠いユヴァーガ第三惑星への移住を切望していたが、ユタニ社によって労働契約期間が不当に延長され、その希望は潰えた。
だが、その直後に連絡してきたレインの元恋人のタイラーは、そんなレインに秘密の計画を打ち明ける。ジャクソン星の軌道上に漂流してきた、放棄されたユタニ社の宇宙船が十数時間後にジャクソン星を囲む衛星環に落下、衝突して崩壊する前に忍び込み、冷凍休眠装置を盗み出してからユヴァーガ星へ脱走するのである。そのためにはユタニ社のシステムに侵入できるアンディが必要であった。
レインとアンディ、タイラーとその妹ケイ、タイラーの従弟ビヨン、ビヨンの恋人でパイロットのナヴァロの6名は貨物用宇宙船に乗り込み、放棄された宇宙船――ロムルスとレムスの2区画で構成される研究用宇宙施設──にたどり着く。タイラー、ビヨン、アンディはレムスで冷凍休眠装置を見つけた後、冷凍燃料を求めて侵入した熱管理室に閉じ込められてしまう。妊娠中で悪阻に苦しむケイを貨物船に残し、レインとナヴァロは3人の救助に向かう。途中、レインはアンディのアクセス権を拡張するため、破壊されたアンドロイドからチップを抜き取り、ドアの隙間からタイラーに渡してアンディに組み込ませる。その時、熱管理室に冷凍保管されていた大量のフェイスハガーが覚醒して一同を襲い、ナヴァロが寄生されてしまう。
一同の分裂
[編集]チップ組み込みに伴い最新型AIに更新されたアンディの活躍で脱出した一同は、破壊されたアンドロイド・科学主任ルークを再起動して情報を聞き出す。タイラーは冷凍燃料を吹きかけてナヴァロのフェイスハガーを追い払うが、ルークは施設の研究員たちと同じくナヴァロは助からないことを告げる。AI更新によって第一指令が「会社への貢献」に切り替わったアンディはルークの指揮下に入り、寄生卵を植え付けられた可能性の高いナヴァロをレムスに置き去りにしようとする。だが、それに反発したビヨンがアンディを突き飛ばし、ナヴァロを連れて貨物船に駆け込むとそのまま発進してしまう。しかしその直後、ナヴァロはエイリアンの幼体・チェストバスターが胸を突き破って誕生したことで苦悶の末に死亡。同時にその時の誤操作で貨物船が暴走してレムスに接触し爆発させながら反対側に位置するロムルスの格納庫に突っ込んで衝突する。さらに、この事態が原因で施設が動いて回転軸から外れたことにより、ジャクソン星を囲む衛星環に降下しながら到達するまでのタイムリミットが当初の十数時間から大きく早まって50分を切ってしまう。
船内のケイとビヨンは船外の仲間との合流を目指すが、その途中で繭の中で成体へ成長するチェストバスターを発見する。ビヨンはケイを先行させつつ電気棒でチェストバスターを殺そうするが、繭から飛び出した棘に左目を突き刺された挙句酸の血液を浴びて死亡する。一方レイン、アンディ、タイラーは、フェイスハガーの大群をかわしながら脱出を図っていた。ロムルス格納庫近くの閉じた扉の向こうにケイを発見し、タイラーとレインはケイを救出するためアンディに開錠を要求するが、ケイの背後に迫ってきたエイリアンを見たアンディは要求を拒否する。結果、3人の目前でケイはエイリアンに連れ去られて生死不明となる。レインはアンディの変節に激昂するが、アンディは平然と目的地を目指す。
脱出
[編集]アンディに導かれるままにエレベーターで辿り着いたロムルス最下層の研究施設で、一行はエイリアンの生体から抽出され、人間のDNAを混ぜ合わせた「黒い液体」のサンプルを探し当てる。ルークによれば、この液体は生物に驚異的な治癒能力を授け、人間を「完全な生物」に進化させる究極の物質(ルーク曰く「プロメテウスの火」)であるという。施設のコントロールを掌握したルークは、サンプルが搭載されていない限り、いかなる宇宙船も脱出できないよう、施設全体をロックダウンする。来た道をエイリアンに塞がれた3人は、保管されていた銃を手にエイリアンの巣と化した別ルートの突破を図るが、その途中で繭に閉じ込められたケイを救出する。アンディは息も絶え絶えのケイにサンプルを注射して蘇生することをタイラーに提案するが、アンディを怪しんだレインはそれを制止して、貨物船への移動を優先させる。
エレベーターの入り口に辿り着いた直後、エイリアンが一行に襲い掛かる。レインとケイを庇ったタイラーは致命傷を負ってエイリアンの群れにやられ、アンディもフリーズしてしまう。ケイに冷凍燃料とサンプルを託してエレベーターに乗せたレインは、引き返してアンディのチップを入れ換えて再起動する。元の第一指令に復帰したアンディとレインは和解し、貨物船へと引き返そうとするが、ルークはサンプルの安全を優先するために二人を妨害する。だが二人は襲い掛かる大量のエイリアンを何とか撃退し、貨物船へ乗り込むことに成功する。ルークの遠隔操縦により貨物船がロムルスから脱出した後、レインは遠隔操縦を強制的に切断し、ジャクソン星への帰還を拒否する。その直後、遂にロムルスとレムスは乗っていたルークもろとも衛星環に衝突し、宇宙の藻屑と化していった。
エピローグ
[編集]負傷していたケイを先に冷凍休眠装置に収め、レインとアンディが冷凍休眠の準備をしている最中、ケイを収めた装置が生命の危機を示すアラートを発する。レインが慌ててケイを装置から出すと、ケイは産気づいていた。貨物船へ向かうエレベーターの中で、ケイは死から逃れようとサンプルを自身に注射しており、その結果、彼女の胎児は人間とエイリアンの混ざり合ったミュータントへ変貌してしまったのだ。誕生したミュータントはアンディを破壊し、ケイも殺害するが、レインの機転で貨物コンテナごと宇宙空間へ放出される。最後の生存者となったレインはユヴァーガ星への自動操縦をセットし、時が来れば必ずアンディを修復する決意を航海日誌に記したあと、冷凍休眠に入るのだった。
登場人物 / キャスト
[編集]- レイン・キャラダイン
- 演 - ケイリー・スピーニー、日本語吹替 - 戸松遥[9][10]
- 本作の主人公。劣悪の環境にあるジャクソン星の鉱山で働いている20歳の女性。両親は亡くなっている。
- アンディ
- 演 - デヴィッド・ジョンソン、日本語吹替 - 内田雄馬[9][10]
- ウェイランド・ユタニ社製のアンドロイドで、レインからは弟として扱われている。正式名称はND-255。下手なダジャレを好む口癖がある。
- レインの亡父によって修復された後、彼女にとって最善となることの実行を第一目標としてプログラムされている。ルークによれば植民地惑星開拓のために開発された古いモデルであり、動作不良が多くレインによってしばしば回復されている。
- タイラー
- 演 - アーチー・ルノー、日本語吹替 - 石川界人[9][10]
- レインの元恋人で、同じくジャクソン星の採掘場で働いている。パルスライフルの扱いをレインに教えているが、タイラー曰く「ゲームと雑誌で覚えた」とのこと。
- ケイ
- 演 - イザベラ・メルセード、日本語吹替 - 内田真礼[9][10]
- タイラーの妹で、兄やレインらとともにジャクソン星から旅立つ。父が不明の子供を身籠っており、時々つわりで苦しんでいるが、兄には秘密にしている。
- ビヨン
- 演 - スパイク・ファーン、日本語吹替 - 畠中祐[9][10]
- 採掘場で働くタイラーのいとこ。ナヴァロとは家族のような関係。
- 母をアンドロイドによって見殺しにされた過去を持つため、アンディには冷たく接している。
- ナヴァロ
- 演 - アイリーン・ウー、日本語吹替 - ファイルーズあい[9][10]
- スキンヘッドが特徴のアジア系女性。テクノロジーに詳しく、スペースシップを操縦する。ビヨンを兄のように慕っている。
- ルーク
- 声 - ダニエル・ベッツ、日本語吹替 - 岩崎ひろし[10]
- ロムルス号に搭乗していたアンドロイドの科学主任。エイリアンの酸による影響で下半身は失われている。
- 『エイリアン』に登場したアッシュと同型のアンドロイドという設定であり、顔形および服装もほぼ同様である。アッシュを演じていたイアン・ホルムがすでに死去していることからも、声はエフェクトをかけたうえでベッツが演じているが、アルバレスによればルークを登場させたのはスコットの要望によるものであり、ホルムの遺産管理者や遺族に許可を取ったうえでディープフェイクなどのAI技術を活用して再登場させたという[11]。
- ゼノモーフ
- 演 - トレバー・ニューリン
- 『エイリアン』のビッグチャップから複製されたフェイスハガーから誕生した。また、ナヴァロから誕生した個体はビヨンによる電気攻撃で顔に傷を負っており、終盤まで登場している。
- オフスプリング
- 演 - ロバート・ボブロツキー
- 人間とゼノモーフのハイブリッド。名前は「子孫」の意味。誕生後、レインたちを見下ろすほどの巨体にまで急成長する。
- フルCGではなく、2メートル31センチメートルもの高身長を持つバスケットボール選手のボブロツキーによる着ぐるみで演じられている[12][13]。
スタッフ
[編集]- 監督:フェデ・アルバレス
- 脚本:フェデ・アルバレス、ロド・サヤゲス
- 製作総指揮:フェデ・アルバレス、エリザベス・カンティロン、トム・モラン、ブレント・オコナー
- 撮影:ガロ・オリバレス
- 編集:ジェイク・ロバーツ
- 視覚効果監修:エリック・バルバ
- プロダクションデザイン:ネイマン・マーシャル
- キャラクター創造:ダン・オバノン、ロナルド・シャセット
- 特殊造形(ゼノモーフ):レガシー・エフェクツ
- 特殊造形(チェストバスター&エッグ):スタジオ・ギリス
- 特殊造形(フェイスハガー&武器):WETAワークショップ
- 製作会社:20世紀スタジオ、スコット・フリー・プロダクションズ、ブランディワイン・プロダクションズ
脚注
[編集]- ^ Rubin, Rebecca (June 13, 2023). “Disney Dates New Star Wars Movie, Shifts Deadpool 3 and Entire Marvel Slate, Delays Avatar Sequels Through 2031”. Variety (Penske Media Corporation). オリジナルのJune 13, 2023時点におけるアーカイブ。 June 13, 2023閲覧。.
- ^ “「エイリアン」スピンオフ映画がクランクアップ 24年公開”. 映画.com (2023年7月8日). 2023年10月23日閲覧。
- ^ “「エイリアン ロムルス」9月6日公開&特報披露 監督は「ドント・ブリーズ」フェデ・アルバレス”. 映画.com (2024年4月26日). 2024年4月26日閲覧。
- ^ a b “エイリアン“その後の物語”…最新作『エイリアン:ロムルス』9.6日本公開決定”. シネマトゥデイ (2024年4月26日). 2024年5月3日閲覧。
- ^ “『エイリアン』新作をリドリー・スコットが絶賛「クソ素晴らしい」”. シネマトゥデイ (2023年10月18日). 2023年10月23日閲覧。
- ^ “「エイリアン」スピンオフ映画、“本家”リドリー・スコット監督のお墨付きを得る”. 映画.com (2023年10月22日). 2023年10月23日閲覧。
- ^ Dela Paz, Maggie (July 4, 2023). “Alien: Romulus Wraps Production, Director Fede Álvarez Celebrates”. Coming Soon. July 4, 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。July 4, 2023閲覧。
- ^ “『エイリアン:ロムルス』9月6日劇場公開決定 ─ 『ドント・ブリーズ』監督が放つ恐怖、『エイリアン』と『エイリアン2』の間が舞台 | THE RIVER”. theriver.jp (2024年4月25日). 2024年4月28日閲覧。
- ^ a b c d e f “『エイリアン:ロムルス』戸松遥が新たな女性主人公役 日本版声優が発表”. シネマトゥデイ (2024年8月7日). 2024年8月7日閲覧。
- ^ a b c d e f g “エイリアン:ロムルス -日本語吹き替え版”. 吹替キングダム (2024年9月6日). 2024年9月6日閲覧。
- ^ “【ネタバレ】『エイリアン:ロムルス』観客を驚かせたあのキャラクター、登場の背景を監督が説明”. IGN Japan (2024年9月8日). 2024年9月15日閲覧。
- ^ 中谷直登 (2024年9月8日). “【ネタバレ】『エイリアン:ロムルス』ラストの初期デザイン、気持ち悪すぎる”. THE RIVER (riverch) 2024年10月15日閲覧。
- ^ 倉本拓弥 (2024年9月8日). “【ネタバレ】『エイリアン:ロムルス』トラウマ級のアイツ、演じたのは2m31cmのバスケ選手だった”. シネマトゥデイ (株式会社シネマトゥデイ) 2024年10月15日閲覧。