アンドリュー・モロニー

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アンドリュー・モロニー
基本情報
本名 アンドリュー・ジョン・モロニー
通称 The Monster(怪物)
階級 スーパーフライ級
身長 165cm
リーチ 165cm
国籍 オーストラリアの旗 オーストラリア
誕生日 (1991-01-10) 1991年1月10日(33歳)
出身地 ビクトリア州ミッチャム
スタイル オーソドックス
プロボクシング戦績
総試合数 30
勝ち 26
KO勝ち 16
敗け 3
無効試合 1
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アンドリュー・モロニーAndrew Moloney1991年1月10日 - )は、オーストラリアプロボクサービクトリア州ミッチャム出身。元WBA世界スーパーフライ級レギュラー王者。双子の兄ジェイソン・モロニーもプロボクサー。ボブ・アラムトップランク所属。

来歴[編集]

アマチュア時代[編集]

2009年世界ボクシング選手権大会2011年世界ボクシング選手権大会、2013年AIBA世界ボクシング選手権に出場し、2010年と2014年のコモンウェルスゲームズにもオーストラリア代表として出場した。

2014年、オーストラリア国内のアマチュア・フライ級タイトルを奪取し、2014年コモンウェルスゲームズの出場権を獲得。8月29日、決勝戦でモハマド・ワシームに3-0の判定で勝利し金メダルを獲得した。この試合を最後にプロへ転向。

プロ時代[編集]

2014年10月31日、メルボルンでウィレム・マラヒナと対戦し3回1分9秒KO勝ちを収めデビュー戦を白星で飾った。

2016年3月19日、メルボルンで高橋竜平WBAオセアニアバンタム級王座決定戦を行い、10回3-0(98-92、100-90、100-91)で判定勝ちし、王座を獲得した[1]

2019年11月15日、メルボルンでエルトン・ダリーとWBA世界スーパーフライ級暫定王座決定戦を行い、8回3-0(78-74、79-73×2)の負傷判定勝ちで王座獲得に成功した。

2020年3月1日、WBAはローマン・ゴンサレスをスーパー王者に昇格し、暫定王者のモロニーをレギュラー王座に昇格した[2]

2020年6月23日、ラスベガスMGMグランド内 ザ・バブルでWBA世界スーパーフライ級12位ジョシュア・フランコと対戦し、12回0-3(113-114×2、113-115)の判定負けを喫し初防衛に失敗、王座から陥落した[3]。この試合でフランコは7万5千ドル(約800万円)、モロニーは12万5千ドル(約1300万円)のファイトマネーを稼いだ[4]

2020年7月2日、アンドリュー・モロニーが試合の契約に含まれていた再戦条項を行使することを表明した[5]

2020年11月14日、ラスベガスのMGMグランド内 ザ・バブルでWBA世界スーパーフライ級王者ジョシュア・フランコとダイレクトリマッチで再戦するも、フランコの右目付近が視界が塞がるほど酷く腫れ上がったため、3回開始直後のドクターのチェック後に、レフェリーのラッセル・モラは腫れた原因はモロニーのアクシデントヘッドバットによるものとして試合を止めたが、モロニー陣営はヘッドバットではなくモロニーのパンチによるものだと抗議、このためネバダ州アスレチック・コミッションは映像での確認作業に30分ほどかかった後にレフェリーの判断を支持し無判定試合と裁定を下した。しかしモロニー陣営は試合後に改めて裁定に不服を示して提訴を示唆するが、ネバダ州アスレチック・コミッションはさらに検証を行うと、ヘッドバットの瞬間の画像や試合中にレフェリーが何度もヘッドバットを注意していたタイムラインを公開して、レフェリーの判断を支持する決定を改めて示した[6][7][8]。モロニーとトップランクは、この結果に不服を示し11月20日にWBAへ提訴したが、12月10日にWBAはモロニーとフランコに即時の再戦を行うよう命令した[9]

2021年8月14日、WBA世界スーパーフライ級レギュラー王者ジョシュア・フランコと3戦連続で対戦し、12回0-3(112-116×3)の判定負けで王座獲得に失敗した。

2021年12月21日、オーストラリア・シドニーでフローイラン・サルダールとWBOオリエンタルスーパーフライ級王座決定戦を行ない、10回3-0(98-92、99-91、99-91) で勝利し、王座を獲得した。

2023年5月20日、ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われたデヴィン・ヘイニーワシル・ロマチェンコの前座で元WBO世界フライ級王者でWBO世界スーパーフライ級1位の中谷潤人とWBO世界スーパーフライ級王座決定戦を行い、12回に中谷の左のカウンターフックでマットに沈められ、12回2分42秒KO負けを喫し王座獲得に失敗した。

2024年5月12日、西オーストラリア州パースRACアリーナで行われるワシル・ロマチェンコジョージ・カンボソス・ジュニアの前座のWBC世界スーパーフライ級暫定王座決定戦で元WBC世界ライトフライ級王者でWBC世界同級6位のペドロ・ゲバラと対戦予定。当初はWBC世界同級暫定タイトルマッチとして暫定王者のカルロス・クアドラスに挑戦する予定だったが、クアドラスが左アキレス腱を負傷したため暫定王座を返上、ゲバラと空位の暫定王座決定戦として対戦することとなった。

戦績[編集]

  • プロボクシング:30戦 26勝 (16KO) 3敗 1無効試合
日付 勝敗 時間 内容 対戦相手 国籍 備考
1 2014年10月31日 3R 1:09 KO ウィレム・マラヒナ インドネシアの旗 インドネシア プロデビュー戦
2 2014年12月12日 1R 3:00 KO ジョナサン・リガス フィリピンの旗 フィリピン 豪-ビクトリア州バンタム級王座決定戦
3 2015年3月6日 4R 判定3-0 二ルベン・ロッティラ フィリピンの旗 フィリピン
4 2015年8月19日 6R 判定3-0 ロニー・レックス・ダロット フィリピンの旗 フィリピン
5 2015年12月18日 4R 終了 KO ロベルト・リリオ フィリピンの旗 フィリピン 豪州バンタム級タイトルマッチ
6 2016年3月19日 10R 判定3-0 高橋竜平横浜光 日本の旗 日本 WBOオセアニアバンタム級王座決定戦
7 2016年5月20日 2R 2:10 TKO リカルド・ダビド・オカンポ アルゼンチンの旗 アルゼンチン
8 2016年6月24日 8R 判定3-0 クリス・アルファンテ フィリピンの旗 フィリピン
9 2016年8月3日 1R 1:54 TKO マークイル・サルバーニャ フィリピンの旗 フィリピン
10 2016年10月8日 6R 1:32 TKO ジェザー・オリバ フィリピンの旗 フィリピン WBOオセアニア防衛1
11 2016年12月10日 4R 1:00 KO カルロス・ルーベン・ダリオ・ルイス アルゼンチンの旗 アルゼンチン WBOオセアニア防衛2
12 2017年2月3日 8R 判定3-0 レノエル・パエル フィリピンの旗 フィリピン
13 2017年6月3日 3R 2:59 KO アラミス・ソリス メキシコの旗 メキシコ WBOオセアニア防衛3
14 2017年8月19日 4R 2:42 TKO レイモンド・タブゴン フィリピンの旗 フィリピン WBAオセアニア・OPBF東洋太平洋スーパーフライ級シルバー王座決定戦
15 2017年10月21日 4R 2:03 TKO ハシム・ズベリ タンザニアの旗 タンザニア WBAオセアニア防衛1
16 2018年2月24日 12R 判定3-0 レネ・ダクエル フィリピンの旗 フィリピン OPBF東洋太平洋スーパーフライ級タイトルマッチ
WBAオセアニア防衛2
17 2018年5月19日 10R 判定3-0 リチャード・クラベラス フィリピンの旗 フィリピン WBAオセアニア防衛3
18 2018年9月8日 10R 1:53 TKO ルイス・コンセプシオン パナマの旗 パナマ WBAオセアニア防衛4
19 2019年3月22日 8R 終了 KO ミゲール・ゴンザレス  チリ WBA世界スーパーフライ級挑戦者決定戦
20 2019年6月15日 2R 1:57 TKO セレマニ・バンガイザ タンザニアの旗 タンザニア
21 2019年11月15日 8R 3:00 TKO エルトン・ダリー ガイアナの旗 ガイアナ WBA世界スーパーフライ級暫定王座決定戦→レギュラー王座に認定
22 2020年6月23日 12R 判定0-3 ジョシュア・フランコ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 WBA陥落
23 2020年11月14日 - 2R 終了 NC ジョシュア・フランコ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ
24 2021年8月14日 12R 判定0-3 ジョシュア・フランコ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ
25 2021年12月21日 10R 判定3-0 フローイラン・サルダール フィリピンの旗 フィリピン WBOオリエンタルスーパーフライ級王座決定戦
26 2022年4月9日 8R 2:29 KO ヒルベルト・メンドーサ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
27 2022年6月5日 2R 終了 TKO アレクサンデル・エスピノサ ニカラグアの旗 ニカラグア
28 2022年10月16日 10R 判定3-0 ノルベルト・ヒメネス ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国 WBOインターナショナルスーパーフライ級王座決定戦
29 2023年5月20日 12R 2:42 TKO 中谷潤人M.T 日本の旗 日本 WBO世界スーパーフライ級王座決定戦
30 2023年12月9日 10R 判定3-0 ジュディ・フローレス フィリピンの旗 フィリピン WBOグローバルスーパーフライ級王座決定戦
31 2024年5月12日 - - - ペドロ・ゲバラ メキシコの旗 メキシコ WBC世界スーパーフライ級暫定王座決定戦
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獲得タイトル[編集]

  • オーストラリアビクトリア州バンタム級王座
  • オーストラリアバンタム級王座
  • WBAオセアニアバンタム級王座
  • WBAオセアニアスーパーフライ級王座
  • OPBF東洋太平洋スーパーフライ級シルバー王座
  • コモンウェルススーパーフライ級王座
  • 第37代OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王座
  • WBA世界スーパーフライ級暫定王座(防衛0=レギュラー王座に認定)
  • WBA世界スーパーフライ級レギュラー王座(防衛0)
  • WBOオリエンタルスーパーフライ級王座
  • WBOインターナショナルスーパーフライ級王座
  • WBOグローバルスーパーフライ級王座

脚注[編集]

  1. ^ 川島翔平が韓国でOPBF8位下す、高橋竜平は豪で敗退 Boxing News(ボクシングニュース) 2016年3月20日
  2. ^ OFFICIAL RATINGS AS OF FEBRUARY Based on results held from 01st to February 29th, 2020”. WBA公式ランキング (2020年3月1日). 2020年3月18日閲覧。
  3. ^ マロニー陥落 フランコがダウン奪い3-0判定勝ち WBA・S・フライ級レギュラー王者交代 Boxing News(ボクシングニュース) 2020年6月24日
  4. ^ Dan Rafael”. Dan Rafael (2020年6月24日). 2020年6月28日閲覧。
  5. ^ Andrew Moloney to exercise rematch clause after losing belt to Joshua Franco”. ESPN.com (2020年7月3日). 2020年8月29日閲覧。
  6. ^ Andrew Moloney To File Appeal To Overturn No-Decision Ruling in Franco Rematch”. Boxing Scene.com (2020年11月16日). 2020年11月24日閲覧。
  7. ^ NSAC Head: Upon Further Review, Referee Russell Mora Was Unequivocally Correct”. Boxing Scene.com (2020年11月16日). 2020年11月24日閲覧。
  8. ^ Andrew Moloney Considering Legal Action To Have Appeal Heard Before Nevada Commission”. Boxing Scene.com (2020年1月5日). 2021年1月28日閲覧。
  9. ^ Franco vs. Moloney - WBA Orders Trilogy Fight”. Boxing Scene.com (2020年12月10日). 2021年3月18日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

前王者
レネ・ダッケル
第37代OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王者

2018年2月24日 - 2019年12月(返上)

空位
次タイトル獲得者
福永亮次
空位
前タイトル保持者
ルイス・コンセプシオン
WBA世界スーパーフライ級暫定王者

2019年11月15日 - 2020年3月1日

次暫定王者
廃止
空位
前タイトル保持者
ローマン・ゴンサレス
WBA世界スーパーフライ級王者

2020年3月1日 - 2020年6月23日

次王者
ジョシュア・フランコ