アウトロー (2012年の映画)

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アウトロー
Jack Reacher
監督 クリストファー・マッカリー
脚本 クリストファー・マッカリー
原作 リー・チャイルド
『アウトロー』
製作 トム・クルーズ
ポーラ・ワグナー
ゲイリー・レヴィンソン
ドン・グレンジャー
ケヴィン・J・メシック
デヴィッド・エリソン
デイナ・ゴールドバーグ
製作総指揮 ジェイク・マイヤーズ
ポール・シュウェイク
出演者 トム・クルーズ
ロザムンド・パイク
ロバート・デュヴァル
ヴェルナー・ヘルツォーク
リチャード・ジェンキンス
音楽 ジョー・クレイマー
撮影 キャレブ・デシャネル
編集 ケヴィン・スティット
製作会社 TCプロダクションズ
スカイダンス・プロダクションズ
配給 パラマウント映画
公開 アメリカ合衆国の旗 2012年12月21日
日本の旗 2013年2月1日
上映時間 130分[1]
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $60,000,000[2]
興行収入 世界の旗$218,340,595[2]
アメリカ合衆国の旗$80,070,736[2]
日本の旗 11.3億円[3]
次作 ジャック・リーチャー NEVER GO BACK
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アウトロー』(原題: Jack Reacher)は、リー・チャイルドの全米でベストセラーとなっているジャック・リーチャーシリーズ9作目の2005年の小説『アウトロー』(原題: One Shot)を原作とした2012年のアメリカ映画である。クリストファー・マッカリーが監督と脚本を務め、トム・クルーズが主人公のジャック・リーチャーを演じる。

あらすじ[編集]

ペンシルベニア州ピッツバーグアレゲニー川沿いのPNCパークで、たまたま歩いていた5人の市民が射殺された。地元署のエマーソン刑事らは、対岸の立体駐車場に残された薬莢や指紋から、元アメリカ陸軍ジェームズ・バーを逮捕した。罪を認めずに「ジャック・リーチャーを呼べ」と要求するバー。リーチャーは元米軍憲兵隊捜査官で、優秀な軍人だったが、退役後は放浪生活で居所は一切不明という男だった。

狙撃事件へのバーの関与をニュースで知り、ピッツバーグに現れるリーチャー。バーは護送中に他の受刑者から暴行を受け、昏睡状態で証言不可能な状態に陥っていた。その場でリーチャーは、バーの弁護士であり、地方検事ロディンの娘でもあるヘレン・ロディンと出会い、ともに事件の調査を開始する。

バーには、狙撃手として派遣されたイラン・イラク戦争中に、殺しの衝動を抑えられず、友軍の民間軍事会社のオペレーター4名を狙撃殺害した過去があった。憲兵としてバーを捕らえたリーチャーは、実は独断でバーを放免していた。殺された4人が卑劣なレイプ魔だったからだ。今回、バーの殺人衝動が甦ったのならば、リーチャーは彼の過去の罪も精算させるつもりだった。しかし、ヘレンと共に調査を進めていくうち、軍の狙撃手が行うには不合理な点が多すぎることや、リーチャーが街のチンピラから狙われるといった出来事が続き、真犯人は別にいると考え始める。

やがてリーチャーは、今回の狙撃事件の被害者の1人である女性社長が、経営する建設会社の売却の件で揉めていた事実を掴んだ。彼女の会社を狙ったリーベンダウアー社は、数々の公共事業に関り、汚職や不正工事を疑われながらも、なぜか捜査されない謎の大企業だった。無差別殺人の他の被害者は、この女性殺害計画の目くらましのために巻き添えになったという結論に達するリーチャー。

容疑者のバーに関しても、替え玉にされた可能性が浮上した。退役後も射撃にはまっていたバーは、射撃場で目を付けられ、別のスナイパーがバーのライフルで5人の狙撃を実行したのだ。

リーチャーに追い詰められていくリーベンダウアー社の手先たち。彼らによって殺人犯に仕立てられたリーチャーは、エマーソンら警察に追われる身となった。さらに犯罪組織はヘレンを拉致し、彼女を救うためリーチャーは戦いを挑む。

犯行に関わった男たちを、銃撃戦によって全滅させるリーチャー。だが、最後に残ったゼック(犯罪)と名乗る老ボスは、証拠は何もないとうそぶいた。ゼックの自供以外に、リーベンダウアー社の犯罪を暴く手段は存在せず、ゼックが事実を話す理由もない。謎の大企業との対決は棚上げとなった。リーチャーはゼックを射殺することで事件にけりを付け、自身とバーの嫌疑を晴らす後始末をヘレンに託して、姿を消した。

登場人物[編集]

ジャック・リーチャー
演 - トム・クルーズ
元米軍憲兵隊捜査官。現在は流れ者。ジェームズを逮捕した過去を持ち、そのジェームズからの連絡を受け、独自に調査をする。
ヘレン・ロディン
演 - ロザムンド・パイク
弁護士。アレックスの娘。事件に巻き込まれ、誘拐されるなどの目にあう。
アレックス・ロディン
演 - リチャード・ジェンキンス
地方検事。検事として事件を担当する。
カルヴィン・エマーソン
演 - デヴィッド・オイェロウォ
刑事。事件の取り調べを担当する。実は事件で暗躍している人物の一人。
ゼック
演 - ヴェルナー・ヘルツォーク
裏の世界のボス。
マーティン・キャッシュ
演 - ロバート・デュヴァル
ジェームズが通っていた射撃場の主人。ジャックに防犯カメラの内容を見せる。
チャーリー
演 - ジェイ・コートニー
殺し屋。レーベンダウエル社に雇われた。戦闘能力は高く、ジャックと互角に戦った。
ジェームズ・バー
演 - ジョセフ・シコラ英語版
事件の容疑者として警察に逮捕された男。元米陸軍の狙撃手で射撃の腕前は良く、ジェームズからも認められている。移送中の車内で他の受刑者から暴力を受け、意識不明の昏睡状態になる。
リンスキー
演 - マイケル・レイモンド=ジェームズ
チャーリーの手下。
サンディ
演 - アレクシア・ファスト
若い女性。ジャックに言いがかりをつける。
ジェブ
演 - ジョシュ・ヘルマン
麻薬の売人。
オライン
事件の被害者の一人。亡き夫の建設会社の売却話を断った。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹き替え
ジャック・リーチャー トム・クルーズ 森川智之
ヘレン・ロディン ロザムンド・パイク 林真里花
アレックス・ロディン リチャード・ジェンキンス 小島敏彦
カルヴィン・エマーソン デヴィッド・オイェロウォ 花田光
ゼック ヴェルナー・ヘルツォーク 大塚周夫
マーティン・キャッシュ ロバート・デュヴァル 川久保潔
チャーリー ジェイ・コートニー 岸祐二
ジェームズ・バー ジョセフ・シコラ英語版 坂本くんぺい
リンスキー マイケル・レイモンド=ジェームズ 荻沢俊彦
サンディ アレクシア・ファスト 渡辺広子
ジェブ ジョシュ・ヘルマン 西健亮
ロブ・ファリアー ジェームズ・マーティン・ケリー英語版 長克巳
ゲイリー ディラン・カスマン 佐藤芳洋
チンピラ デンヴァー・ミロード 三宅貴洋
クリシー・ファリアー ジュリア・ヨークス 的場加恵
ウェズリー スコット・A・マーティン 徳本英一郎
ナンシー・ホルト ニコール・フォレスター英語版 長尾雅世
秘書 CJ・ラミレス 山口協佳

製作[編集]

2011年7月、主役のジャック・リーチャー役としてクルーズがオファーされた[4]。リー・チャイルドは、リーチャーを演じるのにぴったりな俳優を見つけることと、原作の雰囲気を作り出すことができたと語り、クルーズにはリーチャーを印象的にする才能があるとも語った[5]。また、原作のリーチャーの体格に比べるとクルーズは小柄だが、チャイルドは「原作での体格は止められない強さのメタファーであり、それはクルーズが彼自身の方法で描いた」[6]、「別の俳優が100%体格が合っていても、リーチャーとしては90%だ。トムの場合は体格が90%でもリーチャーとしては100%だ」[7]と語った。

製作は2011年10月に開始された[8]。映画化の権利はパラマウント映画に売却された。

クルーズは、映画のカーチェイスシーンのカースタントをすべて自身で行った[9]

公開[編集]

当初、公開日は2013年2月が予定されていた[10]。しかし2012年3月、パラマウント映画はクルーズ主演の『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』が成功したことを受け、同作と同時期の2012年12月21日公開に変更した[10]。また、これにより『ワールド・ウォーZ』の公開は6ヶ月遅れた[10]

マーケティング[編集]

予告編はクルーズの誕生日である2012年7月3日に公開された[11]

続編[編集]

評価[編集]

興行収入[編集]

2013年11月5日現在、北米で8007万736ドル、その他の国で1億3826万9859ドル、全世界で合計2億1656万8266ドルを売り上げている[2]

批評家の反応[編集]

批評家からは意見が分かれる結果となった。Rotten Tomatoesでは181件のレビュー中64%が本作を支持し、平均点は6.2/10となった。サイトでは、「アウトローはトム・クルーズによるカリスマ的なパフォーマンスがある平均的な犯罪スリラー映画」と評されている[12]Metacriticでは35のレビュー中好意的なものが13で、平均点は100点満点中50点だった[13]

Blu-ray/DVD[編集]

パラマウント ジャパンNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンよりBlu-ray DiscDVDが発売。

  • Blu-ray
    • アウトロー 品番:PBH-131619 発売日:2013年11月8日 ※パラマウント
    • アウトロー [4K ULTRA HD + Blu-rayセット] 品番:PJXF-1161 発売日:2018年7月25日
    • アウトロー 品番:PJXF-1237 発売日:2019年4月24日
  • DVD
    • アウトロー 品番:PHNE-135935 発売日:2013年11月8日 ※パラマウント

脚注[編集]

  1. ^ JACK REACHER | British Board of Film Classification
  2. ^ a b c d Jack Reacher”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2013年11月5日閲覧。
  3. ^ 2013年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
  4. ^ Tom Cruise Mulling Offer to Take on Jack Reacher in 'One Shot”. The Hollywood Reporter. 2013年4月13日閲覧。
  5. ^ “Author Lee Child wins top crime award”. British Broadcasting Corporation (BBC). (2011年7月22日). http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-14246226 2013年4月13日閲覧。 
  6. ^ Fleming, Mike. “Tom Cruise Locked To Play Jack Reacher In 'One Shot' For Paramount And Skydance”. Deadline.com. 2013年4月13日閲覧。
  7. ^ Oney, Steve (A Tough Guy's Tough Road to the Screen). “A Tough Guy's Tough Road to the Screen”. The Wall Street Journal. オリジナルの2012年12月9日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/6CnWT35aE 2013年4月13日閲覧。 
  8. ^ Tom Cruise film producers sued”. BBC News (2012年2月7日). 2012年2月7日閲覧。
  9. ^ Parfitt, Orlando (2012年12月12日). “Exclusive: How on set accident proved Tom Cruise was perfect Jack Reacher”. Yahoo! Movies. 2013年4月13日閲覧。
  10. ^ a b c McClintock, Pamela (2012年3月13日). “Paramount Release Shakeup: Tom Cruise's 'One Shot' to Christmas; Brad Pitt's 'World War Z' to Summer”. The Hollywood Reporter. http://www.hollywoodreporter.com/news/paramount-release-one-shot-world-war-z-release-brad-pitt-tom-cruise-299280 2012年3月14日閲覧。 
  11. ^ Matt Goldberg (2012年7月3日). “New Trailer and Images for JACK REACHER Starring Tom Cruise”. http://collider.com/jack-reacher-trailer-images/177242/ 2012年7月19日閲覧。 
  12. ^ Jack Reacher – Rotten Tomatoes”. Rotten Tomatoes. 2013年4月27日閲覧。
  13. ^ Jack Reacher”. Metacritic. 2013年4月27日閲覧。

外部リンク[編集]