ろくろ首 (落語)

『ろくろ首』(ろくろくび)は、古典落語の演目[1]。与太郎が結婚を世話された相手がろくろ首だったことで起きる騒動を描く。
1905年(明治38年)に初代三遊亭圓左が新作落語として演じたが、万延2年(1861年)の桂松光の演目帳『風流昔噺』に記録があるため、上方落語からの移植であるとされる[1][2]。5代目柳家小さんは師匠の4代目柳家小さんが「大阪から持ってきたことになってい」ると述べている[3]。
上方での演題は上方弁による『ろくろく首』(ろくろくくび)[2][4]。宇井無愁は主人公が見合をする場面は民話の「糸引合図」からの流用であると記している[4]。
あらすじ
[編集]与太郎は伯父(あるいは隠居)に縁談を持ちかけられる。婿養子になるが、相手は資産家の娘で、器量も良いと言う。しかし、1つだけ欠点があると言い、深夜(丑三つ時)になると首が伸びるのだという。それはろくろ首じゃないかと与太郎は言いつつも、どうせ夜中なら寝てて見ないから縁談を受けると答える。
紆余曲折の末に縁談がまとまり、ついに初夜を迎える。しかし、与太郎は女房の首が気になって寝付けない。ついに深夜になって、ふと隣を見ると、事前の話通り首が伸びるところを目撃してしまう。思わず、与太郎は叫び声を上げて家を飛び出した。
与太郎は伯父の家に向かい、抗議する。しかし、伯父も、事前に話した通りじゃないかと窘め、とりあえず、一度、屋敷に帰るように言う。そこで与太郎は、せめて夏だけは養子を止めさせてほしいと頼む。なぜだと聞く伯父に与太郎は答える。
「首の出入りに蚊が入って困る」(首が蚊帳を抜けるため)
バリエーション
[編集]5代目柳家小さんによると、4代目柳家小さんは上方での「夏だけは勘弁してくれ、首の出し入れに蚊が入って困る」という落ち(サゲ)を「首を長くしている? じゃ、おふくろもろくろ首だ」というものに変えたという[3]。しかし5代目小さんはそこからさらに「じゃァ家(うち)へも帰れねえ」と改めた[3]。
また、4代目小さんとは別に大阪で覚えたという3代目桂三木助は、伯父(隠居)が与太郎に「そんなことを言わねえでお邸へ帰りな、お嬢さんが首を長くして待ってる」と話す落ちを用いた[3]。