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== 概要 ==
== 概要 ==
[[カリフォルニア州]]の[[パサデナ (カリフォルニア州)|パサデナ]]([[アメリカ航空宇宙局|NASA]]の[[ジェット推進研究所]]のある都市)を本拠とし、[[1980年]]に[[カール・セーガン]]、[[ブルース・マレイ]][[ルイ・フリードマン]]により設立された。協会は[[火星]]やその他の[[太陽系]]の探査、[[地球近傍天体]]の発見、[[地球外生命]]の探査 ([[地球外知的生命体探査|SETI]]) を目的としている。[[宇宙空間]]の商業的、軍事的利用には否定的な立場を取る。[[2006年]]現在、世界140ヶ国に10万人以上の会員が加盟する組織を有する。
[[カリフォルニア州]]の[[パサデナ (カリフォルニア州)|パサデナ]]([[アメリカ航空宇宙局|NASA]]の[[ジェット推進研究所]]のある都市)を本拠とし、[[1980年]]に[[カール・セーガン]]、{{仮リンク|ブルース・マレイ|en|Bruce C. Murray}}{{仮リンク|ルイ・フリードマン|en|Louis Friedman}}により設立された。協会は[[火星]]やその他の[[太陽系]]の探査、[[地球近傍天体]]の発見、[[地球外生命]]の探査 ([[地球外知的生命体探査|SETI]]) を目的としている。[[宇宙空間]]の商業的、軍事的利用には否定的な立場を取る。[[2006年]]現在、世界140ヶ国に10万人以上の会員が加盟する組織を有する。


会員の構成は幅広く、[[アメリカ航空宇宙局]]所属の研究者や著名な天文学者、更に一般の天文学愛好家まで幅広い。賛助会員として、法人なども運営に協力しており、世界有数の宇宙研究支援組織として活動が行われている。SETI@Homeなども、元々は、惑星協会のプロジェクトとして始まり、現在は[[全米科学財団]]の支援を受けている。また、他のプロジェクトとしては、[[マイクロソフト]]の創業者の一人である、[[ポール・アレン]]氏の支援を受けたSETIプログラムの運営などにもあたる。
会員の構成は幅広く、[[アメリカ航空宇宙局]] (NASA) 所属の研究者や著名な天文学者、更に一般の天文学愛好家まで幅広い。賛助会員として、法人なども運営に協力しており、世界有数の宇宙研究支援組織として活動が行われている。[[SETI@home]]なども、元々は、惑星協会のプロジェクトとして始まり、現在は[[全米科学財団]]の支援を受けている。また、他のプロジェクトとしては、[[マイクロソフト]]の創業者の一人である、[[ポール・アレン]]氏の支援を受けたSETIプログラムの運営などにもあたる。
<!--== 代表者 ==
<!--== 代表者 ==
* 惑星協会の会長は、ブルース・マレイ(NASA職員)、副会長はアン・ドルーヤン(ノンフィクション・ライター)。-->
* 惑星協会の会長は、ブルース・マレイ(NASA職員)、副会長はアン・ドルーヤン(ノンフィクション・ライター)。-->
== 組織 ==
== 組織 ==
各国に設けられているのは支部であるが、各国毎の運営がなされている。日本の場合には全面連携関係にあり、日本惑星協会の会員は、そのままアメリカ惑星協会の会員として登録され、各種活動に参加できることになってい。特に、NASAとの連携に強いため、NASA関連の人物や講師などによる公開講座が多く開かれる。また、[[宇宙航空研究開発機構]]の職員も、参加もしくは賛同しているため、協力関係にある。
各国に設けられているのは支部であるが、各国毎の運営がなされている。2011年まで存在した日本惑星協会の場合には全面連携関係にあり、日本惑星協会の会員は、そのままアメリカ惑星協会の会員として登録され、各種活動に参加できることになってい
特に、NASAとの連携に強いため、NASA関連の人物や講師などによる公開講座が多く開かれる。また、[[宇宙航空研究開発機構]] (JAXA) の職員も、参加もしくは賛同しているため、協力関係にある。


=== 日本惑星協会 ===
=== 日本惑星協会 ===
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==プラネタリーレポート==
==プラネタリーレポート==
プラネタリーレポート(The Planetary Report)は惑星協会の隔月の会報であり、最新の宇宙探査等に関する情報を提供している。その他には、宇宙関連の書籍の紹介や協会の活動の紹介など。また、協会の運営費に役立てるために、グッズの販売なども行われている。日本の会員に対しては、日本惑星協会による[[日本語]]訳とともに配布されている。
プラネタリーレポート (The Planetary Report) は惑星協会の隔月の会報であり、最新の宇宙探査等に関する情報を提供している。その他には、宇宙関連の書籍の紹介や協会の活動の紹介など。また、協会の運営費に役立てるために、グッズの販売なども行われている。


日本惑星協会においては[[日本語]]訳とともに配布されていた。
なお、日本語版は翻訳のため、約1回分程度の遅れが生じる場合もある。


==コスモス1==
==コスモス1==
[[ファイル:Cosmos 1 solar sail.jpg|right|thumb|200px|コスモス1]]
[[ファイル:Cosmos 1 solar sail.jpg|right|thumb|200px|コスモス1]]


{{main|コスモス1号}}
[[コスモス1号]]」は、NASA及びその支援を受けた惑星協会が開発している[[太陽帆|ソーラーセイル]]の実験機である。15mほどの三角形の帆8枚から構成されている。[[2001年]]7月に[[ロシア]]の[[ヴォルナ (ロケット)|ヴォルナロケット]]により本機のテスト機が打ち上げられ、展開試験を行う計画であったが、これはロケットの不具合により失敗に終わった。[[2005年]]6月には同ロケットにより実際に打ち上げられたが、同じくロケットの不具合により失敗した。
「コスモス1号」は、NASA及びその支援を受けた惑星協会が開発している[[太陽帆|ソーラーセイル]]の実験機である。15mほどの三角形の帆8枚から構成されている。[[2001年]]7月に[[ロシア]]の[[ヴォルナ (ロケット)|ヴォルナロケット]]により本機のテスト機が打ち上げられ、展開試験を行う計画であったが、これはロケットの不具合により失敗に終わった。[[2005年]]6月には同ロケットにより実際に打ち上げられたが、同じくロケットの不具合により失敗した。<ref>{{Cite web|url=http://www.ku-ma.or.jp/tpsj/HotTopics/topics051214_3.htm|title=惑星協会ソーラーセールの打ち上げに再挑戦|publisher=日本惑星協会|date=2005-12-14|accessdate=2012-02-02}}</ref>
惑星協会では、2011年末にも再度ソーラーセイル実験機「[[ライトセイル1号]]」を打ち上げる予定<ref>[http://www.planetary.or.jp/HotTopics/topics051214_3.htm 日本惑星協会内のコスモス1記事]</ref><ref>[http://www.planetary.org/programs/projects/solar_sailing/lightsail1.html Planetary SocietyのLightSail-1記事]</ref>。
惑星協会では、2012年にも再度ソーラーセイル実験機「[[ライトセイル1号]]」を打ち上げたいとしている<ref>{{Cite web|url=http://www.universetoday.com/89869/nasa-to-test-new-solar-sail-technology/|title=NASA to Test New Solar Sail Technology|publisher=[http://www.universetoday.com/ Universe Today]|date=2011-10-13|accessdate=2012-02-02}}</ref>。


ソーラーセイル型の宇宙船の開発計画の目的は、将来月・火星や金星などの太陽系内天体へ探査機を送る上で、省エネルギーであることがメリットであり開発が進められている。探査機の推力は、一般のロケットエンジンには及ばないが、設計や運用によってはイオンエンジン(電気推進)と同等になる可能性を秘めている。そのため、小さなカメラや測定機器を積んで、月・火星・金星・水星・小惑星などへの探査計画への応用が期待されている。
ソーラーセイル型の宇宙船の開発計画の目的は、将来[[]][[火星]][[金星]]などの太陽系内天体へ探査機を送る上で、省エネルギーであることがメリットであり開発が進められている。探査機の推力は、一般の[[ロケットエンジン]]には及ばないが、設計や運用によっては[[イオンエンジン]](電気推進)と同等になる可能性を秘めている。そのため、小さなカメラや測定機器を積んで、月・火星・金星・水星・小惑星などへの探査計画への応用が期待されている。


今後の打ち上げプログラムに関しては、他の衛星と一緒に打ち上げる方式での検討が行われていて、[[国際アマチュア無線連合]]が打ち上げた[[アマチュア衛星#オスカー|オスカー衛星]]のように[[ピギーバック衛星]]になる予定。この際の衛星運用等については、現在も検討が進められており、ソーラーセイルというシステムの仕組み上、太陽活動が活発な時期に打ち上げることが計画されている。衛星運用に関しては、その衛星が発する電波周波数やフォーマット等を公開して、全世界のアマチュア無線家の協力を得て、追跡管制が行えないかという検討が行われている。
今後の打ち上げプログラムに関しては、他の衛星と一緒に打ち上げる方式での検討が行われていて、[[国際アマチュア無線連合]]が打ち上げた[[アマチュア衛星#オスカー|オスカー衛星]]のように[[ピギーバック衛星]]になる予定。この際の衛星運用等については、現在も検討が進められており、ソーラーセイルというシステムの仕組み上、太陽活動が活発な時期に打ち上げることが計画されている。衛星運用に関しては、その衛星が発する電波周波数やフォーマット等を公開して、全世界のアマチュア無線家の協力を得て、追跡管制が行えないかという検討が行われている。


== その他 ==
== その他 ==
惑星協会のホームページでは、WEBラジオ技術を用いた宇宙探査やSETIに関する解説なども実施。
惑星協会のホームページでは、WEBラジオ技術を用いた宇宙探査やSETIに関する解説なども実施している


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[アメリカ航空宇宙局]]
* [[宇宙航空研究開発機構]]
* [[SETI]]
* [[SETI]]
* [[太陽帆]] - [[コスモス1号]]
* [[太陽帆]] - [[コスモス1号]]


==外部リンク==
==外部リンク==
*[http://planetary.org/ 惑星協会](英語)
*[http://planetary.org/ 惑星協会] {{ref-en}}
*[http://www.planetary.or.jp/ 日本惑星協会]
*[http://www.ku-ma.or.jp/tpsj/ 日本惑星協会跡地]


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2012年2月2日 (木) 04:49時点における版

惑星協会の創立メンバー

惑星協会(わくせいきょうかい、: The Planetary Society)は、天文学の多くの研究プロジェクトと関係を持つ、国際的なNPO

概要

カリフォルニア州パサデナNASAジェット推進研究所のある都市)を本拠とし、1980年カール・セーガンブルース・マレイ英語版ルイ・フリードマン英語版により設立された。協会は火星やその他の太陽系の探査、地球近傍天体の発見、地球外生命の探査 (SETI) を目的としている。宇宙空間の商業的、軍事的利用には否定的な立場を取る。2006年現在、世界140ヶ国に10万人以上の会員が加盟する組織を有する。

会員の構成は幅広く、アメリカ航空宇宙局 (NASA) 所属の研究者や著名な天文学者、更に一般の天文学愛好家まで幅広い。賛助会員として、法人なども運営に協力しており、世界有数の宇宙研究支援組織として活動が行われている。SETI@homeなども、元々は、惑星協会のプロジェクトとして始まり、現在は全米科学財団の支援を受けている。また、他のプロジェクトとしては、マイクロソフトの創業者の一人である、ポール・アレン氏の支援を受けたSETIプログラムの運営などにもあたる。

組織

各国に設けられているのは支部であるが、各国毎の運営がなされている。2011年まで存在した日本惑星協会の場合には全面連携関係にあり、日本惑星協会の会員は、そのままアメリカ惑星協会の会員として登録され、各種活動に参加できることになっていた。

特に、NASAとの連携に強いため、NASA関連の人物や講師などによる公開講座が多く開かれる。また、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の職員も、参加もしくは賛同しているため、協力関係にある。

日本惑星協会

1999年に日本惑星協会が設立された[1]。太陽系を中心とする宇宙開発の啓蒙活動に取り組んできたが、関係者の高齢化が進み、2011年7月20日に最後のメールマガジンを配信して解散した[1]。会員は約350人で、解散時のメールマガジンの読者は約1万人に達していた[1]

日本の小惑星探査機「はやぶさ」ミッションでは、はやぶさのターゲットマーカーに名前を乗せる「星の王子さまに会いに行きませんか」キャンペーンを行い、約88万人の応募を集めた[1]

プラネタリーレポート

プラネタリーレポート (The Planetary Report) は惑星協会の隔月の会報であり、最新の宇宙探査等に関する情報を提供している。その他には、宇宙関連の書籍の紹介や協会の活動の紹介など。また、協会の運営費に役立てるために、グッズの販売なども行われている。

日本惑星協会においては日本語訳とともに配布されていた。

コスモス1

コスモス1

「コスモス1号」は、NASA及びその支援を受けた惑星協会が開発しているソーラーセイルの実験機である。15mほどの三角形の帆8枚から構成されている。2001年7月にロシアヴォルナロケットにより本機のテスト機が打ち上げられ、展開試験を行う計画であったが、これはロケットの不具合により失敗に終わった。2005年6月には同ロケットにより実際に打ち上げられたが、同じくロケットの不具合により失敗した。[2] 惑星協会では、2012年にも再度ソーラーセイル実験機「ライトセイル1号」を打ち上げたいとしている[3]

ソーラーセイル型の宇宙船の開発計画の目的は、将来火星金星などの太陽系内天体へ探査機を送る上で、省エネルギーであることがメリットであり開発が進められている。探査機の推力は、一般のロケットエンジンには及ばないが、設計や運用によってはイオンエンジン(電気推進)と同等になる可能性を秘めている。そのため、小さなカメラや測定機器を積んで、月・火星・金星・水星・小惑星などへの探査計画への応用が期待されている。

今後の打ち上げプログラムに関しては、他の衛星と一緒に打ち上げる方式での検討が行われていて、国際アマチュア無線連合が打ち上げたオスカー衛星のようにピギーバック衛星になる予定。この際の衛星運用等については、現在も検討が進められており、ソーラーセイルというシステムの仕組み上、太陽活動が活発な時期に打ち上げることが計画されている。衛星運用に関しては、その衛星が発する電波周波数やフォーマット等を公開して、全世界のアマチュア無線家の協力を得て、追跡管制が行えないかという検討が行われている。

その他

惑星協会のホームページでは、WEBラジオ技術を用いた宇宙探査やSETIに関する解説なども実施している。

脚注

  1. ^ a b c d “日本惑星協会:12年の歴史に幕 セーガン博士ゆかり”. 毎日新聞社. http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110723k0000e040060000c.html 2011年7月23日閲覧。 
  2. ^ 惑星協会ソーラーセールの打ち上げに再挑戦”. 日本惑星協会 (2005年12月14日). 2012年2月2日閲覧。
  3. ^ NASA to Test New Solar Sail Technology”. Universe Today (2011年10月13日). 2012年2月2日閲覧。

関連項目

外部リンク