高層雲
高層雲 | |
略記号 | As |
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雲形記号 | 、または |
類 | 高層雲 |
高度 | (中緯度地域で)小規模の雲は2,000~7,000、最大で約13,000 m |
階級 | 中層雲 |
特徴 | ベール状、層状、灰色の影がある |
降水の有無 | あり(広い範囲に雨や雪を降らせる) |
高層雲(こうそううん)は雲の一種。灰色のベール状あるいは層状の雲で、空の広範囲を覆うことが多い。朧(おぼろ)雲ともいう。
基本雲形(十種雲形)の一つ。ラテン語学術名はaltus(アルト、高い)とstratus(ストラタス、層雲)を合成したaltostratus(アルトストラタス)で、略号はAs。
高度2~7km程度に浮かぶ。空全体を一様に覆うことが多く、大抵の場合はすりガラスを通した感じのぼんやりと霞んで見える程度である。これが、太陽が眩しいほど見える巻層雲との大きな違いで、区分の基準にもなっている。高層雲が厚くなると、日中でも周囲が薄暗くなり、影が見えにくくなる。
高層雲を構成する粒は、ほとんどが水滴(多くの場合過冷却)である。氷晶は、含まれていても少ないうえ、成長していて光の通り方が複雑化するため、太陽や月などにかかる暈は、高層雲では発生しない。
かすんだ月は白銅色、銀色、金色、黄色などと表現される色をしており、日本ではこういった月が出る夜は朧月夜と呼ばれ、親しまれている。朧月夜は春の季語。
高層雲はぼんやりとして空との境界がぼやけており、ほかの雲に比べて形があまり明瞭に現れない。そのため、雲種が存在しないが、塊状、波状、帯状の形を現すこともある。
温暖前線や低気圧が近づいている場合、巻雲や巻積雲に続いて出現する雲である。高層雲が次第に厚みを増して灰色が濃くなってくると、雲の下部が形を現し始め、乱層雲へと変わってくる。このころから雨や雪などの本格的な降水が見られ始める。ただし、雪や霙、小雨などの場合は高層雲のできはじめの段階から降水があることが多い。
航空機などが高層雲の中を通った場合、過冷却の水滴が機体に付着して凍る着氷が発生し、運行に障害をもたらすことがある。
雲形分類上は中層雲で、高度2,000~7,000m付近にある雲とされていたが、気象衛星の観測などによりもっと上空までつながっている場合が多いことが判明した。
高層雲から派生する雲形
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出典
- 高層雲 バイオウェザー お天気豆知識