関西人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

関西人(かんさいじん)は、関西近畿地方)在住、関西にルーツがある、あるいは出身の人。蔑称は贅六(ぜいろく)[1]。俗に言う関西地方は東京関東地方との違いによって特に文芸やメディアによく取り上げられ、以下のようなステレオタイプが形成されている。

ステレオタイプな関西人像[編集]

ステレオタイプな関西人の特徴には以下のようなものがあるが、その多くは偏見である。大阪弁#役割語としての大阪弁も参照。

  • 食通、食いしん坊[2]
    • こなもん好きで、たこ焼きお好み焼きを好んで食べる。
      • なお、1世帯当たりの年間小麦粉購入数量や小麦粉購入金額が日本一の都市は、西日本の都市ではなく、長野市と前橋市である(2009年度)[3]
  • 派手好き[2]
    • 女性(特に中年女性)のアニマル柄ファッション、飴ちゃんの愛好
      • 実際にはアニマル柄ファッションの着用率は東京圏と阪神圏で大差はないが、阪神圏ではコートやスパッツなど目立つ部分にアニマル柄を取り入れる人が多いため、東京圏よりもアニマル柄の人が多いように感じられるのだという[4]

ステレオタイプに翻弄される東京在住関西人の心情を歌にした種浦マサオの「関西人 in Tokyo」(「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」(スティング)のカバー)では、大阪出身でなくてもステレオタイプ的な大阪出身者で括られる、巨人ファンでも阪神ファンで括られる、しゃべりに自信がなくても面白い人で括られる、などの悲哀を歌っている[5]

近代以前[編集]

現在のステレオタイプな関西人像の多くは、直接的には江戸時代における上方江戸の町人文化の対比に端を発し、江戸時代後期には相当完成されていたと金水は分析している[2]。 ただし、当時は上方者に対して「怖い」というイメージはなく、喧嘩っ早い江戸っ子に比べて、むしろ気が長くて柔弱であるとされていた[2]戦国時代の風俗・人情を記した地誌『人国記』では、洗練で雅やかであり、世渡り上手であると評している。 一方で、誑かしで欲心深いとも評しているが、この性質は関東人にも当てはまると記されている[6]。 また、人国記は日本各地の令制国に対して毒舌であり、好意的に評価された国が少ないことにも注意する必要がある。

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 青二才を意味する言葉「才六(さいろく)」の江戸訛り。「贅六」は当て字。上方出身者に対する江戸における蔑称として江戸時代から使われ始め、現在では放送問題用語となっている。
  2. ^ a b c d 金水 (2003)、82-90頁。
  3. ^ 日本一■小麦粉の購入量 (長野市) その理由は?、長野県、2010年03月16日配信、2012年10月1日閲覧。
  4. ^ アニマルファッション東阪一致!?か?生活総研ONLINE、2005年04月19日配信、2012年10月26日閲覧。
  5. ^ 種浦マサオ、スティングの名曲を関西弁で笑撃カヴァー!BARKS、2007年6月25日配信、2012年11月22日閲覧。
  6. ^ 現代なら炎上必至!日本各地のお国柄をまとめた「六十六州人国記」が毒舌すぎる【東北&関東甲信越編】、2020年10月16日閲覧。

関連項目[編集]

  • 県民性
  • 関西ローカル
  • 関西弁 - 関西共通語
  • 「またも負けたか8連隊、それでは勲章9連隊」:かつて「大阪の兵隊は弱い」というステレオタイプ・偏見があった。実際には、8連隊の場合、山岳戦等における強さには定評があったとされ、実際に明治天皇より日本軍では唯一詔勅を賜るという偉業をなしてもいる。