鎌倉シネマワールド

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鎌倉シネマワールド
Kamakura Cinema World
施設情報
テーマ 映画
管理運営 松竹株式会社
面積 27,569m²
開園 1995年10月10日
閉園 1998年12月15日
所在地 神奈川県鎌倉市大船6丁目1-1
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鎌倉シネマワールド
情報
設計者 M・D建築設計事務所
施工 大成建設、井上工業、大林組西松建設
共同企業体
建築主 松竹
構造形式 鉄骨構造
敷地面積 23,389.68 m²
建築面積 13,270.08 m²
延床面積 27,568.8 m²
階数 地上2階地下2階塔屋2階
着工 1994年6月
竣工 1995年8月
所在地 神奈川県鎌倉市大船6-1-1
備考 解体済み。
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鎌倉シネマワールド(かまくらシネマワールド)は、かつて神奈川県鎌倉市大船にあった映画テーマパークであり、松竹が運営していた。

概要

3階建てで延べ約28,000平方メートル。

  • 1Fは「日本映画ゾーン」。『男はつらいよ』のセットを実物大やミニチュアで再現。他にも時代劇の町並みや、松竹映画の資料館、歩行型および3Dサウンドシステム採用型の2種類のお化け屋敷などのアトラクションがあった。
  • 2Fは「アメリカンシネマゾーン」。黄金期の古き佳きハリウッドの町並みを再現していた。フロアには、SFX(ブルーバック合成)をリアルタイムで体験できるアトラクション「シネマ・スタジオ」をはじめ、ライド型アトラクション「ファンタジックシネマライド」、キャラクターグッズショップなどがあった。エントランスを抜けると、この2Fフロアに入ってくる設計となっていた。
  • 3Fは「フューチャーゾーン」。未来宇宙世界をテーマとした宇宙ステーションを再現していた。ライド型アトラクション「アドベンチャーフライト」や、宇宙人型ロボットによるショー「スペーススタジオ」などがあった。また、このゾーンには、日本マクドナルドも未来宇宙をテーマとした店舗を出店していた。
  • RFは「キッズランド」。『トムとジェリー』といったアメリカンアニメのキャラクターを中心としたお遊び広場。オープン半年後に、なぜかミニシアターがオープン(有料)。撮影所の試写室よりも設備がいいと評判だったという。

1995年の開園前後に松竹から販売されたビデオソフトには、シネマワールドの紹介CMや撮り下ろしのコーナーが収録されているものもある。それらには当時松竹の看板女優だった羽田美智子が出演している。松竹系映画館でも、予告前に羽田が「行こうよ! 鎌倉シネマワールド!」とカメラ目線で呼びかけながら施設内を行くコマーシャルを頻繁に上映していた。

歴史

松竹創立100周年記念事業として松竹大船撮影所の敷地内に建てられ、1995年10月10日にオープンした。総事業費は150億円。“永遠に完成されることのないワールド”として、建築確認申請にあたっては、将来の改装・改造を前提にセットとして許可を得ていた。

しかし、オープンから2年目(1996年)以降は、『男はつらいよ』主演の渥美清死去もあり、入場者数は激減。1998年2月期の決算では16億円もの巨額な赤字を出し、営業も困難なため1998年12月15日に閉鎖された。

その後

『男はつらいよ』のオープンセットの一部は東京都葛飾区柴又にある『葛飾柴又寅さん記念館』に移設、展示されている。

2003年、跡地を鎌倉女子大学が取得。近隣の岩瀬キャンパスから大学と短期大学部を移転させ、同校の大船キャンパスとなっている。キャンパスの一部に、シネマワールド時代の看板が残されていたが、2010年代に保存のため撤去された。

参考文献

  • “作品・鎌倉シネマワールド”. 近代建築1995年12月号. 近代建築社. pp. 61-68 

外部リンク