メモリースポーツ

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机に並べられたトランプ

記憶力大会(きおくりょくたいかい)は、記憶した能力を披露し競うことをテーマとした競技会である。

概要

イギリス発祥の競技会で、1991年から毎年「世界記憶力選手権(ワールド・メモリー・チャンピオンシップ)」が開催されている。3日間で10種目の競技を行い記憶力世界一の座を争う。

日本でも2005年から奈良県大和郡山市で「記憶力日本選手権大会」が開催されており、1日で5種目の競技を行い記憶力日本一の座を争う。

その他、ドイツアメリカオーストラリアなど数多くの国で国内大会が開催されている。

世界記憶力選手権

世界記憶力選手権World Memory Championships)は、1991年にトニー・ブザンチェスグランドマスターであるレイモンド・キーンが創設した、人間の記憶技術の向上をテーマとした世界競技大会。

競技10種目

名称(英語) 名称(日本語) 時間・量 世界記録 世界記録保持者
One Hour Number 1時間で数字を記憶 1時間 2660桁 中華人民共和国の旗 ワン・フェン
Speed Number 5分で数字を記憶 5分 500桁 中華人民共和国の旗 ワン・フェン
Spoken Number 英語で読み上げられる数字を聞いて記憶 200,300,400桁 300桁 中華人民共和国の旗 ワン・フェン
Binary Numbers 二進法の0と1の数字の並びを記憶 30分 4140桁 イギリスの旗 ベン・プリッドモア
One Hour Cards できるだけ多くのトランプの並びを記憶 1時間 1456枚 イギリスの旗 ベン・プリッドモア
Random Words 単語の羅列を記憶 15分 300語 ドイツの旗 Simon Reinhard
Names and Faces 顔写真と名前を記憶 15分 164枚 ドイツの旗 Simon Reinhard
Historic Dates 架空の歴史の出来事と年を記憶 15分 132個 ドイツの旗 Johannes Mallow
Abstract Images 抽象的な図形を記憶 15分 385個 ドイツの旗 Johannes Mallow
Speed Cards トランプ一組の並びをできるだけ速く記憶 1組 21.19秒 ドイツの旗 Simon Reinhard

世界記録は2011年現在。

歴代優勝者

最多の8回優勝ドミニク・オブライエン(右)
開催地 優勝者
1991 イギリスの旗 ロンドン イギリスの旗 ドミニク・オブライエン
1992 イギリスの旗 ロンドン イギリスの旗 ドミニク・オブライエン
1993 (不開催)
1994 イギリスの旗 ロンドン イギリスの旗 ジョナサン・ハンコック
1995 イギリスの旗 ロンドン イギリスの旗 ドミニク・オブライエン
1996 イギリスの旗 ロンドン イギリスの旗 ドミニク・オブライエン
1997 イギリスの旗 ロンドン イギリスの旗 ドミニク・オブライエン
1998 イギリスの旗 ロンドン イギリスの旗 アンディ・ベル
1999 イギリスの旗 ロンドン イギリスの旗 ドミニク・オブライエン
2000 イギリスの旗 ロンドン イギリスの旗 ドミニク・オブライエン
2001 イギリスの旗 ロンドン イギリスの旗 ドミニク・オブライエン
2002 イギリスの旗 ロンドン イギリスの旗 アンディ・ベル
2003 マレーシアの旗 クアラルンプール イギリスの旗 アンディ・ベル
2004 イギリスの旗 マンチェスター イギリスの旗 ベン・プリッドモア
2005 イギリスの旗 オックスフォード ドイツの旗 クレメンス・マイヤー
2006 イギリスの旗 ロンドン ドイツの旗 クレメンス・マイヤー
2007 バーレーンの旗 バーレーン ドイツの旗 グンター・カールステン
2008 バーレーンの旗 バーレーン イギリスの旗 ベン・プリッドモア
2009 イギリスの旗 ロンドン イギリスの旗 ベン・プリッドモア
2010 中華人民共和国の旗 広州 中華人民共和国の旗 ワン・フェン

日本の大会

記憶力大会

奈良県大和郡山市で開催される。町おこしを目的としたイベント。「自慢の部」、「競技の部」、「記憶力日本選手権大会」の3部門で構成される。

自慢の部
円周率路線名時事問題乗り物・物の名前など、物事の大量な情報の記憶を、披露するマニアック的な部門。
競技の部
子供からお年寄りまで誰でも参加でき、暗記しクイズ形式で解答する、一般競技の部門。
記憶力日本選手権大会
記憶力世界選手権を模倣して作られた大会。記憶力世界選手権のルールを参考にし、日本一の記憶能力者の称号を争う。世界選手権と日本選手権は組織が全く異なるため、日本選手権で優勝すると世界選手権の出場参加資格がもらえるということではない。(世界選手権に出場するには別途手続きが必要。)

日本国内ルール

記憶力世界選手権大会公式ルールに準じる。

競技5種目

記憶力世界選手権大会の10種目より5種目を抜粋。

「顔と名前」
ルール:15分間で暗記し、30分間で解答する。
99人分の人物の顔写真を記憶する。
「スピードカード」
ルール:5分間で暗記し10分間で解答する。
シャッフルしたトランプの順番を記憶する。
「無作為の単語」
ルール:15分間で暗記し、30分間で解答する。
10個のランダム単語の組合せを20セット、合計200個の単語を記憶する。
「数字記憶」
ルール:15分間で暗記し、30分間で解答する。
10個のランダムな数字(0から9)の順番を25セット、合計250個の数字を記憶する。
「短文記憶」
ルール:15分間で暗記し、30分間で解答する。
100行から構成される文章を、句読点や空白全てを含む文章を一字一句記憶する。

国内チャンピオン

メディア

ワンダー×ワンダー
NHK、2010年2月6日、2011年2月12日[1]
2010年2月には第18回ロンドン大会の模様を、2011年2月には第19回中国大会の模様を放送した。

外部リンク