西村孝次
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西村 孝次(にしむら こうじ、1907年11月17日 - 2004年6月29日)は、日本の英文学者、文芸評論家、元明治大学教授。小林秀雄の従弟。弟の西村貞二は西洋史学者で東北大学教授を務めた。プロサッカー選手西村卓朗は、孫。
来歴
京都市で400年続いた仏書店に13代西村重右衛門の長男に生まれる。家業を継ぐはずだったが1923年店が破産。進路に迷っていた時京都へ来た小林秀雄から文学の道を勧められる。1925年京都府立第一商業学校卒、29年関西学院英文科卒、学費のため一年半ゼネラルモーターズに勤め、1934年東北帝国大学法文学部英文科卒、創元社の原稿閲読者などを務める。[1]、1939年、中村光夫、吉田健一、山本健吉らと同人誌『批評』を始める。英文学の翻訳、文芸評論などを書く。戦後は鎌倉文庫嘱託をへて、1949年から明治大学教授、78年定年退職。1962年「一八世紀初期イギリスにおける文学と政治の問題 スウィフトを中心として」で東北大学文学博士。1980年代、オスカー・ワイルド全集個人全訳を成し遂げた。北米ロレンス協会名誉会員。日本ワイルド協会名誉顧問。
著書
- 『批評と信仰』文林堂双魚房 1943
- 『言語と文化』目黒書店 1946
- 『現代文芸論』壮文社 1948
- 『文学の裏窓』鱒書房 1955
- 『ヘミングウェイ』日本書房 1960
- 『生活作法』紀元社 1961
- 『ロレンスの世界 現代の証人として』中公新書、1970
- 『休み時間の英文学』青土社 1981
- 『わが従兄・小林秀雄』筑摩書房 1995
- 『魅惑の女 ひとつのイギリス近代史』研究社、1996
- 共著
- 『アメリカ文学の形成』志賀勝,荒川竜彦共著 世界文化社, 1948
翻訳
- エドガ・アラン・ポウ『ユウレカ』山本書店 1935
- オスカー・ワイルド『ドレアン・グレイの画像』岩波文庫 1936
- ジョン・ミドルトン・マリ『ドストイェフスキイ 作品と生涯』文学界社 1936
- D.H.ロレンス『翼ある蛇』三笠書房 1936 のち新潮文庫
- オールダス・ハクスレイ『思想の遍歴』創元社 1938
- オルダス・ハクスレイ『ガザに盲ひて』新潮社 1940
- クライヴ・ベル『文明論』青木書店 1940
- ワイルド『芸術論』筑摩書房 1941
- ステイヴンソン『宝島』角川文庫 1949
- J.B.プリーストリイ『自由な考え方』朝日新聞社 1953
- ラッディヤド・キップリング『ジャングル・ブック』創元社、1953
- ワイルド『サロメ・ウィンダミア夫人の扇』新潮文庫 1953
- ワイルド『幸福な王子・夜鶯と薔薇』新潮文庫 1953
- 『獄中記 ワイルド選集 第5巻』創元文庫 1953
- スティーヴンソン『バラントレイ卿』角川文庫 1954
- リチャード・オルディントン『天才の肖像 D.H.ロレンスの生涯と作品』大日本雄弁会講談社 1954
- ウィリアム・サマセット・モーム『手紙』角川文庫 1956
- モーム『東洋航路』角川文庫 1957
- モーム『雨』角川文庫 1958
- D.H.ロレンス『侵入者』八潮出版社 1964
- D.H.ロレンス『チャタリー卿夫人の恋人』八潮出版社 1965
- マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒険』ポプラ社 1968
- スチブンスン『ジーキル博士とハイド氏』あかね書房 1971
- 『オスカー・ワイルド全集』全6巻 青土社 1980-89
- 『乾し草小屋の恋 ロレンス短編集』福武文庫 1992