第十三号型駆潜艇
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第一三号型駆潜艇 | |
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艦級概観 | |
艦種 | 駆潜艇 |
艦名 | |
前級 | 第四号型駆潜艇 |
次級 | 第二八号型駆潜艇 |
要目(計画竣工時) | |
排水量 | 基準:438英トン |
全長 | 51.0m |
全幅 | 6.70m |
吃水 | 2.75m |
機関 | 艦本式23号8型ディーゼル 2基 2軸 1,700馬力 |
速力 | 16.0ノット |
航続距離 | 14ノットで2,000海里 |
燃料 | 重油16トン |
乗員 | 68名 |
兵装 | 四〇口径三年式八糎高角砲1基 25mm単装機銃3挺(1944年以降) 13mm機銃連装1基 94式爆雷投射機2基 爆雷投下軌条1基(のち2基) 爆雷36個 |
レーダー | 二号二型電探1基(1944年以降) |
ソナー | 九三式水中聴音機1基 九三式探信儀ないしは三式探信儀1基 |
同型艦 | 15隻 |
第一三号型駆潜艇は大日本帝国海軍が運用していた駆潜艇の艇級。15隻が建造され、太平洋戦争によって9隻が失われた。
概要
1939年(昭和14年)のマル4計画で4隻の建造が計画され、翌年11隻の追加建造が決まった。就役開始は1940年(昭和15年)からである。沿岸防備を目的として建造されたため、排水量は少なく外洋向けの船ではなかったが、太平洋戦争の勃発に伴う護衛艦艇の不足によって,外洋を航行する船舶の護衛任務も行うこととなった。対空装備は貧弱で、計画時は高角砲1門と13mm連装機銃1基のみである。後に、25mm機銃などの増設が行われたものの、喪失艇のほとんどは航空攻撃によって失われている。武装は、防盾なしの高角砲を前甲板に配置し、後部甲板は爆雷装備となっている。
第二八号型駆潜艇は本艇の艦尾形状を変更し、また量産に適するよう簡略化したものである。
開戦後の兵装
各艦によって若干の違いがあるが、1944年(昭和19年)8月の第18号駆潜艇を例にすると艦橋前方と煙突前方に25mm単装機銃が合計3挺増備された。また探照燈が前方に移設され、その位置に22号電探1基が装備された。対潜兵装としては九四式爆雷投射機2基が推定されている[1]。また開戦時より各艦には舷外電路が装備されていた。
同型艇
- 第一三号駆潜艇:1940年7月15日竣工(鶴見)。1943年4月3日、岩手県沖にてアメリカ潜水艦ピカーレル(SS-177)の雷撃により喪失。
- 第一四号駆潜艇:1941年3月31日竣工(三井)。1945年7月28日、三重県尾鷲市にて、アメリカ艦載機の攻撃を受け大破。
- 第一五号駆潜艇:1941年3月31日竣工(日立桜島)。終戦時、横須賀所在。1948年解体。
- 第一六号駆潜艇:1941年4月5日竣工(鶴見)。1944年7月4日、父島にてアメリカ艦載機の攻撃を受け喪失。
- 第一七号駆潜艇:1941年7月31日竣工(石川島)。1945年4月28日、五島列島にてアメリカ潜水艦スプリンガー(SS-414)の雷撃により喪失。
- 第一八号駆潜艇:1941年7月31日竣工(鶴見)。1944年12月30日、ルソン島にてアメリカ艦載機の攻撃を受け喪失。
- 第一九号駆潜艇:1941年9月20日竣工(播磨)。終戦時、呉所在。1948年解体。
- 第二〇号駆潜艇:1941年8月20日竣工(三井)。終戦時、呉所在。1948年解体。
- 第二一号駆潜艇:1941年8月20日竣工(日立桜島)。終戦時、舞鶴所在。復員輸送に従事。1947年イギリスに引渡した後、解体。
- 第二二号駆潜艇:1941年10月12日竣工(横浜)。1944年2月19日、ニューアイルランド島にてアメリカ軍機の攻撃を受け喪失。
- 第二三号駆潜艇:1941年11月15日竣工(播磨)。終戦時、青島所在。1948年解体。
- 第二四号駆潜艇:1941年12月20日竣工(日立桜島)。1944年2月17日、トラック島にてアメリカ駆逐艦バーンズ(DD-588)の砲撃を受け喪失。
- 第二五号駆潜艇:1941年12月29日竣工(横浜)。1942年7月15日、キスカ島にてアメリカ潜水艦グラニオン(SS-216)の雷撃により喪失。
- 第二六号駆潜艇:1941年12月20日竣工(鶴見)。1945年7月30日、朝鮮半島南部にて、アメリカ艦載機の攻撃を受け大破。
- 第二七号駆潜艇:1942年1月28日竣工(石川島)。1942年7月15日、キスカ島にてアメリカ潜水艦グラニオンの雷撃により喪失。
参考文献
- 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第13巻 小艦艇I』(光人社、1990年)ISBN 4-7698-0463-6
- 日本造船学会『昭和造船史 第1巻』第3刷(原書房、1981年)ISBN 4-562-00302-2
- 世界の艦船1996年2月号増刊『日本海軍護衛艦艇史』(海人社、1996年)ISBN 4-905551-55-2
脚注
- ^ 福井静夫「あ号作戦後の兵装増備の状況調査」『福井静夫著作集第10巻 日本補助艦艇物語』光人社、1993年。 ISBN 4-7698-0658-2 370ページ。