砂丘 (映画)
砂丘 | |
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Zabriskie Point | |
監督 | ミケランジェロ・アントニオーニ |
脚本 |
サム・シェパード フレッド・ガードナー トニオ・グエッラ |
製作 | カルロ・ポンティ |
製作総指揮 | ハリソン・スター |
音楽 | ピンク・フロイド |
撮影 | アンフィオ・コンチーニ |
配給 | MGM |
公開 |
1970年 1970年4月25日 |
上映時間 | 112分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
『砂丘』(さきゅう、英語: Zabriskie Point, 「ザブリスキー点」の意)は、1970年(昭和45年)製作・公開、ミケランジェロ・アントニオーニ監督のアメリカ合衆国の映画である。
キャスト
- マーク・フレチェット (en:Mark Frechette)
- ダリア・ハルプリン (en:Daria Halprin)
- ポール・フィックス (en:Paul Fix)
- ロッド・テイラー (en:Rod Taylor)
- ハリソン・フォード (ノンクレジット)
概要
アントニオーニが前作の『欲望』から約3年後に監督した作品であり、彼にとって初のアメリカ映画でもある。
前作では60年代ロンドンの若者のカルチャーを不条理に描いたが、本作では60年代アメリカをヒッピー文化、フリーセックス、大量消費、学生運動、銃社会などを通してやはり不条理に描いているのが特徴。ラストの爆破シーンは多くの作品に影響を与えた。
なお、原題の「ザブリスキー・ポイント」とは、映画の舞台の一部であるデスヴァレーにある丘陵の一地点の名称。詳細はZabriskie Pointを参照の事。
あらすじ
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
舞台は学生運動の盛んなロス。ヒッピー風の若者たちはキャンパスを占拠し、銃撃戦になる。そのうちの一人の青年はキャンパスを抜け出して、セスナ機を盗み、砂丘の上空を飛ぶ。そこで、ドライブ中の若い女性に出会う。砂丘で話を続けているうち、二人は愛し合う。同時に、砂丘では何組ものカップルが砂にまみれながら乱交する(これは幻覚かも知れない)。二人はセスナをペインティングした後別れ、青年はそれに乗って空港に戻る。空港で青年のほうは警官に発砲され、死ぬ。女性は秘書として土地開発を考えている上司らがいる砂漠の邸宅に行くが、彼女は何かに取り憑かれたように、上司に帰宅を告げぬまま邸宅を離れる。彼女が車を走らせると、激しい爆発音がして邸宅は家財道具もろとも爆破されていく。その映像が様々な角度から映し出される。その後にさまざまな物が爆破されていく映像が、ハードロックをバックに、スローモーションで映し出される。女性はそれを見守ると、夕日の中、車を走らせる。黒味に長い間サントラが流れた後、映画は幕を閉じる。
音楽
基本のクレジットはピンク・フロイドとなっているが、実際にはピンク・フロイドの曲は「若者の鼓動(Heart Beat, Pig Meat)」「崩れゆく大地(Crumbling Land (song))」「51号の幻想(Careful with That Axe, Eugene)」の3曲のみであり、その他はグレイトフル・デッド、パティ・ペイジ、カレイド・スコープ(Kaleidoscope (US band))、ヤング・ブラッズ(The Youngbloods)等の曲が使用されている。
ピンク・フロイドは1969年の12月に10日間ローマに滞在し、本作に使用する楽曲を作っている。上記の3曲以外にも曲のアイディアをアントニオーニに提示しているが、それらは採用されなかった[1]。なお、ロジャー・ウォーターズはこの時のスタジオ作業について「(スケジュールの厳しさとアントニオーニによる独特の注文方法の為)地獄だった」と述べており、またニック・メイスンは公開された同作品を見た後「アントニオーニの音楽の使い方はイモ。最悪だ」というコメントを残している[2]。
同映画の公開と同時期である1970年2月にサウンドトラック・アルバムとして発売されている。詳細はZabriskie Point (album)を参照の事。