王氏
王氏(おうし、わんし)は
- 中国などにおける氏族の一つ。新を建てた王莽の一族の他、前漢から後漢末~三国時代の貴族・琅邪王氏[1]と太原王氏[2]、高麗の王族などが特に知られる。
- 日本における王氏は諸王の集団であり、令制では二世から四世まで(後に五世)までの皇族を範囲としていた。
中国の王氏
王 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 王 |
簡体字: | 王 |
拼音: | Wáng |
注音符号: | ㄨㄤˊ |
ラテン字: | Wang |
広東語発音: | Wong4 |
上海語発音: | Waon1 |
台湾語白話字: | Ông |
琅邪王氏
秦の将軍王離の長子の王元の末裔といわれる王吉を祖とする。太原王氏は同族にあたると伝わる[4]。
王吉
王吉 ┃ 王駿 ┃ 王崇 ┃ 王遵 ┃ 王音 ┃ ┣━━━━┓ ┃ ┃ 王仁[5] 王時 ┃ ┏━┻━┓ ┃ ┃ 王融 王叡 ┃ ┏━┻━┓ ┃ ┃ 王覧 王祥 ┃ ┏━━┳━━┻━┳━━━━━┳━━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 王彦 王基 王会 王正 王裁 ┃ ┃ ┃ ┃ ┏━┻━┓ ┃ ┏━━╋━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 王敦 王含 王舒 王彬 王廙 王曠 王導 ┃ ┏━┻━┓ ┃ ┃ 王籍之 王羲之 ┃ ┏━━━┳━━━┳━━━╋━━━┳━━━┳━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 王献之 王操之 王徽之 王粛之 王渙之 王凝之 王玄之 ┃ ┃ 王靖之 王楨之 ┃ ┃ 王悦之 ? ┃ ? ┃ ? ┃ 王法極(智永)
王雄
王某 ┃ 王雄 ┃ ┏━┻━┓ ┃ ┃ 王乂 王渾 ┃ 王戎 ┃ 王万
王導
王導 ┃ ┏━━┳━━┳┻━┳━━┳━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 王薈 王劭 王協 王洽 王恬 王悦 ┃ ┏━┻━┓ ┃ ┃ 王珉 王珣 ┃ ┏━━━┳┻━┳━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ 王遠 王曇首 王微 王弘 ┃ ┃ 王僧虔 王僧達 ┃ ┃ ┏━━┳━━╋━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 王志 王慈 王楫 王彬 王道琰 ┃ 王融
太原王氏
上記の王離の次子の王威を祖とする氏族で、瑯邪王氏とは同族と伝わる[4]。後漢末の王允とその甥王凌などが著名である。
日本における王氏
「王 (皇族)#王氏としての王」も参照
王氏は諸王の集団であり、令制では天皇の孫(二世)から皇玄孫(四世)までを範囲としていた。慶雲3年(706年)に五世王まで拡大されるが、貞観12年(870年)に諸王の数が429名に定められた。嵯峨天皇以降は臣籍降下が増え、諸王の数は減少する。推挙は第一親王(親王の中で官位の最も高い者)の役割だったが、院政期になると法親王制の確立により親王がいなくなり、花山天皇の子孫で神祇伯を世襲した白川伯王家が、是定(王氏長者)として氏爵を行うようになった。
脚注
出典・参考文献
- 比田井南谷 『中国書道史事典』普及版(天来書院、2008年(平成20年)8月)ISBN 978-4-88715-207-6
- 西川寧ほか 「書道辞典」(『書道講座』第8巻 二玄社、1969年(昭和44年)7月)
- 飯島春敬 『書道辞典』(東京堂出版、1975年(昭和50年)4月)
- 鈴木洋保・弓野隆之・菅野智明 『中国書人名鑑』(二玄社、2007年(平成19年)10月)ISBN 978-4-544-01078-7
- 大辞林第三版 松村明 編 ISBN 978-4-385-13905-0
- 竹内理三 「氏長者」『律令制と貴族政権.第2部』御茶の水書房、1958年。
- 宇根俊範 「氏爵と氏長者」『王朝国家国政史の研究』坂本賞三編、吉川弘文館、1987年。
- 田島公 「「氏爵」の成立-儀式・奉仕・叙位-」『史林』71-1、1988年。