武蔵野興業

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武蔵野興業株式会社
Musashino Kogyo Co., Ltd.
新宿武蔵野館
種類 株式会社
市場情報
略称 武蔵野興業
本社所在地 日本の旗 日本
160-0022
東京都新宿区新宿3丁目36番6号
設立 1920年5月15日
業種 サービス業
法人番号 8011101042749 ウィキデータを編集
事業内容 映画興行および不動産、商事事業等
代表者 河野義勝(代表取締役社長)
資本金 10億450万円
発行済株式総数 1,050万株
売上高 連結:14億3,264万4千円
単独:9億9,746万円
(2017年3月期)
営業利益 連結:3,862万8千円
単独:5,662万2千円
(2017年3月期)
純利益 連結:7,858万9千円
単独:△1,098万6千円
(2017年3月期)
純資産 連結:35億2,906万1千円
単独:34億3,825万1千円
(2017年3月期)
総資産 連結:62億3,015万4千円
単独:59億7,029万5千円
(2017年3月期)
従業員数 連結:48人 単体:23人
(2017年3月31日現在)
決算期 3月
主要株主 河野義勝 33.14%
(有)河野商事 9.52%
河野優子 7.85%
リサ・パートナーズ 5.01%
(2017年3月31日現在)
主要子会社 (株)寄居武蔵野自動車教習所
自由ヶ丘土地興業(株)
武蔵野エンタテインメント(株)
関係する人物 河野勝雄
外部リンク http://www.musashino-k.co.jp/
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武蔵野興業株式会社(むさしのこうぎょう)は、東京都新宿区新宿に本社を置く企業。

映画興行事業や映画館の経営(新宿武蔵野館シネマカリテ)、不動産事業で土地や建物の賃貸・販売・仲介、商事事業物品等の販売などのほか、子会社を通じて自動車教習所の運営なども行っている。

概要

1920年(大正9年)に設立された映画興行の老舗的存在である[1]。映画興行事業の拠点である新宿武蔵野館は、1928年に現在地の新宿3丁目に移転して以来、1968年の改築実施を経て現在も続く映画館である[2]

また、東京証券取引所(東証)にも1949年9月に上場した古参企業で[2]、現在も東証スタンダード市場に上場を維持している。

事業面では、映画興行事業のほかに不動産事業や商事事業(物品の卸売・小売)・指定自動車教習所事業も展開し事業の多角化が進んでいる。かつてはスポーツ・レジャー事業と称してフィットネスクラブヨガスクールの経営にも進出していたが[2]、現在では全て撤退し[2]、事業部門自体が休止扱いとなっている[3]

また、創業以来の主力事業であった映画興行事業については、かつては山梨県甲府市甲府武蔵野シネマ・ファイブなどを開館し複数館展開を行っていたが、映画市場の低迷や競争激化の影響から現在では閉鎖・整理され、新宿武蔵野館のみの営業となっていた。

しかし2012年9月、新宿で新たにミニシアターを開設する方針であること[4]を明らかにし、同年12月22日にシネマカリテとして開設した[5]

沿革

  • 1920年5月 - 現在の東京都新宿区に株式会社武蔵野館を資本金11万円で設立、最初の映画館「武蔵野館」(約500席)を開設して日本映画を上映する。
  • 1923年
    • 9月1日 - 関東大震災で「武蔵野館」が被災する。
    • 10月6日 - 被災した「武蔵野館」が再開する。
  • 1928年8月 - 東京府豊多摩郡淀橋町角筈一丁目1番地(現在の新宿三丁目)に「武蔵野ビル」を竣工、近代的な洋画専門館として「武蔵野館」(1500席)を入居させる。
  • 1930年年代? - 東京府荏原郡大井町のビルに「大井武蔵野館」(1F)と「大井ロマン」(2F)を開設する。
  • 1949年
    • 6月 - 帝都興業株式会社を吸収合併する。
    • 8月 - 社名を武蔵野映画劇場株式会社[6]に変更する。
    • 9月 - 東京証券取引所に上場する。
  • 1954年3月 - 映画館「甲府中央館」(1924年8月1日開設、1945年7月の甲府空襲で焼失)跡地に子会社の甲府武蔵野映画劇場株式会社が「甲府武蔵野館」(200席)と「甲府ピカデリー」(300席)を開設する。
  • 1955年1月 - 大宮市内の映画館を買収、「大宮武蔵野館」として開設する。
  • 1968年12月 - 「武蔵野ビル」改築の際に「武蔵野館」を「新宿武蔵野館」(500席)として7階に再配置した他、貸店舗業など経営の多角化をはかる。
  • 1970年7月 - 「大宮武蔵野館」を解体、跡地に建設した賃貸ビル(地上8階、地下3階)を大宮高島屋に賃貸する。
  • 1973年6月 - 不動産部門を設置、マンションおよび別荘地の分譲を開始する。
  • 1977年8月 - 現社長の父河野勝雄(1931/6/1-2009/8/26[7])が社長に就任[8]
  • 1978年3月 - 資本金を5億円に増資する。
  • 1981年
    • 1月 - 埼玉県大里郡寄居町に株式会社寄居武蔵野自動車教習所(現・連結子会社)を設立する。
    • ?月 - 「大井武蔵野館」を古い日本映画專門の「大井武蔵野館1」に、「大井ロマン」を洋画專門の「大井武蔵野館2」にリニューアルする[9]
  • 1985年12月 - 東京都中野区に「中野武蔵野ホテル」と映画館の「中野武蔵野ホール」を開設する。
  • 1986年10月
    • 社名を武蔵野興業株式会社に変更する。
    • 目黒区自由が丘の「自由が丘武蔵野館(旧)」跡地に総合レジャービル「自由が丘ミュー」を竣工、新たな「自由が丘武蔵野館」とスポーツジムの「エグザス自由が丘武蔵野ミュー」を開設する。
  • 1988年10月 - 資本金を10億450万円に増資する。
  • 1989年8月 - 「大井武蔵野館1」を閉鎖、「大井武蔵野館2」を「大井武蔵野館」に改称する。
  • 1992年9月 - 新宿三丁目に「第二武蔵野ビル」を竣工、株式会社丸井に賃貸する。
  • 1993年11月 - 「自由が丘ミュー」に「武蔵野インドヨガ学園自由が丘校」を開設する。
  • 1994年10月4日 - 「武蔵野ビル」3階にミニシアター「シネマ・カリテ1・2・3」(各84席)を開設する。
  • 1996年
    • 4月 - テナント飲食店ビルを経営する株式会社野和ビル(現・関連会社)を合弁会社として設立する。
    • 9月 - 周辺の再開発にともない閉鎖する「甲府武蔵野館」と「甲府ピカデリー」の一時的な代替館として「甲府シネマカリテ1」(100席)と「甲府シネマカリテ2」(80席)を開設する。
    • 10月 - 「甲府武蔵野館」と「甲府ピカデリー」を閉鎖する。
  • 1998年9月 - 山梨県甲府市にシネマコンプレックスとして「甲府武蔵野シネマ・ファイブ」(5スクリーン、715席)を開設する。
  • 1999年1月31日 - 「大井武蔵野館」を閉鎖する。
  • 2000年4月 - 拡張工事後の「シネマ・カリテ3」を「シネマ・カリテ1」(133席)に、それまでの「シネマ・カリテ1」を「シネマ・カリテ3」に改称する。
  • 2001年 - 「甲府シネマカリテ1・2」を閉鎖する。
  • 2002年1月1日 - 「新宿武蔵野館」を「新宿武蔵野館1」に、「シネマ・カリテ1・2・3」を「新宿武蔵野館2・3・4」に改称する。
  • 2003年9月30日 - 「新宿武蔵野館1」を閉鎖、「新宿武蔵野館2・3・4」を「新宿武蔵野館1・2・3」に改称する。
  • 2004年
    • 2月 - 「自由が丘武蔵野館」を閉鎖する。
    • 5月 - 「中野武蔵野ホール」を閉鎖する。
    • 8月 - 「中野武蔵野ホテル」を閉鎖する。
    • 12月 - 「第二武蔵野ビル」を売却する。
  • 2005年
    • 2月 - 「武蔵野インドヨガ学園新宿校」を開設する。
    • 5月 - 株式会社リサ・パートナーズと資本・業務提携を行う。
    • 6月 - 河野勝雄が代表取締役会長に退く[10]、後任は長男・義勝[11]。。
    • 9月 - 「武蔵野インドヨガ学園大宮校」を開設する。
  • 2006年4月 - 「新宿武蔵野館」のロビーを拡張・改修する。
  • 2007年
    • 5月 - 「武蔵野インドヨガ学園大宮校」を閉鎖する。
    • 10月 - 「武蔵野インドヨガ学園新宿校」を閉鎖する。
  • 2008年3月 - 「エグザス自由が丘武蔵野ミュー」が「コナミスポーツクラブ自由が丘」に名称を変更する。
  • 2009年
    • 8月26日 - 会長の河野が死去[12]
    • 8月31日 - 「武蔵野インドヨガ学園自由が丘校」を閉鎖する。
  • 2011年3月31日
    • 「コナミスポーツクラブ自由が丘」を閉鎖する。
    • 「甲府武蔵野シネマ・ファイブ」を休館する[13]
  • 2012年
    • 1月 - 「新宿武蔵野館1・2」にデジタル上映設備、「新宿武蔵野館3」にブルーレイ上映設備を設置する。
    • 12月22日 - 新宿NOWAビルの地下1階にミニシアター「シネマカリテ」を開設する[5]
  • 2013年8月 - 新宿区新宿に武蔵野エンタテインメント株式会社(現・連結子会社)を設立する。
  • 2016年
    • 1月30日 - 「新宿武蔵野館」が耐震・改装工事で休館する。
    • 11月5日 - 「新宿武蔵野館」の工事が終了、リニューアル・オープン(武蔵野館1:133席、武蔵野館2:83席、武蔵野館3:85席)する。
  • 2019年6月 - 武蔵野館開館から100年となる2020年6月まで記念上映興行を「武蔵野館100周年記念企画」として実施[14]

脚注

  1. ^ 「武蔵野興業株式会社への資本参加等に関するお知らせ」 {{{1}}} (PDF) リサ・パートナーズが資本参加に際し発表したプレスリリース。2005年5月27日公表。
  2. ^ a b c d 武蔵野興業株式会社 沿革 武蔵野興業のホームページに掲載された会社沿革。
  3. ^ 武蔵野興業株式会社 平成24年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (PDF)
  4. ^ 新規劇場(映画館)の開設に関するお知らせ (PDF) (プレスリリース) - 武蔵野興業(2012年9月5日付、同年10月10日閲覧)
  5. ^ a b 新規劇場(映画館)の正式名称等および株主優待方法一部変更に関するお知らせ (PDF) (プレスリリース) - 武蔵野興業(2012年11月8日付、2013年1月22日閲覧)
  6. ^ 同じ時期にあった合資会社武蔵野映画劇場(吉祥寺バウスシアターの運営会社)とは全く関係ない。
  7. ^ http://ke.kabupro.jp/tsp/20090901/140120090901095120.pdf
  8. ^ 人事興信録45版こ135
  9. ^ “-名画座最後の砦-大井武蔵野館小野支配人に聞く 入門!!大井武蔵野館”. シネマジャーナル. http://www.cinemajournal.net/bn/15/hyakkei.html#chu1 2018年10月5日閲覧。 
  10. ^ 人事興信録45版こ135
  11. ^ https://www.ullet.com/%E6%AD%A6%E8%94%B5%E9%87%8E%E8%88%88%E6%A5%AD/%E5%BD%B9%E5%93%A1
  12. ^ http://ke.kabupro.jp/tsp/20090901/140120090901095120.pdf
  13. ^ 「甲府武蔵野シネマ・ファイブ」休館に関するお知らせ (PDF) (プレスリリース) - 武蔵野興業(2011年2月9日付、同年4月5日閲覧)
  14. ^ 武蔵野館100周年記念企画のお知らせ (PDF) (プレスリリース) - 武蔵野興業(2019年5月21日付、同年12月15日閲覧)

関連項目

外部リンク