宮崎吉夫

宮崎吉夫（みやざきよしお、旧姓：伊藤（いとう）、1903年（明治36年）12月23日 - 1956年（昭和31年）10月24日）は、日本の医師、病理学者、医学博士。東京高等歯科医学校病理学教室初代教授、東京大学伝染病研究所病理学研究部長。

略歴

新潟県中蒲原郡横越村大字沢海（現新潟市江南区沢海）の豪農・六代目伊藤文吉の五男として出生^[1]^[2]。

1920年（大正9年）3月に新潟中学校を4年で修了、1923年（大正12年）3月に第二高等学校を卒業、1927年（昭和2年）3月に東京帝国大学医学部医学科を卒業。

1927年（昭和2年）4月に東京帝国大学医学部病理学教室（担任：緒方知三郎教授）副手に就任、1932年（昭和7年）12月に東京高等歯科医学校病理学教室講師に就任、1933年（昭和8年）3月に東京高等歯科医学校病理学教室初代教授に就任、1935年（昭和10年）7月に東京帝国大学から医学博士号を取得、1944年（昭和19年）4月に東京医学歯学専門学校病理学教室教授に就任、1948年（昭和23年）7月に東京大学伝染病研究所病理学研究部部長・教授に就任、東京医科歯科大学歯学部病理学教室講師を兼任、1951年（昭和26年）2月に東京医科歯科大学歯学部病理学教室教授に就任、東京大学伝染病研究所病理学研究部部長・教授を兼任^[3]、1956年（昭和31年）6月に東京大学伝染病研究所所長事務代理に就任、東京大学伝染病研究所病理学研究部部長・教授と東京医科歯科大学歯学部病理学教室教授を兼任、同年10月24日午前11時15分に東京医科歯科大学で講義中に狭心症で急逝^[4]^[5]^[6]^{[注 1]}、同日付で正四位を受位^[7]、勲三等瑞宝章を受章^[8]。

東京高等歯科医学校に開設された病理学教室に着任して歯学の病理学研究・診断・教育に従事し、日本の口腔病理学の礎を築いた^[3]。また、口腔病理学、唾液腺内分泌、ウイルス性疾患のアレルギー研究における世界的権威であった^[9]^[10]^[11]。

親族

六代目伊藤文吉 - 実父、豪農^[12]。
宮崎悌治 - 養父。新潟県中頚城郡里五十公野村大字田（現上越市三和区田（た））の大地主で^{[注 2]}、「仏さまのおさし図であなたを貰いに来た」と言って宮崎吉夫（伊藤吉夫、当時24歳または25歳）を婿養子にした^[14]^{[注 3]}^{[注 4]}。
七代目伊藤文吉 - 長兄、豪農、実業家、北方文化博物館初代館長^[12]。
伊藤威夫 - 三兄、第11・14代横越村村長、横越村名誉村民^[15]^[16]。
八代目伊藤文吉 - 甥、豪農、実業家、元北方文化博物館館長^[12]。

著書

「動物實驗ノ病理解剖學的所見」『結核ノ化學療法ニ關スル硏究特ニ「ビスコクラウリン」型鹽基ノ結核ニ及ボス影響（第1報）』133-148頁、長谷川秀治[編]、化学療法研究会、1942年。
『病理組織學を學ぶ人々に實習を受ける學生と硏究者とのために本文』改訂第14版、緒方知三郎[原著]、赤崎兼義・伴俊男・木下良順・三宅仁・緒方富雄・岡治道・瀧澤延次郎・吉田富三[共改訂]、日本医書出版、1952年。
『病理組織學を學ぶ人々に實習を受ける學生と硏究者とのために圖版』改訂第14版、緒方知三郎[原著]、赤崎兼義・伴俊男・木下良順・三宅仁・緒方富雄・岡治道・瀧澤延次郎・吉田富三[共改訂]、日本医書出版、1952年。
『病理組織顯微鏡標本の作り方手ほどき』改訂第8版、緒方知三郎[編]、伴俊男・岡治道・瀧澤延次郎・緒方富雄・所安夫[共改訂]、南山堂、1954年。
『最新齒科學全書第四卷口腔病理學』石川梧朗・秋吉正豊[共著]、松風陶歯製造株式会社[編]、永末書店、1954年。
「口腔」『病理學各論中卷』1-83頁、吉田富三・武田勝男[編]、南山堂、1957年。
『最新歯科学全書第四巻口腔病理学後編』石川梧朗・秋吉正豊[共著]、松風陶歯製造株式会社[編]、永末書店、1958年。

論文

CiNii収録論文 - CiNii

脚注

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注釈

^ 『新潟日報』1956年10月25日付朝刊の5面には「講義の直前」とある。
^ 新潟県上越市三和区には宮崎新田という宮崎家が開発した土地がある^[13]。
^ 信仰心の篤い伊藤吉夫は文句も言わずに宮崎悌治の婿養子になった^[14]。
^ 宮崎吉夫の第1子の宮崎惇則は1929年（昭和4年）4月生まれである。

出典

^ 『伊藤家明治の絵葉書展 6代伊藤文吉時代の実逓便』6頁。
^ 『伊藤家明治の絵葉書展 6代伊藤文吉時代の実逓便』15頁。
^ ^a ^b 教室沿革 | 口腔病理学分野 | 国立大学法人東京医科歯科大学
^ 『朝日新聞』1956年10月24日付夕刊、3面。
^ 『新潟日報』1956年10月25日付朝刊、5面。
^ 『毎日新聞』1956年10月25日付朝刊、7面。
^ 「叙任及び辞令」『官報』第18975号、465頁、大蔵省印刷局、1956年11月24日。
^ 「叙任及び辞令」『官報』第18974号、451頁、大蔵省印刷局、1956年11月22日。
^ 『日本近現代医学人名事典 1868-2011』602頁。
^ 『新潟県人物・人材情報リスト 2021 第1巻』578頁。
^ 『20世紀日本人名事典そ〜わ』2462頁。
^ ^a ^b ^c 歴史 | 豪農の館「北方文化博物館」 - 北方文化博物館
^ 越後国頸城郡田村宮崎家文書 - 国文学研究資料館
^ ^a ^b 『三和村誌』652頁。
^ 伊藤威夫 - 合併した市町村の名誉市町村民 - 新潟市
^ 伊藤威夫 | ニイガタカラ.Net - 新潟市

参考文献

「宮崎吉夫」『日本近現代医学人名事典 1868-2011』602頁、泉孝英[編]、医学書院、2012年。
「宮崎吉夫」『越佐人物誌中巻』943頁、牧田利平[編]、野島出版、1972年。
「宮崎吉夫」『新潟縣人名辭書』115頁、金子信尚[著]、新潟県人名辞書編纂事務所、1941年。
「宮崎吉夫」『新潟県人物・人材情報リスト 2021 第1巻』578頁、日外アソシエーツ[編]、日外アソシエーツ、2020年。
「宮崎吉夫」『20世紀日本人名事典そ〜わ』2462頁、日外アソシエーツ[編]、日外アソシエーツ、2004年。
「宮崎吉夫」『日本人名大辞典』1858頁、上田正昭・西澤潤一・平山郁夫・三浦朱門[監修]、講談社、2001年。
「宮崎吉夫氏」『朝日新聞』1956年10月24日付夕刊、3面、朝日新聞社、1956年。
「宮崎吉夫氏」『新潟日報』1956年10月25日付朝刊、5面、新潟日報社、1956年。
「宮崎吉夫博士」『毎日新聞』1956年10月25日付朝刊、7面、毎日新聞社、1956年。
「宮崎家」『三和村誌』649-652頁、三和村誌編集委員会[編]、中頚城郡三和村教育委員会、1972年。
『伊藤家明治の絵葉書展 6代伊藤文吉時代の実逓便 (PDF) 』北方文化博物館・新潟大学人文学部[編]、北方文化博物館・新潟大学人文学部、2011年。

外部リンク

宮崎吉夫 - 20世紀日本人名事典 - コトバンク
宮崎吉夫 - デジタル版日本人名大辞典+Plus - コトバンク

[7] 『新潟日報』1956年10月25日付朝刊の5面には「講義の直前」とある。

[15] 新潟県上越市三和区には宮崎新田という宮崎家が開発した土地がある^[13]。

[17] 信仰心の篤い伊藤吉夫は文句も言わずに宮崎悌治の婿養子になった^[14]。

[18] 宮崎吉夫の第1子の宮崎惇則は1929年（昭和4年）4月生まれである。

[1] 『伊藤家明治の絵葉書展 6代伊藤文吉時代の実逓便』6頁。

[2] 『伊藤家明治の絵葉書展 6代伊藤文吉時代の実逓便』15頁。

[Ikashika-3] 教室沿革 | 口腔病理学分野 | 国立大学法人東京医科歯科大学

[4] 『朝日新聞』1956年10月24日付夕刊、3面。

[5] 『新潟日報』1956年10月25日付朝刊、5面。

[6] 『毎日新聞』1956年10月25日付朝刊、7面。

[8] 「叙任及び辞令」『官報』第18975号、465頁、大蔵省印刷局、1956年11月24日。

[9] 「叙任及び辞令」『官報』第18974号、451頁、大蔵省印刷局、1956年11月22日。

[10] 『日本近現代医学人名事典 1868-2011』602頁。

[11] 『新潟県人物・人材情報リスト 2021 第1巻』578頁。

[12] 『20世紀日本人名事典そ〜わ』2462頁。

[Gounou-13] 歴史 | 豪農の館「北方文化博物館」 - 北方文化博物館

[14] 越後国頸城郡田村宮崎家文書 - 国文学研究資料館

[Miyazaki-16] 『三和村誌』652頁。

[19] 伊藤威夫 - 合併した市町村の名誉市町村民 - 新潟市

[20] 伊藤威夫 | ニイガタカラ.Net - 新潟市

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略歴

親族

著書

論文

脚注

注釈

出典

参考文献

関連文献

外部リンク