ANZUS
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太平洋安全保障条約(たいへいようあんぜんほしょうじょうやく、Australia, New Zealand, United States Security Treaty)は、アメリカ合衆国とオーストラリア・ニュージーランドの間で結ばれた軍事同盟に関する条約。1951年9月調印。締結各国(オーストラリア・ニュージーランド・合衆国)の頭文字をアルファベット順に取って、ANZUS(アンザス)と略される。
概説
アメリカとソビエト連邦が対立する冷戦構造が深まる中、アメリカは太平洋地域においても影響力を持って、アジアの共産主義の拡大に対抗する道をとる必要に迫られた。一方、イギリスの旧植民地であり、独立後もイギリスの影響下にあったオーストラリアとニュージーランドでは、第二次世界大戦後にイギリスの軍事的な影響力が低下したため、同じ価値観の資本主義国であるアメリカの軍事的な傘の元に入ることを望んだ。当初オーストラリアは、日本を仮想敵国としてこの条約に期待したという。
しかし、オーストラリアが自国内で行われるイギリスの核実験を許可してきたのに対し、ニュージーランドは非核化を進め、1985年にはオーストラリアと共に南太平洋非核地帯条約(ラロトンガ条約)に加盟したばかりか、更に核兵器搭載艦艇の寄港も拒否したため、アメリカはニュージーランドの防衛義務を停止した。このため当3カ国条約は、現在では事実上、ほぼ米豪間のみの同盟条約となっている。