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吉井英勝

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日本の旗衆議院議員 吉井 英勝
生年月日 (1942-12-19) 1942年12月19日(81歳)
出身地 京都府京都市
出身校 京都大学工学部原子核工学科卒業
前職 参議院議員
所属委員会 内閣委員会
世襲
選出選挙区大阪府選挙区→)
旧大阪4区→)
比例九州・沖縄ブロック→)
比例近畿ブロック大阪13区
当選回数 7回(参議院1回)
所属党派 日本共産党
党役職 日本共産党中央委員
会館部屋番号 衆議院第2議員会館437号室
ウェブサイト 吉井英勝オフィシャルホームページ
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吉井 英勝(よしい ひでかつ、男性、1942年12月19日 - )は、日本政治家衆議院議員(7期)。元参議院議員(1期)。日本共産党国会対策副委員長。京都大学工学部原子核工学科を卒業している原子力の専門家。原子力発電所に関して以前からたびたび危険性を指摘しており、2011年に発生した福島第一原子力発電所事故で現実のものとなったことで各方面から注目されている。

「吉」の正確な表記は「」(「土」の下に「口」、つちよし)である[1]

経歴

大阪府堺市議会議員を3期、大阪府議会議員を1期務めた。1988年に行われた参議院補欠選挙(大阪府選挙区)で、当時の二大政党である自民党社会党の候補を破って当選する。1989年の参議院通常選挙で落選する。

1990年には衆議院旧大阪4区から出馬し初当選を果たした。小選挙区比例代表並立制の導入に伴い、1996年は比例九州ブロックから出馬して当選する。2000年からは比例近畿ブロック・大阪13区で重複立候補し、4度当選しているが、小選挙区では毎回落選し比例復活で当選している。

2003年静岡空港建設反対の国会議員署名活動で署名者に加わっている[2]

2004年年金未納問題の際には、14年5ヶ月未納であったことが明らかにされた[要出典]

2007年第166回国会では、43回の質問で議事録の発言文字数が25万4783文字と全衆議院議員中第1位を記録した[3]

2011年10月、次期衆院選には出馬せず、勇退することが明らかになった[4]

国会における大地震時の原発事故の警告

2006年10月

2006年10月27日、吉井は、当時の原子力安全委員会委員長の鈴木篤之に対して、大地震等で送電鉄塔が倒壊するなどして外部電源が得られない中で、ディーゼル発電機とバッテリーも働かなくなった場合、原子炉はどうなっていくと想定しているのか、また、この場合、冷却系が働かず、崩壊熱を除去できなくなるが、核燃料棒のバーンアウト(焼損)の問題についてどう想定し審査しているのかと質問した[5]。これに対し鈴木は、バックアップの多重化でそういう事態を起こさないことが基本としたうえで、耐震基準を超える大変大きな地震が来た場合について電力会社に評価させる方針を示すにとどまった[6]

2006年12月

2006年12月13日、「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」を提出し、原発の安全対策について当時の安倍内閣に見解をただした[7]

この主意書における質問は、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって福島第一原子力発電所が被った危機的状況を的確に予見したものであった。例えば以下のような質問をしている。

  • 「原発からの高圧送電鉄塔が倒壊すると、原発の負荷電力ゼロになって原子炉停止(スクラムがかかる)だけでなく、停止した原発の機器冷却系を作動させるための外部電源が得られなくなるのではないか。」(質問1-1)
  • 「大規模地震によって原発が停止した場合、崩壊熱除去のために機器冷却系が働かなくてはならない。津波の引き波で水位が下がるけれども一応冷却水が得られる水位は確保できたとしても、地震で送電鉄塔の倒壊や折損事故で外部電源が得られない状態が生まれ、内部電源もフォルスマルク原子力発電所のようにディーゼル発電機もバッテリーも働かなくなった時、機器冷却系は働かないことになる。この場合、原子炉はどういうことになっていくか。原子力安全委員会では、こうした場合の安全性について、日本の総ての原発一つ一つについて検討を行ってきているか。また原子力・安全保安院では、こうした問題について、一つ一つの原発についてどういう調査を行ってきているか。」(質問1-6)
  • 「停止した後の原発では崩壊熱を除去出来なかったら、核燃料棒は焼損(バーン・アウト)するのではないのか。その場合の原発事故がどのような規模の事故になるのかについて、どういう評価を行っているか。」(質問1-7)

これらの質問に対する政府答弁はおざなりであり、対策を約束しながらも、実際には何もなされなかった。それが悲劇的事故を回避できなかった原因として指摘されている[8]

2010年4月

吉井は2010年4月9日にも衆議院経済産業委員会で、「老朽化原発に巨大地震が重なったときに、(中略)大変な事態になる」と訴えたが、当時の経済産業大臣の直嶋正行民主党)は、「安全第一の上でこれ(原子力発電)は推進をするというのが基本方針」と答弁した[9]

政策・主張

2009年の衆議院議員選挙の際に行われた朝日新聞のアンケートには、以下のように回答している。[10]

  • 憲法の改正に「反対」
  • 道路予算の維持に「反対」
  • 5年以内の消費税率引き上げに「反対」
  • 永住外国人の地方参政権に「賛成」

脚注

外部リンク

福島原発事故前に大地震・津波時の原発の危険性を指摘した国会質疑
報道