勧善懲悪省
勧善懲悪省(かんぜんちょうあくしょう、アラビア語:مطوعين、英語: Ministry for the Propagation of Virtue and the Prevention of Vice)は、アフガニスタンの宗教警察である。
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概要
1992年にブルハーヌッディーン・ラッバーニー政権によって設置された。
1996年にカーブルを制圧したターリバーンの元でその活動は過激なものとなった。ターリバーン政権下ではイスラムに反する物に対する厳しい弾圧を行い、バーミヤーンの仏像破壊などにも係わっている。
この組織はムタワと呼ばれるイスラム文化圏における宗教警察が省庁となった物で正式名称は「徳の奨励と悪徳の禁止の省」(アラビア語:هيئه الأمر بالمعروف و النهي عن المنكر)。これを意訳もしくは古文調で表現すると勧善懲悪省となる。アフガニスタン国内の倫理と思想統制に大きな力を発揮している。2001年のアメリカと有志連合諸国および北部同盟による攻撃によりターリバーン政権が崩壊。同省も消滅した
2003年、アフガニスタンの最高裁判所長官は同省を巡礼・宗教問題省(Ministry for Haj and Religious Affairs)の名で復活させた。しかしその活動は、ターリバーン政権時代よりも穏健なものである。
サウジアラビアにも同様の組織があり、アフガニスタンの組織はサウジアラビアを元に作られている。サウジアラビアの組織は省庁ではないので勧善懲悪委員会と呼ばれている。
「勧善懲悪」という言葉自体が特に日本では時代劇、もしくは年少層向けの特撮、ロボットアニメの典型的な作り方を示す(もしくはそれら作品群をマンネリズムと揶揄する)ものと見られやすいため当初タリバン政権に関連しての報道でも正確な訳語でなく新聞社、TV局といった情報の送り手側の面白半分の表現、悪意を持った誤訳と受け止められる傾向が見られたが、原語に忠実な翻訳であり悪意のある意訳がおこなわれたわけではない。