ワールド・イン・ユニオン
「ワールド・イン・ユニオン」 (World In Union) は、ラグビーワールドカップのテーマ曲である。
概要
原曲はグスターヴ・ホルストの組曲『惑星』第4曲「木星-快楽をもたらすもの」の中間部 [Andante Maestoso] をもとにした賛歌「サクステッド」で、チャーリー・スカーベックが新たに独自の歌詞をつけている。「サクステッド」が4分の3拍子に対して、「ワールド・イン・ユニオン」は4分の4拍子に改められている。「ワールド・イン・ユニオン(団結する世界)」の題名にある通り、歌詞は「夢がある。それは信仰や人種を超えて世界が団結し、分かつことのできない一つものになることという尊い真の夢である。この偉大な運命というべき夢の極みにいたるとき新しい時代が始まっているだろう。そのためにあらゆる障害を乗り越え、歴史に居場所を見出し、尊厳をもって生きていかねばならない。その前には勝敗にかかわりなくすべての人が勝利者である。それが世界が一つになるということである」などという内容になっている。
1991年のワールドカップからテーマソングとして使われたのが最初である。このときはニュージーランドのソプラノ歌手キリ・テ・カナワによって歌われている。同年にワールド・ラグビーと国内競技団体によって本作は公認され、ラグビーワールドカップのテーマ曲の扱いを受けるようになった。曲調は、大会ごとにアレンジされている。
歴代歌唱者
本作はラグビーワールドカップの第2回大会にあたる1991年イングランド大会から使用されている。開会式では著名な歌手によって歌唱され、それぞれシングルカットされている。[1]例外として、2019年日本大会は、いきものがかりのメインボーカルの吉岡聖恵が担当したが、開会式での歌唱は、NHK東京児童合唱団が行った。[2][3][4]
歌詞は英語であるが、マオリ語など他の言語によるものも制作されている。
そのほかの歌唱者
- カマール (オーストラリア)
- ロベルト・アラーニャ (フランス)
- キャサリン・ジェンキンス (ウェールズ)
- ラッセル・ワトソン (イングランド)
- レスリー・ギャレット (イングランド)
- アレッド・ジョーンズ (ウェールズ)
- オール・エンジェルズ (イングランド)
- ヴィットーリオ・グリゴロ (イタリア)
- ジョナサン・アンセル (イングランド)
- ウィル・マーティン (ニュージーランド)
- リディアン・ロバーツ (ウェールズ)
- ライアンダン (カナダ)
- ブレーク (イングランド)
- エリン・マナハン・トーマス (ウェールズ)
- トミー・フレミング (アイルランド)
- ニッキー・スペンス (スコットランド)
- テン・テノールズ (オーストラリア)
- デボラ・チータム (オーストラリア)
- ダニエル・デ・ニース (オーストラリア)
- ソウェト・ゴスペル・コーラス (南アフリカ)
- スミ・ジョー (韓国)
テーマ曲以外の運用
ラグビーワールドカップの各大会の開会式などに歌唱されるほか、インストゥルメンタルに編曲されたものが実況中継の際のBGMなどに使用されている。
ラグビーワールドカップ1995を題材にした2009年製作の映画『インビクタス/負けざる者たち』にも挿入歌として使用され、同サウンドトラックに収められている。
脚注
- ^ “World in Union: Rugby World Cup, 2011- The Official Album CD”. 2018年4月17日閲覧。
- ^ Rugby World Cup 2019 opening ceremony. ワールドラグビー. 20 September 2019. 該当時間: 12:45. 2019年11月6日閲覧。
- ^ “2019年度の活動”. NHK東京児童合唱団. 2020年1月22日閲覧。
- ^ “いきものがかり・吉岡聖恵 ラグビーW杯公式ソング“消えた”生歌 当日会場にいたのに”. 東京スポーツ. (2019年11月10日)
関連項目
- サクステッド (音楽)
- 我は汝に誓う、我が祖国よ
- Jupiter (平原綾香の曲) - この曲も「木星」の中間部から取り上げられ、吉元由美が詞をつけた。
- インビクタス/負けざる者たち