ロベルト・アラーニャ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ロベルト・アラーニャ
ロベルト・アラーニャ(1994年)}
ロベルト・アラーニャ(1994年)
基本情報
出生名 Roberto Alagna
出生 1963年6月7日(51歳)
出身地 フランスの旗 フランスパリ
ジャンル オペラ
職業 テノール歌手
活動期間 1988年 -
公式サイト Roberto Alagna Site official
2008年 オランジュ音楽祭

ロベルト・アラーニャ(Roberto Alagna, 1963年6月7日 - )は、フランステノール歌手。叙情的な歌唱スタイルと秀でた演技力で、現代を代表するテノールの一人である。


生い立ち[編集]

シチリア出身の両親のもと、フランスのパリ郊外クリシー=ス=ボワに生まれる。10代からパリのナイトクラブでポップスを歌い始めるが、マリオランツァの映画や、歴史的テノールの録音に影響を受けオペラを志す。しかしその大部分は独学であった。現在フランスとイタリア両国の国籍を持ち、パリ在住。


経歴[編集]

1988年にフィラデルフィアで開催されたルチアーノ・パヴァロッティ国際声楽コンクールで優勝し、同年にグラインドボーン・ツアー・オペラの『椿姫』のアルフレード役でデビューした。椿姫をフランスとイタリアの小都市を中心に150回以上歌い、その間に評判を得て主要な劇場に招かれる。1990年にスカラ座、1992年にコヴェントガーデン、1996年にメトロポリタン歌劇場にデビューしている。 1994年にコヴェントガーデンでシャルル・グノーの「ロメオとジュリエット」のロメオ役で大成功をおさめローレンス・オリヴィエ賞を受賞、国際的スターの座を得る。

2006年12月にスカラ座の2006/07シーズンの「アイーダ」でラダメス役をつとめたが、2回目の公演の1幕のアリア「清きアイーダ」で天井桟敷からブーイングを受けたことに抗議して上演途中で退場。上演の残りを代役が普段着のまま歌ったことで話題になった。スカラ座の聴衆は演奏家に厳しいことで有名で、頻繁に起きるブーイングの習慣については批判も多い。翌年のメトロポリタン歌劇場で同じラダメスを歌ったアラーニャに、聴衆はスタンディングオベーションを与えている。その後スカラ座への出演をしていないが、2013年9月、スカラ座より出演依頼を受けていることを明かしている。

フランスのオランジュ音楽祭(フランスの公共TVでゴールデンタイムに生中継される)と、米国のメトロポリタン歌劇場のライブHD(世界中の映画館に生中継される)の常連であり、オランジュ音楽祭では「椿姫」、「リゴレット」、「ロメオとジュリエット」、「カルメン」、「ラ・ボエーム」、「イル・トロヴァトーレ」、「ファウスト」、「アイーダ」、「道化師」、「カヴァレリア・ルスティカーナ」、「トスカ」、「トゥーランドット」、「オテロ」を、メトロポリタン歌劇場のライブHDでは「ロメオとジュリエット」、「ドン・カルロ」、「つばめ」、「カルメン」、「アイーダ」、「トスカ」を歌っている。

フランス政府は2008年にアラーニャに レジオン・ドヌール勲章を与えている。


レパートリー[編集]

イタリア語とフランス語のオペラを主なレパートリーとしている。 特にフランス語の言葉遣いの明瞭さが特徴であり、自然なフランス語、巻き舌にしないRを使える稀な歌手である。

20代~30代は明るい声質を生かし、「ロメオとジュリエット」のロメオ、「ラ・ボエーム」のロドルフォなど軽いリリコの役が中心であったが、徐々に声質が重くなるに合わせ、「カルメン」のドン・ホセ、「イル・トロヴァトーレ」のマンリーコなどスピントの役柄に移行、現在は「アイーダ」のラダメスや「トゥーランドット」のカラフなどドラマティックな役もレパートリーとしている。しかし本質的にリリックテノールであり、ロマンティックで情熱的な情感に溢れる歌唱が持ち味である。

特に顕著な功績として、上演機会の少ないフランスの作品の復活に力を入れており、 アルファーノの 「シラノ•ド•ベルジュラック」、マスネの「ノートルダムの曲芸師」、「ル・シッド」、ラロの「フィエスク」、ベルリオーズの「レリオ」などを録音すると同時に、新作 ウラジミール・コズマの「マリウスとファニー」を初演している。

オペラ以外にポップス歌手の一面を持ち、ルイス・マリアーノへのオマージュを歌ったCDは40万枚、両親の故郷シチリアの曲を歌ったシシリアンのCDは35万枚のヒットとなっている。フランス国内ではポピュラーコンサートの全国ツアーを複数回行っており、ポピュラーではオペラとは全く異なる発声で歌っている。

家族[編集]

最初の妻(Florence Lancien)は1994年に脳腫瘍のため死去。彼女との間には1991年生まれの娘がいる。

1996年にルーマニア出身のソプラノ歌手アンジェラ・ゲオルギューと再婚。ステージとレコーディングで数多くの共演を行うが、2009年に、ゲオルギューが自身のWebサイトで2年間別居状態であり、彼女は離婚を望んでいることを公表。その後二人はいったん和解し共演も再開するが、2013年1月に離婚に合意したことを発表、同年5月に離婚が成立している。同年9月にアラーニャは、新しいパートナーであるポーランド出身のソプラノ歌手アレクサンドラ・クルザクの懐妊を公表、2014年1月29日に女の子Malèna Alagnaが誕生している。

アラーニャは彼の弟(舞台監督のフレデリコ・アラーニャ、および作曲家のダヴィド・アラーニャ)といくつかのプロジェクトで一緒に仕事をしている。ダヴィドの作曲したオペラ「死刑囚最後の日」(原作・ヴィクトル・ユーゴー)に主演、録音を行っている。


[編集]

レパートリー
作品名 作曲家
アルフレード 椿姫 ヴェルディ
ドン・カルロス ドン・カルロス(仏語版) ヴェルディ
ドン・カルロ ドン・カルロ ヴェルディ
マンリーコ イル・トロヴァトーレ ヴェルディ
マントヴァ公 リゴレット ヴェルディ
マクダフ マクベス ヴェルディ
ラダメス アイーダ ヴェルディ
リッカルド 仮面舞踏会 ヴェルディ
オテロ オテロ ヴェルディ
ロメオ ロメオとジュリエット グノー
ファウスト ファウスト グノー
ドン・ジョゼ カルメン ビゼー
ナディール 真珠採り ビゼー
ウェルテル ウェルテル マスネ
デ・グリュー マノン マスネ
ジャン ノートルダムの曲芸師 マスネ
ロドリーグ ル・シッド マスネ
ホフマン ホフマン物語 オッフェンバック
シラノ シラノ・ド・ベルジュラック アルファーノ
ロドルフォ ラ・ボエーム プッチーニ
マリオ・カヴァラドッシ トスカ プッチーニ
ルッジェーロ つばめ プッチーニ
ピンカートン 蝶々夫人 プッチーニ
カラフ トゥーランドット プッチーニ
ネモリーノ 愛の妙薬 ドニゼッティ
エドガルド ランメルモールのルチア ドニゼッティ
エドガー ランメルモールのルチア(仏語版) ドニゼッティ
ロベルト ロベルト・デヴリュー ドニゼッティ
フリッツ 友人フリッツ マスカーニ
トゥリドゥ カヴァレリア・ルスティカーナ マスカーニ
カニオ 道化師 レオン・カヴァレロ
パオロ フランチェスカ・ダ・リミニ ザンドナーイ
オルフェ オルフェとエウリディーチェ グルック
マリウス マリウスとファニー コスマ
マウリツィオ アドリアーナ・ルクヴルール チレア
フィエスク フィエスク ラロ
エネ トロイアの人々 ベルリオーズ
ウリッセ ペネロープ フォーレ

外部リンク[編集]