ヘイムスクリングラ
ヘイムスクリングラ(古ノルド語: heimskringla。「世界の輪」[1]、「世界の環」[2]の意)は、1220年代か1230年代初頭にアイスランドのストゥルラの息子スノッリが編集したと言われているノルウェーの王のサガ集の総称である。 この題名はのちに「ユングリング家のサガ」の冒頭の語からつけられたとされている。スノッリによる序文に続いて、スウェーデンの伝説上の王家であるユングリング家 (Ynglingar) に始まる16編のサガで構成される[1]。 神代の物語から始まって10世紀、11世紀を経て12世紀の歴史で終わる。
内容
- ユングリング家のサガ[注釈 1]
- ハールヴダン黒王のサガ[注釈 2]
- ハラルドル美髪王 のサガ[注釈 3](930年?頃没)
- ホーコン善王のサガ[注釈 4] (960年頃没 )
- 灰色マントのハラルドル王のサガ[注釈 5] (970年頃/974?年没)
- トリッグヴィの息子オーラーヴル王のサガ[注釈 6](1000年没)
- 聖オーラーヴル王のサガ[注釈 7](1030年没)
- マグヌス善王のサガ[注釈 8] (1047年没 )
- ハラルドル苛烈王のサガ[注釈 9] (1066年没 )
- オーラーヴル平和王のサガ[注釈 10] (1093/94年没 )
- 裸足のマグヌース王のサガ[注釈 11] (1103年没 )
- マグヌースの息子たちのサガ[注釈 12](十字軍(エルサレム行き)のシグルズル (1130年没 )、エイステイン (1122年没)、オーラーヴル (1116年没))
- マグヌース盲王 (退位1135年)と キリストの僕のハラルドル王 (1136年没)のサガ[注釈 13]
- ハラルドルの息子たち(インギ(1161年没)、シグルズル(1155年没)、エイステイン(1157年没))のサガ[注釈 14]
- 肩広のホーコン王 のサガ[注釈 15](1162年没 )
- エルリングルの息子マグヌースのサガ[注釈 16](1184年没だが、サガは1177年の勝利まで)
日本語訳
- 日本アイスランド学会編訳 『サガ選集』 東海大学出版会、1991年。ISBN 978-4-486-01152-1。
- 八亀五三男訳『ハーコン善王のサガ』を収録。
- スノッリ・ストゥルルソン 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (一)』 谷口幸男訳、プレスポート・北欧文化通信社、2008年。ISBN 978-4-938409-02-9。
- 2011年4月より出版社名が「プレスポート」に変更(以下同)、ISBNコードがISBN 978-4-905392-02-6に切り替え[注釈 17]。
- スノッリ・ストゥルルソン 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (二)』 谷口幸男訳、プレスポート・北欧文化通信社、2009年。ISBN 978-4-938409-04-3。
- 2011年4月よりISBNコードがISBN 978-4-905392-04-0に切り替え[注釈 17]
- スノッリ・ストゥルルソン 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (三)』 谷口幸男訳、プレスポート・北欧文化通信社、2010年1月。ISBN 978-4-938409-06-7。
- 2011年4月よりISBNコードがISBN 978-4-905392-06-4に切り替え[注釈 17]
- スノッリ・ストゥルルソン 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (四)』 谷口幸男訳、プレスポート・北欧文化通信社、2010年1月[注釈 18]。ISBN 978-4-938409-07-4。
- 2011年4月よりISBNコードがISBN 978-4-905392-07-1に切り替え[注釈 17]
脚注
注釈
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (一)』での日本語題は『ユングリンガサガ』。『オージンのいる風景』252頁掲載の日本語題は『ユングリンガ・サガ』。
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (一)』での日本語題は『ハルヴダン黒王のサガ』。
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (一)』での日本語題および『オージンのいる風景』252頁掲載の日本語題は『ハラルド美髪王のサガ』。
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (一)』と『サガ選集』での日本語題および『オージンのいる風景』253頁掲載の日本語題は『ハーコン善王のサガ』。
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (一)』での日本語題は『灰色マントのハラルド王のサガ』。『オージンのいる風景』252頁掲載の日本語題は『ハラルド灰色外套王のサガ』。
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (二)』での日本語題は『オーラヴ・トリュッグヴァソンのサガ』、『オージンのいる風景』252頁掲載の日本語題は『オーラヴ・トリュッグヴァソン王のサガ』。
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 -』二および三、および『オージンのいる風景』252頁掲載の日本語題は『オーラヴ聖王のサガ』。
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (三)』での日本語題は『マグヌース善王のサガ』。
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (四)』での日本語題は『ハラルド苛烈王のサガ』。
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (四)』での日本語題は『〈無口のオーラヴ王〉のサガ』。
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (四)』での日本語題は『〈素足のマグヌース王〉のサガ』。
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (四)』での日本語題は『マグヌースソンのサガ』。
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (四)』での日本語題は『〈盲目のマグヌース〉とハラルド・ギリのサガ』。
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (四)』での日本語題は『ハラルドの子のサガ』、『オージンのいる風景』252頁掲載の日本語題は『ハラルド王の息子たちのサガ』。
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (四)』での日本語題は『〈広肩のハーコン王〉のサガ』、『オージンのいる風景』253頁掲載の日本語題は『ハーコン広肩王のサガ』。
- ^ 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (四)』での日本語題は『マグヌース・エルリングスソンのサガ』。
- ^ a b c d “プレスポート・北欧文化通信社の概要”. プレスポート・北欧文化通信社. 2016年2月28日閲覧。
- ^ 2010年5月の誤植があり訂正[3]。
出典
- ^ a b 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (一)』15頁。
- ^ V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』(谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6)301頁。
- ^ “ヘイムスクリングラ : 北欧王朝史”. CiNii 図書. 2016年2月28日閲覧。
参考文献
- 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 (一)』(上記掲載)
- パウルソン, ヘルマン『オージンのいる風景 - オージン教とエッダ』大塚光子、西田郁子、水野知昭、菅原邦城訳、東海大学出版会、1995年2月。ISBN 978-4-486-01318-1。
外部リンク
- ヘイムスクリングラ (古ノルド語)
- オンライン古代・中世図書館より、ヘイムスクリングラ (英語)
- 『春寒』:新字新仮名 - 青空文庫 (日本語) - 寺田寅彦による、『ヘイムスクリングラ』についての随筆