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フェミナチ

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フェミナチ (Feminazi) とはアメリカ合衆国において英語フェミニストナチを掛け合わせて生まれた、急進的・先鋭的なフェミニストに対して軽蔑的な意味合いも込めて使われる風刺的用語。フェミ・ファシズム(femi-fascism)とも言われる[1]。同国保守派のトークラジオ番組ホストであるラッシュ・リンボーが妊娠中絶とナチスの虐殺を重ね合わせる表現として使ったことで広まった言葉であるが[2][3][4]中絶とは関係ない文脈でもフェミニズムに批判的な論者(アンチ・フェミニスト)によってフェミニスト一般への批判の意図で使われることもあるようである[独自研究?]。最近では過激なフェミニストとの風刺的表現意味で一般の雑誌やマスコミで使われる。

概要

アメリカの保守派トークラジオ番組ホストであるラッシュ・リンボーが、番組において中絶を容認するリベラル・フェミニストを風刺的に軽蔑する意味合いでフェミナチと呼び始めるとこの用法が現在のアメリカの女権論の行き過ぎを批判する意味で急速に広まった。ただし元々の意味は「できるだけ多くの胎児を中絶することを目論んでいる集団」であった。「できるだけ多くの〜」はエンターテイナーを自認するリンボーによる風刺目的の誇張表現である。ただし、リンボーはこの語自体は友人であるカリフォルニア大学経済学教授のトム・ヘーズレットが考案したとしている[要出典]。現在では単に女権論者の過激派(ラディカル・フェミニスト)を指す言葉[1]として風刺的内容で使われており中絶による胎児大虐殺の擁護という元の意味は失われている。また、一般にプロチョイス(選択賛成)と呼ばれる中絶容認派のリベラル・フェミニストは中絶を女性が選べる権利を支持しているのであり、中絶を増やすことを目的としているわけではないと主張される[誰によって?]

アメリカでは、女性の人工中絶の権利が立法府による法令によって認められたのではなく最高裁判所の憲法判断(ロー対ウェイド事件)により認められた経緯から、出産直前(28週間)まで中絶が認められるという他の先進国と比べても寛容な制度となっている[独自研究?]このため[独自研究?]アメリカの中絶論争おいては、中絶反対派は「中絶は全面禁止」、賛成派は判例通りに「中絶はぎりぎりまで(胎児が体外で生存できるようになるまで)は許されるべき」という二極化状態である。一方で、国民の大多数は中絶を「原則としては認めるべきだが、その認可期間を短縮するべき」との穏健論を支持している。そこで[独自研究?]中絶反対派は中絶禁止に至るまでの過渡的戦略として、中絶認可期間を現在の28週間から短縮することを主張しているため、中絶容認派は対抗上認可期間の短縮について一歩も譲れないとの立場をとり、一部のフェミニストは「胎児は単なる肉」と主張することがある[要出典]このため[独自研究?]中絶容認派であるアメリカの女権論者・活動家は過激との印象が一般に存在する。

日本における用法

近年の日本では、一部の掲示板やブログなどで、中絶容認とは無関係に「フェミナチ」という語が用いられている[誰によって?]この語の使用者は、ラディカル・フェミニズムは以下のような側面を持つため「ナチズム的」であるとしている[誰によって?]

  • 反対意見をや主張をまったく受け付けようとしない姿勢。
  • 反対意見を一緒くたに差別であると糾弾する。
  • 性差別の悪を公的権力で弾圧することを擁護する姿勢[独自研究?]

例えば日本の代表的フェミニストの1人である上野千鶴子が著書『ジェンダー・フリーは止まらない』(松香堂)にも収録された2001年4月15日、NPO法人「フィフティ・ネット」設立記念フォーラムでの講演にて、「女は嫁に行くのが一番だ、と私は信じています」という見解を述べることについて、「ドイツではヒットラーを支援するような発言をすると犯罪を構成します。(中略)人種に関しては許されないことが、なぜ女に関しては言ってもいいのでしょうか。それを「思想信条の自由」のもとに許していいのか、と思います。」と聴衆に訴えかけた。

また、上野は国際基督教大学での講演にて、「男とまともに、サシで、カッとなると、私は相手を、潰します。」[5]と述べるなど、急進的なフェミニズム思想の持ち主であり、このような相手(特に男性)を受け付けず、弾圧する言動や姿勢から[6]、フェミナチ的、フェミファッショ的としばしば批判されている[7]。もっとも日本のフェミニストには、上野のような主張をしている者が目立つこともあり、フェミニスト=フェミナチと見なしている者も少なくない[独自研究?]

外国では極右のナチと革新・左派のフェミニズムを掛け合わせるアンバランスさからフェミナチはあくまでも風刺的な用語として使われているが日本ではネット以外では表立って使われることが少ない[独自研究?]。その理由として、上記のような「言論統制的、思想弾圧的な風潮や、批判を許さない風潮などから来る躊躇や恐怖が挙げられる場合もある」としている[誰によって?]。(実際には、ラディカル・フェミニズム批判は保守系のメディア・団体を中心に広く行われている[独自研究?]。)

脚注・出典

  1. ^ 掛谷英紀 (2004年). “右翼と左翼~なぜ「フェミファシズム」なのか~”. 2009年9月13日閲覧。
  2. ^ Limbaugh defended his use of term "feminazi" as "right" and "accurate"
  3. ^ The Rush Limbaugh Show"
  4. ^ Rush H. Limbaugh, The Way Things Ought to Be, Pocket Books, 1992 p.193
  5. ^ 国際基督教大学ジェンダー研究センター ウーマン・リブ
  6. ^ 『バックラッシュ! なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?』2006/6/26, 双風舎, 上野 千鶴子 (著), 宮台 真司 (著), 斎藤 環 (著), 小谷 真理 (著)
  7. ^ いちヘルパーの小規模な日常 上野千鶴子をフェミナチと呼ぶことは許されると思う。

関連項目

外部リンク