パイロットウイングス
ジャンル | スカイスポーツ・シミュレーション |
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対応機種 |
スーパーファミコン Wii(バーチャルコンソール) |
開発元 | 任天堂 |
発売元 | 任天堂 |
デザイナー |
横井軍平 宮本茂 |
音楽 | 岡素世 |
シリーズ | パイロットウイングスシリーズ |
人数 | 1人 |
メディア |
SFC:4Mbitロムカセット Wii:ダウンロード販売 |
発売日 |
SFC: 1990年12月21日 1991年8月13日 1993年3月21日 Wii: 2009年8月21日 2009年9月28日 2010年4月6日 |
対象年齢 |
CERO:B(12才以上対象) ESRB:Everyone |
アスペクト比 | 4:3 |
売上本数 |
約48万本 約47万本 約19万本 約114万本 |
『パイロットウイングス』は、任天堂より発売されたスカイスポーツ・シミュレーションゲームである。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
ゲーム概要
スーパーファミコン初期に発売されたゲームソフト。当時、登場したばかりのスーパーファミコンの回転・拡大・縮小機能を用いる。プロデューサーは宮本茂、横井軍平。
しばしば間違われがちだが、”パイロットウィングス”ではなく”パイロットウイングス”である。(つまり「イ」が小さいィではなくて、大きいイが正しいということ)
主人公は「フライトクラブ」という名のフライトスペシャリスト養成所に入会し、軽飛行機(ライトプレーン)、スカイダイビング、ロケットベルト、ハンググライダーの四種を、与えられた課題通りにこなしていきながら上達を図っていくゲームである。エリアは4つに分かれており、これをフライトエリアと呼ぶ。このフライトエリアによってこなすべき種目が異なっている。
スカイダイビングとロケットベルトでは、移動式のターゲットへの着地に成功するとボーナスステージとなり、100ポイント+αの点が得られる。ハンググライダーでもボーナスステージは存在するが、移動式ではなくスカイダイビングとロケットベルトのターゲットへの着地に成功することでボーナスステージとなる。
全ての種目が終わった時点で規定の点数に達していればライセンスが貰え次のフライトエリアに進むことができる。
4つのフライトエリアを修了すると、なぜか突然教えを請うた教官達が麻薬のシンジケートに囚われたために、ミサイル搭載の攻撃ヘリコプターでアジトに突入し、多く飛び交う対空砲火をよけながら、特定のヘリポートに着陸するというミッションが与えられる。一発被弾したら即座にゲームオーバーという非常にシビアなモードとなっている。
このミッションをクリアすると同じエリア、同じ教官で降雪、降雨、強風、夜間にアレンジされ、難易度がさらに上がったEXPERTモードになり、最後は再びヘリコプターのミッションを拝命する。前回を遥かに上回る苛烈な対空砲火を潜り抜け、前回同様目的地ヘリポートへの着陸を目指す。
ロム内にDSP-1という拡張チップが使われ、本体以上の映像技術を使用している。但し初期ロットは拡張チップ非搭載。回転・拡大・縮小機能によって描画されるパースペクティブの消失点と背景の地平線を一致させ、3次元の座標を持ったスプライトオブジェクトを組み合わせることにより説得力のあるリアルな空間表現を実現した。DSP-1は、他にも『スーパーマリオカート』などに使われている。
4面をクリアするとタイトル画面が変わり、夕暮れ時の街を見下ろしたような画面になる。本作品の説明書は「フライトクラブへの案内状」という体裁である。このフライトクラブは戦闘ヘリを所有し某国との軍事的な繋がりを感じさせるなど、まるで傭兵養成機関のようなニュアンスを匂わせる演出が施されている。
ゲーム内容は地味ながらも好評であったが、人気シリーズである『スーパーマリオワールド』や、派手な『F-ZERO』の陰に隠れてしまい、売上げは任天堂の予想を下回った。なお、任天堂はこのゲームの発売後に販売のテコ入れのため「飛ばず嫌いになっていませんか?」という広告をゲーム雑誌に掲載した。
ニンテンドーゲームキューブ版の発売も、週刊ファミ通の発売日未定欄にしばらく記載されるなど、検討されていた。
課題
- 軽飛行機(ライトプレーン)
- 赤色の複葉機。EXPERTでは青色になる。全エリアで登場。所定のリングをくぐって滑走路へ着陸する。空中からスタートするエリアと、滑走路から離陸も行うエリアがある。
- スカイダイビング
- エリア1、2、4、5、6、8で登場。高度3800フィートから落下し、所定のリングを通過後、高度1000フィート以下でパラシュートを展開、地上ターゲットに着地する。水上を移動するターゲットに着地するとボーナスゲーム。
- ロケットベルト
- エリア2、3、4、6、7、8で登場。背中に背負ったブースターを使って空中飛行を行う。リングを潜ったりビームに接触する課題が与えられ、全てクリアした後に地上ターゲットへ着地する。課題クリア前に着地してしまうと減点になる。水上を移動するターゲットに着地するとボーナスゲーム。
- ハンググライダー
- エリア3、4、7、8で登場。空中からスタートし、規定の高度に達するか所定のリングを2回潜った後、地上ターゲットに着地する。マップ上に上昇気流が発生しているポイントがあり、それに乗ると高度を急上昇させることができる。ハング用の地上ターゲットはスカイダイビングやロケットベルトとは別に設置されている。スカイダイビング・ロケットベルト用のターゲットに着地するとボーナスゲーム。
- ボーナスゲーム
- スカイダイビングでは、ペンギンの着ぐるみを纏ったプレイヤーが高さ1000フィートの飛び込み台からプールへ飛び込む。着水した場所により取得できるポイントが異なる。
- ロケットベルトでは、カモメらしきデザインの翼を装着したプレイヤーが、トランポリンで大ジャンプしながら地上のポイントターゲット(Pマーク)を踏んだ後、プールへ飛び込む。ポイントターゲット、プールそれぞれでポイントが加算される。
- ハンググライダーでは、ニワトリのようなものに扮したプレイヤーがAボタン連打で羽ばたきながら飛距離を競う。長距離を飛ぶほど取得できるポイントが高い。
- ヘリコプター
- 2回ある極秘指令で使用する。攻撃ヘリコプターでミサイル(弾数無限)とサーチライトを装備。敵地上砲台に打ち落とされたらゲームオーバー。敵砲台は発砲時のプレイヤーの進行方向と速度から正確な射撃をしてくるので、発砲されたら即座に進路を変更しなければならない。
- 夜間の飛行ではXボタンを連打するとサーチライトが明るくなる(ゲームの進行に影響はない)。
エリア
- エリア1
- 練習用エリア。広大な滑走路を1本備える。種目はライトプレーンとスカイダイビング。
- エリア2
- ロケットベルトが追加。滑走路が左右2本あり、右側の方が難易度とポイントが高い。
- エリア3
- ハンググライダーが追加。スカイダイビングはない。2本の滑走路が十字に交わっている。ロケットベルト用ターゲットが海上に設置。
- エリア4
- 4つの種目全て登場。ライトプレーン時は滑走路にガイドビームが付く。
- エリア5
- エリア1の発展型。滑走路に雪があり、これに飛行機が乗ると失敗となる。ターゲットもリングも小さくなっている。
- エリア6
- エリア2の発展型。雨天後でブレーキの制動距離が伸びる。
- エリア7
- エリア3の発展型。上空は強風が吹いておりかなり風に流される。
- エリア8
- エリア4の発展型。夜間となっており暗くて見づらい。ターゲット、滑走路等は光っているので見落とすことはない。
登場人物
- 田中文也
- エリア1とエリア5を担当。人当たりの良い穏やかな青年だが、失敗時には「わざとやってませんか」などの辛辣なコメントを吐くこともある。100点を取ると驚愕する。
- 白石蘭
- エリア2とエリア6を担当。100点を取ると目が点になる。
- インディ・スコット
- エリア3とエリア7を担当。ややカタコトの日本語を喋る。100点を取ると目を回す。
- 黒田藤兵衛
- エリア4とエリア8、極秘指令を担当。滅多なことでは笑顔を見せない鬼教官だが、100点を取ると涙を流す熱い男。単車の免許しか持っておらず、ヘリを操縦できないらしい。EXPERTの極秘指令で、政府の要人である兄が麻薬のシンジケートに関わっているとして、人質にされている事を伝える。後に『大乱闘スマッシュブラザーズX』でシールとして登場。