パイロットウイングス

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パイロットウイングス
Pilotwings
ジャンル スカイスポーツシミュレーション
対応機種 スーパーファミコン
開発元 任天堂情報開発本部
発売元 任天堂
プロデューサー 宮本茂
ディレクター 杉山直
プログラマー 加藤周平
矢嶋肇
河越巧
音楽 近藤浩治
岡素世
美術 スージー
森直樹
シリーズ パイロットウイングスシリーズ
人数 1人
メディア 4メガビットロムカセット[1]
DSP-1チップ搭載
発売日 日本の旗 1990年12月21日
アメリカ合衆国の旗 1991年8月13日
欧州連合の旗 1993年3月21日
対象年齢 CEROB(12才以上対象)
ESRBE(6歳以上)
コンテンツ
アイコン
麻薬
アスペクト比 4:3
売上本数 日本の旗 約48万本
アメリカ合衆国の旗 約47万本
欧州連合の旗 約19万本
世界 約114万本
その他
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パイロットウイングス』は、任天堂より発売されたスカイスポーツシミュレーションゲームである。

概要[編集]

スーパーファミコンの回転・拡大・縮小機能(Mode 7英語版)を活用した擬似3D表現のスカイスポーツ・シミュレーションゲーム。プロデューサーは宮本茂。スーパーファミコン本体発売の1ヶ月後にリリースされ、ローンチタイトルである『スーパーマリオワールド』、『F-ZERO』に続く任天堂の3作目の作品である。

しばしば間違われがちだが、“パイロットウングス”ではなく“パイロットウングス”である。(「イ」が小さいィではなく、大きいイが正しい)

プレイヤーは「フライトクラブ」という一見平和的なスカイスポーツスクールを装ったフライトスペシャリスト養成所に入会し、軽飛行機(ライトプレーン)、スカイダイビングロケットベルトハンググライダーの四種を、与えられた課題通りにこなしていきながら上達を図っていく。エリアは4つ用意されており、これをフライトエリアと呼ぶ。このフライトエリアによってこなすべき種目が異なっている。

スカイダイビングとロケットベルトでは、移動式のターゲットへの着地に成功するとボーナスステージとなり、100ポイント+αの点が得られる。ハンググライダーでもボーナスステージは存在するが、移動式ではなくスカイダイビングとロケットベルトのターゲットへの着地に成功することでボーナスステージとなる。

規定の点数に達すればすべての種目をこなさなくてもライセンスが貰え次のフライトエリアに進むことができる。

4つのフライトエリアを修了すると、なぜか突然教えを請うた教官達が麻薬シンジケートに囚われるという「事件」が発生し、問答無用でミサイル搭載の攻撃ヘリコプターでアジトに突入し、多く飛び交う対空砲火をよけながら特定のヘリポートに着陸するという極秘指令が与えられる。一発被弾したら即座にゲームオーバーという非常にシビアなミッションとなっている。

このミッションをクリアすると同じエリア、同じ教官で降雪、降雨、強風、夜間にアレンジされ、難易度がさらに上がったEXPERTモードになり、最後は再びヘリコプターのミッションを拝命する。前回を遥かに上回る苛烈な対空砲火を潜り抜け、前回同様目的地ヘリポートへの着陸を目指す。

4面をクリアするとタイトル画面が変わり、夕暮れ時の街を見下ろしたような画面になる。本作品の説明書は「フライトクラブへの案内状」という体裁である。このフライトクラブは戦闘ヘリを所有し某国との軍事的な繋がりを感じさせるなど、まるで傭兵養成機関のようなニュアンスを匂わせる演出が施されている。

ニンテンドーゲームキューブ版の発売も、週刊ファミ通の発売日未定欄にしばらく記載されるなど、検討されていた。

ゲーム内容[編集]

課題[編集]

軽飛行機(ライトプレーン)
赤色の複葉機。EXPERTでは青色になる。表現上の制約によりバンク角やピッチ角が制限されているため宙返りなどのアクロバチックな飛行は出来ず、旅客機並みのかなり鈍重な挙動となっている。初心者でも容易に操縦出来るよう操作は簡略化されラダーやトリムなどの操作はないものの、揚力や慣性、失速や風見効果など飛行機の特性をある程度考慮しており、当時のコンシューマー機用ゲームとしては本格的なものとなっている。空中に設置されたガイドビームにタッチしながら着陸、または所定のリングをくぐって滑走路へ着陸し、滞空時間と着陸時の進入角度、精度を競う。フライトクラブの必修科目となっており全フライトエリアで登場する。空中からスタートするエリアと滑走路から離陸も行うエリアがある。
スカイダイビング
ヘリで高度3800フィートまで上昇、縄ばしごから「とうっ!」の掛け声とともにダイブする。落下中は体の傾きにより落下速度と進行方向を制御でき、空中に設置された複数のリングを出来るだけ多く通過することが求められる。高度1000フィート以下でパラシュートを展開、その後は地上ターゲットへの着地の精度を競うアキュレシーランディングを行う。水上を移動するターゲットに着地するとボーナスゲーム。パラシュートは左右の旋回とフレアが行える操作性の高いラム・エア型で、前方へ滑空しながら降下する。なお、ゲームの進行上必ずしもパラシュートを開く必要はない。エリア1、2、4、5、6、8で登場。
ロケットベルト
背中に背負ったブースターを使って空中飛行を行う。慣性の影響を強く受ける。LボタンやRボタンで視点の切替が可能。リングを潜ったりビームに接触する課題が与えられ、全てクリアした後に地上ターゲットへ着地しその精度を競う。課題クリア前に着地してしまうと減点になる。フライトエリアの随所にあるドーム状の物体に乗るとバウンドし跳ね上がることが出来るがゲームの進行に関わりがない。水上を移動するターゲットに着地するとボーナスゲーム。なお、EXPERTではターゲットに着地する際、視点を切り替えていないと着地しても得点が下がってしまう。エリア2、3、4、6、7、8で登場。
ハンググライダー
ライトプレーンに牽引され空中からスタート。規定の高度に達するか所定のリングを2回潜った後、地上ターゲットへの着地精度を競う。マップ上に上昇気流が発生しているポイントがあり、それに乗ると高度を急上昇させることができる。ハング用の地上ターゲットはスカイダイビングやロケットベルトとは別に設置されている。スカイダイビング・ロケットベルト用のターゲットに着地するとボーナスゲーム。エリア3、4、7、8で登場。
ボーナスゲーム
スカイダイビングでは、ペンギンの着ぐるみを纏ったプレイヤーが高さ1000フィートの飛び込み台からプールへ飛び込む。着水した場所により取得できるポイントが異なる。
ロケットベルトでは、カモメらしきデザインの翼を装着したプレイヤーが、トランポリンで大ジャンプしながら地上のポイントターゲット(Pマーク)を踏んだ後、プールへ飛び込む。ポイントターゲット、プールそれぞれでポイントが加算される。
ハンググライダーでは、ニワトリのようなものに扮したプレイヤーがAボタン連打で激しく羽ばたきながら飛距離を競う。長距離を飛ぶほど取得できるポイントが高い。
ヘリコプター
2回ある極秘指令で搭乗する攻撃ヘリコプターでミサイル(弾数無限)とサーチライトを装備。敵地上砲台に打ち落とされたらゲームオーバー。敵砲台は発砲時のプレイヤーの進行方向と速度から正確な射撃をしてくるので、発砲されたら即座に進路を変更しなければならない。
夜間の飛行ではXボタンを押し続けるとサーチライトが明るくなる(ゲームの進行に影響はない)。

エリア[編集]

エリア1
メサやビュートの立ち並ぶ砂漠地帯に作られた練習用エリア。広大な滑走路を1本備える。種目はライトプレーンとスカイダイビング。
エリア2
草原地帯に作られたフライトエリア。種目にロケットベルトが追加。滑走路が左右平行に2本併設されている。右側の方が短くて狭い分ポイントが高く設定されている。
エリア3
2本の交わった滑走路を持つ、洋上の孤島に作られたフライトエリア。スカイダイビングに代わりハンググライダーの技量が試される。ロケットベルト用ターゲットが海上に設置。
エリア4
幾何学的な形状の人工島に建設されたフライトエリア。4つの種目が全て登場する。ライトプレーン時は滑走路にガイドビームが付くが、エリア1と違い触れても得点にはならない。
エリア5
エリア1の発展型。積雪のため見渡す限りの雪景色となっている。滑走路にも残雪があり、これに一定速度以上の飛行機が乗ると失敗となる。ターゲットもリングも小さくなっている。
エリア6
エリア2の発展型。雨雲が低く垂れ込め、雨天後で滑走路が濡れているため飛行機の停止に必要な制動距離が伸びる。
エリア7
エリア3の発展型。夕闇の迫る上空は強風が吹いておりかなり風に流される。
エリア8
エリア4の発展型。強風に加え視界不良の夜間でのシチュエーションとあって最終試験にふさわしい高難易度となっている。ターゲット、滑走路等は光っているので見落とすことはない。
イラフ島
軍も手を焼くほどの強大な麻薬シンジケートがアジトを構える要塞のような島。砲身のない未知の軍事技術で作られた地対空兵器が島内のいたる所に設置されプレイヤーのヘリを迎撃する。

登場人物[編集]

田中文也
エリア1とエリア5を担当。28歳。人当たりの良い穏やかな青年だが、失敗時には「わざとやってませんか」などの辛辣なコメントを吐くこともある。100点を取ると目を見開いて驚愕する。
白石蘭
エリア2とエリア6を担当するフライトクラブの紅一点。24歳。100点を取ると目が点になる。続編の『パイロットウイングス64』には未登場ではあるが取扱説明書のQ&Aに彼女についての質問がある。
インディ・スコット
エリア3とエリア7を担当。ややカタコトの日本語を喋る金髪の白人男性。31歳。元空軍のパイロットという噂。100点を取ると目を回す。
黒田藤兵衛
エリア4とエリア8、極秘指令を担当。49歳。滅多なことでは笑顔を見せない鬼教官だが、100点を取ると涙を流す熱い男。単車の免許しか持っておらず、ヘリを操縦できないと主張している。EXPERTの極秘指令で、政府の要人である兄が麻薬のシンジケートに関わっているとして、人質にされている事を伝える。後に『大乱闘スマッシュブラザーズX』でシールとして登場。

他機種版[編集]

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数
1 パイロットウイングス
欧州連合の旗 2009年8月21日
アメリカ合衆国の旗 2009年9月28日
日本の旗 2010年4月6日
Wii
バーチャルコンソール
任天堂情報開発本部 任天堂 ダウンロード - -
2 パイロットウイングス
日本の旗2013年5月29日 Wii U
(バーチャルコンソール)
任天堂情報開発本部 任天堂 ダウンロード - -

開発[編集]

ロムカートリッジ内にDSP-1という拡張チップが搭載され、スーパーファミコン本体が持つ能力以上の映像技術を実現している。ただし初期ロットは拡張チップ非搭載。滑走路やターゲット、建築物など地表オブジェクトが配置された地面は起伏のない完全な平面であるが、回転・拡大・縮小機能によってダイナミックに動くパースペクティブで描かれ、半透明のグラデーションレイヤーを重ねた擬似的なフォグ空気遠近法による距離感も表現している。ガイドビームやリング、上昇気流など高低差のあるオブジェクトは3次元の座標を持ったスプライトオブジェクトによって表現。さらに地平線や雲などが描かれた遠景を消失点と連動させるなど、すべてを基礎的な遠近法に基づいて描画することにより当時のコンシューマー機用ゲームとしては他に類を見ない正確なパースペクティブと説得力のあるリアルな空間表現を実現した。DSP-1は、他にも『スーパーマリオカート』などに使われている。

スタッフ[編集]

  • エグゼクティブ・プロデューサー:山内溥
  • プロデューサー:宮本茂
  • ディレクター:杉山直
  • プログラマー:加藤周平、矢嶋肇、河越巧
  • グラフィック・デザイナー:スージー、森直樹
  • サウンド・コンポーザー:近藤浩治岡素世

評価[編集]

ゲーム誌「ファミコン通信」の「クロスレビュー」では合計30点(満40点)でシルバー殿堂入りを獲得[2]、「ファミリーコンピュータMagazine」の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、21.51点(満30点)となっている[1]

項目 キャラクタ 音楽 お買得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 3.49 3.47 3.42 3.46 3.64 4.03 21.51

ゲーム内容は地味ながらも好評であったが、人気シリーズである『スーパーマリオワールド』や、派手な『F-ZERO』の陰に隠れてしまい、売上げは任天堂の予想を下回った。なお、任天堂はこのゲームの発売後に販売のテコ入れのため「飛ばず嫌いになっていませんか?」という広告をゲーム雑誌に掲載した。

続編[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ a b 「5月24日号特別付録 ファミコンディスクカード ゲームボーイ スーパーファミコン オールカタログ」、『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第10号、徳間書店1991年5月24日、 222 - 223頁。
  2. ^ パイロットウイングス [スーパーファミコン]/ ファミ通.com” (日本語). KADOKAWA CORPORATION. 2015年4月12日閲覧。

外部リンク[編集]