タランチュラ星雲
タランチュラ星雲[1] TARANTULA NEBULA[2] | |
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ラ・シヤ天文台のTRAPPIST望遠鏡の初めての画像
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仮符号・別名 | NGC 2070[3]、30 Doradus Nebula[2] 30 Dor Nebula[2]、Caldwell 103 |
星座 | かじき座 |
見かけの等級 (mv) | +8[3] |
視直径 | 40' × 25'[3] |
分類 | 輝線星雲 |
位置 元期:J2000.0[2] | |
赤経 (RA, α) | 05h 38m 38s[2] |
赤緯 (Dec, δ) | -69° 05' 42"[2] |
距離 | 16万 ± 1万 光年 (49000 ± 3000パーセク)[3][4] |
絶対等級 (MV) | ~ -11.7 |
物理的性質 | |
半径 | 500光年 |
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タランチュラ星雲(タランチュラせいうん、NGC2070、Caldwell 103)は、大マゼラン雲のHII領域にある輝線星雲である。当初は恒星と考えられていたが、1751年にニコラ・ルイ・ド・ラカーユが星雲であることを突き止めた。
恒星以外の天体としては非常に大きい光度を持つ。その明るさは、もし地球からオリオン大星雲ほどの距離に来たならば、影を生じるほどである。実際に、局部銀河群で知られている最も活発なスターバースト領域である。また局部銀河群のそのような領域としては直径200パーセクと最も大きいことで知られる[4]。星雲は大マゼラン雲の最先端に位置し、そこでは動圧がなくなり、星間物質の圧縮が最大限に達する。核には、直径約35光年の小さな星団R136が存在し[5]、星雲のエネルギーの大部分を生産している。星団の質量は推定45万太陽質量であり、将来は球状星団になると推測されている[6]
タランチュラ星雲にはR136の他にも、2000万歳から2500万歳と古い星団であるホッジ301もある。この星団中の最も質量の大きい恒星はすでに超新星として爆発している[7]。
望遠鏡が発明されて以来、直近で観測された超新星爆発は、タランチュラ星雲の外縁部で生じたSN 1987Aである。
画像
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星団RMC 136a
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タランチュラ星雲の中心領域
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タランチュラ星雲に近い大マゼラン雲の領域
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タランチュラ星雲の中心部にR136が位置する。白いホッジ301も右上に見える。
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タランチュラ星雲とその周辺
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タランチュラ星雲のフィラメント
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画像の中心に星雲が見える
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広域赤外線探査衛星で観測したタランチュラ星雲
出典
- ^ 沼澤茂美・脇屋奈々代『星座の事典』ナツメ社 2007年。ISBN 978-4-8163-4364-3
- ^ a b c d e f “SIMBAD Astronomical Database”. Results for Tarantula Nebula. 2012年5月4日閲覧。
- ^ a b c d “SEDS Students for the Exploration and Development of Space”. Results for Tarantula Nebula. 2007年5月8日閲覧。 “30 Doradus .. 49 kpc +- 3 kpc”
- ^ a b Lebouteiller, V.; Bernard-Salas, J.; Brandl, B.; Whelan, D. G.; Wu, Yanling; Charmandaris, V.; Devost, D.; Houck, J. R. (June 2008). “Chemical Composition and Mixing in Giant H II Regions: NGC 3603, 30 Doradus, and N66”. The Astrophysical Journal 680 (1): 398–419. doi:10.1086/587503 .
- ^ Massey, P ; Hunter, D. (January 1998). “Star Formation in R136: A Cluster of O3 Stars Revealed by Hubble Space Telescope Spectroscopy”. The Astrophysical Journal 493 (1): 180. doi:10.1086/306503
- ^ Bosch, Guillermo; Terlevich, Elena; Terlevich, Roberto (2009). “Gemini/GMOS Search for Massive Binaries in the Ionizing Cluster of 30 Dor”. Astronomical Journal 137 (2): 3437–3441. doi:10.1088/0004-6256/137/2/3437 .
- ^ Grebel, Eva K.; Chu, You-Hua (2000). “Hubble Space Telescope Photometry of Hodge 301: An "Old" Star Cluster in 30 Doradus”. Astronomical Journal 119 (2): 787–799. doi:10.1086/301218 .