ゾルディック家
このフィクションに関する記事は、全体として物語世界内の観点に立って記述されています。 |
ゾルディック家(ゾルディックけ)は、冨樫義博の漫画 『HUNTER×HUNTER』に登場する架空の暗殺者一家。主要登場人物の1人であるキルア=ゾルディックの生家であり、現在はキルアを含めた10人で構成されている。
伝説の暗殺者一家と称され、「誰も真の顔を見たことがない」「顔写真ですら1億ジェニーの値がつく」と噂されていたが、実際には潜伏などは一切していない。パドキア共和国デントラ地区のククルーマウンテンにある邸宅は観光スポットになっている。地元では暗殺を請け負う家業は知られているが、恐れられず名家として慕われている。
山中に入るための巨大な正門は正式名称を「試しの門」(別名「黄泉への扉」)と呼ばれており、その名の通り入る者の力を試す門である。扉の重さは片方2トンずつで、押す者の力に応じて1から7までの大きい扉が開く仕組みになっており、数が増えるごとに重さが倍になっていく(7の扉の重さは片方128トンずつ)。試しの門を開ける以外の手段で入った者は侵入者と見なされ番犬のミケに攻撃されるため、最低でも片方の2トンの扉を開ける力がなければゾルディック家を訪れる資格はないとされる。
家族間で考え方・方針の違いが生じた場合、敢えて意見を統合せずに、『家族』は殺さないという条件のもと、それぞれが自分の望む方法を通すために最大限努力する、通称「家族内指令(インナー・ミッション)」と呼ばれる方式が取られ、作中では、「会長総選挙・アルカ編」において、ネフェルピトーとの戦いで念能力の「『誓約』と『制約』」の反動で危篤状態になったゴンを救う為に、キルアがアルカを解放しようとしたことをきっかけとして生じた「キルアとイルミ・シルバ・キキョウの対立」という形で表されている[1]。
声の項は第1作 / 第2作の順。
キルア=ゾルディック
ゾルディック家三男、第288期ハンター試験合格者。年齢は12歳(初登場時は11歳)。誕生日は7月7日(七夕)。身長158cm、体重45kg。血液型はA型。銀髪の少年で、主人公ゴン=フリークスの親友。
家族や執事ら使用人以外と接する機会のない生活を送ってきたが、暇潰しのつもりで受けた第287期ハンター試験でゴンと出会い、生まれて初めての友達ができる。以後、多くの時間をゴンと共に行動する。第287期ハンター試験は最終試験で対戦相手のボドロを殺害し自主的に失格となるが、第288期で他の参加者を軒並み叩きのめして唯一の合格者となった。
幼少から暗殺者になるための英才教育を受けており、少年ながら既に多数の実戦経験を積んでいる。暗殺術の才能はゾルディック家史上随一と言われるほどで、次男ミルキ以外の家族は全員、キルアをゾルディック家の後継者と認めており(そのミルキも、キルアの才能はゾルディック家で随一と評価している)、執事一同からも敬愛されている。逆にキルアは家族に対し、母のキキョウは鬱陶しく感じ、次男のミルキを軽視し、祖父のゼノと父のシルバのことを尊敬し、長男のイルミには畏怖の感情を抱いている。一方でアルカに対しては、一時期は忘れてしまっていたようだが、「妹」として時に過保護とも言えるくらいに可愛がり、彼女を道具扱いするイルミたちには激しい怒りを見せている。なお、マハやカルトに対して、キルア自身はどう思っているのか不明で、総集編treasure2の相関図にも書かれていない[2]。
念を習得する前は自身の実力を過信していたようで、ネテロとのボール取り合戦では、あれ以上続けたら殺してでも奪いたくなると考え、またウイングから殺したいと思ってもいいかという問いかけに対し「無理だから」と了承するなど、遥か上の実力者の実力を推し量れていなかった。
直情径行で無邪気・無鉄砲なゴンとは対照的に、冷静沈着で頭の回転が速く現実主義者であり、まず状況を的確に把握し、その上で極力危険を避けるよう行動を起こす。ただし時に臆病とすら言えるほどの慎重さは生活環境によって培われただけではなく兄のイルミによる洗脳によるものでもあり、洗脳のための針を自ら摘出した後には根本の慎重さはそのままに以前と比べて大胆で覇気のある性格となった。もっとも、慎重派ゆえに作戦の段階で仲間と意見が分かれることもある。お菓子やゲームが好きで、金銭感覚に乏しく賭け事に嵌りやすい。
父シルバの「俺の子だ」という確信に基づき、「勝てない敵とは戦わない」というイルミの針の操作によりキルアは敵前逃亡してゴンを裏切り、「仲間を裏切るな」という父との誓いを破ったキルアは自発的に殺し屋となると目論まれていたようだが、キルアが自ら針を引き抜いた事でこの目論みは失敗に終わった。グリードアイランド編、キメラ=アント編、選挙編を経て成長しており、ツボネに「イルミ様に遅れを取らない」と評されている。
第287期ハンター試験から戻ってきた時は試しの門は3の扉(16トン)まで開けているが、キメラ=アントとの戦いが終わって戻ってきた時は5の扉(64トン)まで開けている。
念能力
変化系能力者である。その特性を生かし、オーラを電気に変える能力を身に着けている。使用回数や威力はスタンガンなどによって自らの体内に充電した電気の量に応じて変化するという制約を持つ。普通ならば数年は電撃に耐える修行が必要なのだが、キルアは幼い頃から日常的に電流を浴びていた(拷問の訓練)ため、数日でこの能力を習得した。この念能力を身に付けてからは、能力を生かすため、ストリングに鎖を用いた重量50kgになる特注の合金製ヨーヨー2個を、武器として携帯している。このヨーヨーは死角から周囲を探るための手鏡代わりとしても用いられる(しかし、パーム戦において一撃で破壊された)。また、円などのオーラを体から放す事を非常に苦手にしており、円の範囲は半径57cmである(正確には円とは呼べないレベル)。
- 雷掌(イズツシ)
- 両手からスタンガンのように高圧電流を発する。敵を感電させ、一時的に動きを封じる。
- 落雷(ナルカミ)
- 敵の上方に跳び、両手から落雷のように高圧電流を敵の頭上に落とす。
- 神速(カンムル)
- 電気に変えたオーラを身体の末梢神経に直接流し込む事によって超人的な反射行動を可能にする。また、攻撃は雷掌と同じ効果を持つため相手の反撃を封じながら戦うことが可能。使用している間は髪が稲妻状に毛羽立つ。他の能力同様、電気を使い果たすと使用できなくなる。キメラ=アントのオロソ兄妹戦での考え(手や脳の周囲を電気に変えたオーラで覆い、神経を伝うより限りなく早く手に指令を送る技術)をヒントに考案した。だがこの技は大量の電気を必要とするためすぐに電池切れになってしまう。また、反射速度は上がるが人間の肉体的な限界は超えない。
- 電光石火(でんこうせっか)
- 自身の肉体を操作することで、超高速の初動をすることができる。これは疾風迅雷と違って自分の意思で行動できる。週刊少年ジャンプ掲載時には「雷光石火」と表記されていた。
- 疾風迅雷(しっぷうじんらい)
- プログラムされた攻撃を、相手のオーラの害意に反応し超高速でオートにカウンター攻撃を行なう。脳で認識するよりも早く先手を取る。
暗殺術
キルアが幼いころから受けてきた、暗殺者としての訓練により身についた技術。
- 暗歩(あんぽ)
- 無音歩行術。キルアは暗殺家業を廃業した現在でもこれを使って走行(歩行)するのが癖になっている。
- 肢曲(しきょく)
- 暗歩の応用技。歩行速度に緩急をつけることで、敵に残像を見せる。
- 肉体操作
- 自らの爪を鋭く変形させ、相手を殺傷する。作中でこれが使用されたシーンでは、相手の心臓を高速で抜き取って殺傷している。ゾルディック家は特にこの動作を「(相手の心臓を)盗む」と表現している。
- 蛇活(だかつ)
- 自らの体の関節を自在に曲げ、相手に絡み付いて四肢などを破壊する。キメラ=アントに対して使用。
- 関節を外す
- 自らの体の関節を瞬時に外し拘束から脱出する。念能力による拘束にも効果がある。幻影旅団のマチに念糸で捕まったときに関節を外して抜け出した。
キルアの兄弟
五人兄弟。名前は生まれ順に、真ん中の文字を「ル」とする3文字のしりとりになっている。
- イルミ=ゾルディック
- 声 - 高乃麗 / 松風雅也
- ゾルディック家長男。第287期ハンター試験合格者。24歳。身長185cm。体重68kg。血液型A型。試験時は自分のオーラを込めた針で顔を変え、「ギタラクル」という偽名を使っていた。操作系能力者。一人称は「オレ」だが、「ボク」と言う事もある。
- 父と共にキルアを一流の暗殺者に教育した人物。その教育方針は、どのような状況下でもキルアが絶対に死ぬことがないようにすること。キルアを歪ませた張本人であるが、これらの仕打ちは、キルアに対する屈折した愛情からくるものである。
- 仕事の都合でハンターの資格が必要となったためハンター試験を受け、合格する。ヨークシンではクロロの依頼によりマハ、カルトと共に十老頭を暗殺した。ヒソカやクロロとビジネス上の交流があるが、ヒソカとの付き合いのほうが長いため、ヒソカが旅団を出し抜く計画に手助けをしたこともある。
- シルバ、ゼノとはギブアンドテイクの対等の関係である。
- アニメ版第1作では、ヒソカの怒りを買うと分かっていながら、キルアの人格に影響を与える恐れのあるゴンをハンター試験終了後に抹殺しようとし、その歪んだ愛情がより強調されている。一方で、「会長総選挙・アルカ編」では、ヒソカから「ボクがキルアを〈やる〉(殺す)のは、アリかい?」と訊ねられた際は、周囲の鳥が一斉に飛び出すほどのほどの凄まじい殺気を放ちながらヒソカを睨みつけ「お前を殺すよ ここで 今」と声を荒げていた[3]。
- 劇場版「緋色の幻影」では元幻影旅団メンバーのオモカゲが作った偽イルミが登場、ゴンやキルアを動揺させた。
- 目的のためには率先して一般人を犠牲にし(後述の針人間)、野心が高く、キルアのみ、ナニカに「命令」することで無条件で願いを叶えることができる事を知るとキルアとアルカを手中に収めようと企み始める。
- 針人間
- オーラを込めた特別製の針を対象の頭部に刺し、身体能力を上げつつ死ぬまで従属させる。対象はもっぱら無関係の一般人であり、刺された時点で再起不能の廃人同様になる。数十人以上を同時に操ることが可能。
- 操作系能力
- 針を刺したものを操る操作系能力。相手に自白を強要したり、暗示を与えることもできる(キルアは脳に針を刺され「確実に勝てない敵からは逃げる」よう暗示をかけられていた)。また、自分に刺して顔を変えることもできる(針無しでも顔を変えられるが、4、5時間で解除してしまう)。
- ミルキ=ゾルディック
- 声 - 石塚堅 / 斉藤貴美子
- ゾルディック家次男。1981もしくは82年生まれ。19歳。身長182cm。体重141kg。血液型A型。操作系能力者[4]。
- フィギュアやゲームなどを収集しているオタク。大食で滅多に家から出ないので肥満体である。キルアからは陰で「ブタくん」と呼ばれるなど見下されており、キルアが家出した際には脇腹を刺されている。一家の期待を集めるキルアのことを快く思っておらず、家庭では唯一冷たい態度を取っている。ただし内心でその実力は認めており、キルアからの純粋な取引に応じることもある。コンピュータや機械全般に強いが、理論だけが先走って役に立たないものを作ることも多いようで、「頭はいいがバカなのが玉にキズ」と祖父ゼノに評される。
- オタクとしての意地と執着からG・I入手のために奔走し、ヨークシンまで旅立つ精力的な面を見せたが、オークションで大富豪バッテラに全敗するとあっさり帰宅した。
- ミュージカル版ではヒソカとの戦いで外見によらない高い身体能力を披露したが、返り討ちに遭って家族や使用人達と共にヒソカの操り人形と化した(後にイルミに助けられる)。
- アルカ=ゾルディック
- 声 - 内田真礼(第2作)
- ゾルディック家第四子。
- 巫女のような服装をしており、喜怒哀楽を模した髪留めをしている。容姿は女性そのもので、一人称も「あたし」。キルアは「妹」と称し女の子扱いしているが、イルミは「弟」、ゾルディック家の執事は「坊ちゃま」と呼んでいるため性別は正確には不明。その特異な能力からシルバには「別の何処かからきた闇(なにか)」と称され、その能力の危険性ゆえに幼少期から地下室に厳重に隔離されていた。キルアにはよく懐いているが、キルア自身はアルカが隔離されていることについては「なぜ放っておけた」と自問しており、イルミの針を埋め込まれていたことが関係していると考えている。暗殺一家の一人ではあるが、幼少期から隔離されていたこともあり、純粋な戦闘能力は殆どなく普通の子ども並。家族たちからは遠ざけられているがゾルディック家としては珍しく無邪気で素直な性格の持ち主。
- 名前自体は初期から出ていたが、本格的に登場したのは会長選挙編から。その関係でゾルディック兄弟で唯一、アニメ第1作とミュージカル版には登場していない。
- ナニカ
- アルカのおねだりを三回連続で叶えるとアルカが変化する姿。真っ黒な目と笑っているかのような半開きの口が特徴。他人の願いを叶える能力を持ち、願いを一つ叶えるとアルカに戻る。願い事を言われると「あい」と返事をする。
- ナニカの能力
-
- おねだりを三回連続で叶えるとどんな願いでも一つだけ叶えられる。
- おねだりを4回連続で断ると、おねだりされた人物とその人物が最も愛する人物の最低二人、それ以降はその人物と長時間接していたものから順に死ぬ。
- ナニカがおねだりできるのは、ナニカが名前を知っている人物だけである。
- おねだりをしている最中に、別の誰かにおねだりすることはできない。
- (両親のシルバとキキョウにナニカがおねだりしなかったのは、キルアやミルキがナニカからのおねだりを中断している最中になるように計算していたためである)
- おねだりをしている相手が途中で死亡しても「おねだり未達成」となり最低一人死者がでる。
- 願い事の難易度に比例して、次のおねだりの難易度が上昇し、おねだりを叶えることができなかった場合の死者も増える。
- 一度願い事を叶えてもらったものは、誰かが願い事をした後でないと再び願い事が出来ない。
- おねだりに応えることができずに死者がでた場合、次からはおねだりの難易度がリセットされる。
- 「治す」場合には対象に直接触れなければならないが、キルアいわく治すお願いの後に残酷なおねだりをしたことはない。しかし、直後に寝てしまう。
- なお、アルカの姿に戻った時におねだりを言うものの、実際におねだりをしているのは「ナニカ」である。そのために厳密には、アルカがアルカとして存在していられるのは「おねだりを失敗し、死者が出たあとのおねだりレベルがリセットされた時」「おねだりが中断されている(おねだり中の相手が不在)時」だけになる。
- アルカ自身はナニカの存在も自覚している。ゴン治療後にキルアがアルカのためを思って、ナニカに「もう二度と出てくるな」と命令するが、アルカは「ナニカが泣いている」「ナニカも大切にしてくれなきゃダメ」とキルアを責めるなど、アルカはナニカを大切にしている様子。
- キルアのみ、ナニカに「命令」することで無条件で願いを叶えることができ、代償を必要としない。また、「同じ人間が連続して「お願い」することは出来ない」ルールも彼には適用されない。キルアが例外なのは、ナニカがキルアを慕っているため。
- カルト=ゾルディック
- 声 - 前川優子 / 能登麻美子
- ゾルディック家5人兄弟の末っ子。10歳。身長150cm。体重31kg。血液型A型。性別は不明(データブックでは弟とされている[4]。小説では妹という設定)。
- 幻影旅団団員、団員ナンバー4。操作系能力者。
- ヨークシンではイルミ、マハと共に十老頭を暗殺した。兄(誰なのかは今のところ不明)を取り戻すため、ヒソカの抜け番として幻影旅団に入団する。最初はすぐにNo.2の地位に登りつめるつもりだったが、フェイタンを始めとする旅団員と自分との圧倒的実力差に打ちのめされ考えを変える。
- キルアに対し屈折愛を抱き(総集編treasure2の相関図より)、アルカに対して嫉妬心を抱いている事から、前述の取り戻そうと考えている兄はキルアである可能性が高い。
- 女物の着物姿から一見物静かな印象を受けるが、獲物をいたぶる癖があり、また、時として苛立ちも見せる。紙製の扇子と紙吹雪を武器として使用する。一人称は「ボク」。
- 紙を操作する能力(仮称)
- 扇子を使って自在に紙を操り攻撃をしたり、紙片を対象者に付着させることで、紙人形を介して対象者の周囲の音や会話を聞くことができる操作系能力。
- 蛇咬の舞(だこうのまい)
- 無数の紙吹雪を蛇のように連ねて、それを一箇所に集中して飛ばす攻撃技。威力もキメラ=アントの体を切断するほど高い。
- 探索能力(仮称)
- G・I編で除念師であるアベンガネを見つけた能力。詳細は不明。
キルアの親族
- シルバ=ゾルディック
- 声 - 石井康嗣 / 山寺宏一
- ゾルディック家当主。キルアたち5兄弟の父親。46歳。身長198cm。体重110kg。血液型A型。変化系能力者[4]。
- 相手の傷口から血を出さずに心臓を盗む事が出来る程の暗殺技術を持つ。かつて幻影旅団の1人を仕事で殺しており、クロロとも面識がある。後に旅団の事に対し「割に合わなかった仕事」や「旅団とは関わるな」などといった言葉でキルア達兄弟に警告していた(ただし、「割に合わない」とは標的への賛辞でもあるとキルアは語っている)。ヨークシンではマフィアに依頼され、ゼノと2人がかりでクロロと闘い追い詰めるが、結果的には中断している。ベンズナイフのコレクターで、クロロが使った毒ナイフもベンズの中期型と分析するなど、かなりのマニアである。また、半機械生物的なオブジェクトに彩られた自身の部屋を持つ(部屋内にはペットらしき動物もいる)。
- キルアに対しては一度戻ってきた際にキルアの意思を尊重し、ゴンや他の「仲間を裏切るな」と静かに且つ強く言い聞かせるなど父親らしさを示したが、キキョウに詰問された際に「俺の子だ」という事を根拠にキルアがいつかは実家に帰ってくると断言するなど、キルアを後継者にすることはまだ諦めていなかった。「勝てない敵とは戦わない」という命令を込めて針を刺しておく事で、キルアは強敵を前に逃亡しゴンを裏切り、誓いを破ったキルアは自発的に殺し屋となると考えていたようだが、キルアが自ら針を抜いた事でこの目論みは失敗に終わった。
- 非常に寡黙であり感情を表に表す事は少ない。家族内ではゼノと相性が良く共に行動する事が多い。一族を滅ぼしかねない力を持つナニカには一線を引いて接する慎重派であり、アルカを家族だとは思っていけないと周囲に言い聞かせている。キメラ=アント編では、ゼノを追ってきたヂートゥを上空からの不意打ちで一撃で倒している。選挙編でキルアからゴンを助けるための直談判を受けるも、アルカを解放するという願いを聞き入れずキルアと対立しており、「家族内指令(インナー・ミッション)」に則り行動する事で家族間の対立を解決しようとする。
- キキョウ=ゾルディック
- 声 - 雪絵れな / 岩男潤子
- ゾルディック家5兄弟の母親。操作系能力者[4]。42歳。身長170cm。体重41kg。血液型A型。流星街出身[4]。
- キルアに対して歪んだ愛情を注ぐ危険な母親。機械式ゴーグルを常に装着し、素顔を見せたことはない。キルアに顔面を刺された際泣いていたが、「(母親を刺すほど殺し屋として)立派に育ってくれて嬉しい」という喜びによるもので、母親としての愛情はあるものの、かなり常軌を逸した感性の持ち主である。前述のように素顔を見せた事はないが、ツボネによると第一子であるイルミがキキョウ似とのこと。また、子供達からはそれぞれ呼ばれ方が異なる[5]。
- ゼノ=ゾルディック
- 声 - 宮澤正 / 大竹宏
- キルアの祖父。変化系能力者[4]。
- 「一日一殺」や「生涯現役」等の刺繍が入った服を着ている。67歳。身長161cm。体重58kg。血液型A型。本気を出せば半径300mの「円」を使える。ヨークシンでは十老頭の依頼によりシルバと共にクロロと交戦する。勝負無しとなったクロロに一対一ならどちらが勝つかと問われ「十中八九ワシ」なおかつ「お主が本気で殺ろうと思えば話は別」と語っている。仕事では非常に物騒な人物だが、それ以外では比較的好々爺で、使用人のカナリアもゼノに頼めばキルアを助けられると考えていた(相関図ではキルアに「ちょい甘」と記されている)。殺しはあくまでもビジネスと割り切っており(「好きでやってる仕事ではない」と公言している)、仕事以外での殺しはせず、たとえ仕事上の殺しであっても、依頼者が死亡した場合にはその時点で仕事を打ち切っている。また、後述のネテロのサポートでコムギに傷を負わせてしまった際も「家業を継いで初めて無関係の人間を殺めてしまったかもしれない」と悔恨する旨の発言をしている。
- ネテロと共にキメラ=アントとの最終決戦に参加し、メルエムと護衛隊の分断を担当した。ゼノがネフェルピトーの円に触れた際、ネフェルピトーが「円を解き完全な臨戦態勢をとる必要がある」と感じるほどの実力者である。
- TVアニメ第2作では、生後間も無い赤子のゼノと老人のネテロが対面するシーンがある。
- 龍頭戯画(ドラゴンヘッド)
- オーラを物理的攻撃力を持つほどに圧縮し、龍の形に顕現させる変化系能力。
- ゼノの能力の基本形で、ここから様々な派生技を繰り出す。
- 創り出した龍はゼノの意思通りに様々な動きをする。体から離して龍を飛行させたり、その龍に乗って空を飛ぶことも可能。
- 牙突(ドラゴンランス)
- 手に集中させたオーラを龍の頭部に模し、それを伸ばして攻撃する技。
- 伸縮・旋回も自由自在で、龍に対象を噛み付かせて捕縛したり、場合によってはそのまま噛み砕いたりして攻撃できる。龍の胴体部分を縮め、噛み付いた相手に急接近することも可能。
- 龍星群(ドラゴンダイヴ)
- 無数の小さなオーラの龍を上空から雨の様に降り注がせる、広範囲無差別攻撃技。放出系能力との複合技。
- 小さな龍1つ1つがコンクリートの建物を3階から1階まで容易く貫通する程の威力を持っている。作中では、上空を飛行していた「龍頭戯画」が弾けて分裂して降り注ぐと言う連携技として登場している。
- キルアの祖母
- バスガイドの話の中でいることがわかる。今のところ姿は見せていない。
- アニメ第2作では彼女のものと思われるシルエットが登場している。
- マハ=ゾルディック
- ゾルディック家家長。ゼノの祖父で、キルアの高祖父。当初の説明ではキルアの曾祖父とされていた[4]。強化系能力者[4]。
- ネテロと同い年の高齢ながら、未だに現役。身長140cm。体重65kg。血液型A型。過去にネテロと一戦を交えたことがあるという。旅団団長クロロからの依頼を受け、イルミ、カルトと共に十老頭を暗殺した。
- アニメ第1作ではOVAグリードアイランド編のキルアの回想にて姿のみ登場。ミュージカル版には登場していない。アニメ第2作ではシルエットを見せているのみ。
- ZZIG ZOLDYCK
- アイザック=ネテロ、リンネ=オードブルと共に暗黒大陸を目指した。詳細は不明。
執事
本邸との連絡調整、外敵排除、来客対応ほか、雇用主からのあらゆる命令をこなす。敷地内に養成所があり、そこで執事として教育を受ける。恋愛は禁止されており、恋人を作ると死刑になる。
- ゴトー
- 声 - 松山鷹志 / 堀内賢雄
- 執事長。身長182cm。体重61kg。A型。キルアへの情愛が強く、キルアをゾルディック家から連れ出そうとやって来たゴンたちへの怒りからコインゲームで戦う。しかし、同時に良心の持ち主でもあり、結局最後はゴン達にキルアを託した。
- キルアがゴンを助けるためにアルカを連れ出した際は、カナリア、アマネと共に監視役として彼に付き従う。途中キルアを追ってきたヒソカと交戦し死亡。彼の死はカナリアと凶狸狐の息子によってキルアには隠し通された。
- コインを打ち出す能力(仮称)
- オーラを纏ったコインを指ではじき、打ち出す能力。弾丸以上の威力を持ち、連射速度・精密性も高い。弾速を落とす代わりに回転力を上げた打ち方も可能。
- カナリア
- 声 - 木内レイコ / くまいもとこ
- 執事見習いの少女。身長164cm。体重52kg。AB型。グリップに球体をはめ込んだ杖による戦闘術を修めている。キルアと年が近いため、彼に対しゾルディック家ではご法度の友情を抱いている。ゴン達の入庭を阻止しようとしたが、ゴンの強い意志を目の当たりにして「キルアを助けて欲しい」と本心を明かし、入庭を許可した。
- キルアがゴンを助けるためにアルカを連れ出した際は、ゴトー、アマネと共に監視役として彼に付き従う。
- ミュージカル版では鈴木真仁が彼女を演じている。なお、そのミュージカル版ではカナリアは絶命したと思われたが、ヒソカのバンジー・ガムで九死に一生を得る。
- TVアニメ第2作では流星街出身で、肢曲も使えるという設定になっている。
- ツボネ
- 声 - 谷育子(第2作)
- シルバ直属の執事。キルアを唯一「キルアちゃん」と呼べる古参で、肝っ玉の据わった巨躯の老婆。キルアが唯一苦手としている執事であり、ゴトーからも「ツボネ先生」と呼ばれ恐れられている。
- キルアの成長を感慨深く見ることもあるが、殺しへの哲学からキキョウにあまりいい印象をもっておらず、母親似のイルミも好きになれないという。
- シルバの命令でアマネと共に、キルアとアルカのお目付役となる。
- 大和撫子七変化(ライダーズハイ)
- 自らの体を元に様々な乗り物を具現化する。原動力は乗り手のオーラなので、自力では操作できない。乗り物のノーズには自身の顔が戯画化されてくっついており、言葉も発することができる。
- バイクを具現化してカナリアとアマネが乗ったときは舗装路をキルアの電光石火をはるかに上回るスピードで走った。
- アマネ
- 声 - 井上麻里奈(第2作)
- ツボネの孫娘で、執事。ツボネと共にシルバからキルアとアルカの監視を任される。職務中は冷静な立ち振る舞いを見せるが、素の性格は感情をむき出しにするタイプ。
- ヒシタ
- 声 - 不明[6] / 浪川大輔(第25話)→鈴木琢磨(第143話)
- ゾルディック家の執事。ゴトーの時間潰しゲームに協力。ゴン達の背後で長い刃物を取り出して緊迫感を与えた。コインゲームの締めくくりにもこっそり参加するが、ゴンにあっけなく見破られる。
- キルアがゴンを助けるためにアルカを連れ出した際は、キルアとアルカが乗った飛行船の着陸場所に車で到着し、二人を車に乗せてゴンがいる病院に向かう。しかし、すでにイルミに針人間にされており、キルア達をイルミの罠に掛ける。
- アニメ第2作では執事室にやって来たゴンの傷の治療を担当している。
- 原作及びアニメ第1作では黒髪だが、第2作ではオレンジ色の髪をしている。
- ミツバ
- 声 - 赤﨑千夏(第2作)
- ゾルディック家の女性の執事。アルカの世話係をしていた。アルカの「ナニカ」をキルアの次に発見する。キキョウに「おねだり」を断ることと言われ、4回断った途端に身体がミンチ状になって死亡した。その際、別の場所にいた同僚のハサムが同じ様に死亡したため、ハサムが最も愛する人物であったらしいが、詳しい関係は不明。
- ハサム
- ゾルディック家の執事。ミツバが「おねだり」を4回断ったのと同時に、ミツバと同じ様にミンチ状になって死亡した。
- ヤスハ
- 声 - 潘めぐみ(第2作)
- ゾルディック家の女性の執事。ミツバの後任でアルカの世話係をしていたが、魔が差してアルカに「億万長者にして下さい」という願いを言ってしまう。直後、突如現れた現金輸送船から全ての現金が自分の周りにばら撒かれた。
- カスガ
- 声 - 優希(第2作)
- ゾルディック家の女性の執事。電脳ネットで知り合って意気投合した恋人がいた。アルカの実験のためイルミに恋人を人質に取られ、アルカの世話係に指名された。「おねだり」が出来たら二人とも解放すると言われたが、とても叶えられない「おねだり」を4回されたため死亡した。その際、恋人を含む自分に関係がある計67人が巻き添えになった。しかし、恋人が出来る前の最愛の人は実母であったが、巻き添えにはならなかった。
その他
- ゼブロ
- 声 - 赤星昇一郎 / 仲野裕
- ゾルディック家の使用人(掃除夫)。表向きは門の警備係だが、実は正門以外から入った侵入者をミケが襲った際の後片づけ係。力は強く、正門のうち第1の門は開けることができる。これが開けられなくなると解雇されるため、結構な年であるが今でも鍛錬を重ねている。キルアを訪ねて来たゴン達には優しく接した。ミュージカル版では途中でイルミが化けた偽者も登場した。
- なお、アニメ第1作の声優である赤星は後述の平光、アニメ第1作でレオリオを演じた郷田ほづみと共にコントユニット、怪物ランドを結成している。アニメ中にも赤星が過去に演じた他の役に由来する台詞がある。
- シークアント
- 声 - 平光琢也 / 西村朋紘
- ゾルディック家の使用人(掃除夫)。元賞金首ハンター。かつて100人の子分を連れてゾルディック家に乗り込むも、カナリアただ一人に阻止されてそのまま使用人となった。アニメ第2作では首領は別の大男(声 - 金光宣明)であり、彼自身は参謀的存在の立場に変更された。
- なお、アニメ第1作の声優である平光は前述の赤星、アニメ第1作でレオリオを演じた郷田ほづみと共にコントユニット、怪物ランドを結成している。
- ミケ
- ゾルディック家の番犬。体長377cm。体重405kg。獰猛で意思を持たず、「侵入者は噛み殺せ」という命令の意識しか無い(しかも、実際は食い殺している)が、「試しの門を開けて入ってきた者は攻撃するな」という命令も与えられている。命令条件に該当しさえすれば、毎日顔を会わせているゼブロにも襲いかかる。人に懐かないように教育されており、動物と深くコミュニケーションが取れるゴンですら、一目見た瞬間に冷や汗を流し、接触を拒否する程。大きさは別として、姿形は犬種ボルゾイに酷似している。ミュージカル版でも名前のみが登場した。
- バスガイド
- 声 - 並木のり子 / 長沢美樹
- パドキア共和国で運転されている「号泣観光バス」のガイド。笑顔のまま怒ることもできる。アニメ第1作では、「ココちゃん」というニックネームがある。
脚注
- ^ イルミは、この「インナー・ミッション」においては「『家族』は殺さない」とキルアに話している一方で、シルバ同様、アルカを「家族」とは見なしておらず、またキルア・アルカ追跡の際に、自身が協力を申し出たヒソカに「キルアと行動を共にしている執事(ゴトー、カナリア、アマネ)の排除」を依頼していることから、ゴトーら執事に対しても「『家族』ではない」と考えている模様。
- ^ 総集編treasure2の相関図によると、マハは基本的に家族の事についてはノータッチとなっているため、キルアと交流があるのかも不明。
- ^ これを見たヒソカは笑いながら「冗談だよ~」と話していたが、この時放たれた殺気により、キルアに自分の存在が気づかれてしまった為、イルミは「キルアに自分の存在を気づかせるために、ヒソカがわざと自分を挑発するような言葉をかけた(つまり、「ヒソカが自分を〈ハメた〉」)」と考えている。
- ^ a b c d e f g h 「ハンターズ・ガイド」より。
- ^ アルカは不明だが、イルミは「母さん」、ミルキは「ママ」、キルアは「おふくろ」、カルトは「お母様」
- ^ ゴンに言い当てられたときに息遣いを発しているのみ。